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健康に関する本です。特定の健康法を勧めているというわけではなく、科学的に証明されている情報をもとに、食事や運動面などで押さえておきたい知識をいろいろと紹介しています。日々の体のコンディションを維持、向上させたい方におすすめできる1冊です。
【特に印象に残ったフレーズ】
・「人はそれぞれからだのできが違う。万人に画一的な健康法を押し付けるのはナンセンス。ただ、有効な健康習慣を体得するにはある程度の摂生は必要。諸説が本物かを判断し、自己責任で解決する知識が大切。」
1つの健康法がなかなか効果が出なくても、それはたまたま自分に合わなかっただけだと思い、いろいろ試してみることは重要です。
・「難問に対面しても、平静な心と不動な態度を得るため、まず必要なことは『周囲の人々に多くを期待しないこと』で、『その日の仕事を精いっぱいして満足感を持ち、将来起こるかもしれないことには心を煩わせず、明日は明日の風が吹くと割り切る』こと。」
なかなか実践するのは難しいと思うことはありますが、やはり他人を簡単に変えることはできません。自分が変わらないといけないですね。
・「健康を失うとすべてを失う。」
先日、引退されたスポーツ選手の方が、「これからは、ケガしてもいい」と言っていたのが印象的でした。これと一緒だと思います。スポーツ選手でなくとも、健康を失えば失うものは多いです。
【本のハイライト】
〇自分に合った生活習慣をつくる
・人はそれぞれからだのできが違う。万人に画一的な健康法を押し付けるのはナンセンス。ただ、有効な健康習慣を体得するにはある程度の摂生は必要。諸説が本物かを判断し、自己責任で解決する知識が大切。
・長寿は生活習慣による慢性炎症の少なさと密接に関係している。炎症の程度は血液検査で簡単に調べられる。
〇健康習慣
・肝機能検査でΓ-GTPが70以下、その他の肝機能も正常であれば、毎日適量を守り十分な肴を食べながら飲めば、休肝日は必ずしも必要ではない。我慢するストレスのほうが、活性酸素を発生させるので問題。個人差はあるが、日本人の適量は「2」のキーワード。酒2合か、ビール小瓶2本か、水割り2杯まで。
・60~65歳は10mを5.0秒、70歳以上は5mを5.0秒で歩けるよう、毎日体を動かす。
〇老化の敵は活性酸素とストレス
・普段、活性酸素は、生体が細菌などの外敵から身を守るための有力な武器だが、人間の生体内で同士討ちをしてしまう。それで、周囲の組織や細胞膜、遺伝子にダメージを与え、いろいろな病気が発生する原因をつくる。害を防ぐ機能が備わっているが、その機能が衰え始めると生活習慣病が増加し、老化が進む。
・ストレスは避けられなが、まともに受け止めてねじ伏せようとするとストレス障害になる。難問に対面しても、平静な心と不動な態度を得るため、まず必要なことは「周囲の人々に多くを期待しないこと」で、「その日の仕事を精いっぱいして満足感を持ち、将来起こるかもしれないことには心を煩わせず、明日は明日の風が吹くと割り切る」こと。
〇カロ���ー制限で長寿遺伝子がスイッチ・オン
・カロリー制限によりからだの代謝が活発になると、細胞が活性化されて免疫力が増加し、その結果事前治癒力が強化されて感染症や疾病を防ぎ、長寿に導くと考えられている。
・正しいカロリー制限は、ビタミンや栄養素の補給はそのままにして、カロリーだけを30%前後少なくすること。
〇食事と酒を楽しみながら行うダイエット
・たんぱく質を減らさず、含水炭素を減らすのが基本。時間をかけるのがポイント。人は理性よりも食欲が強い。減量についての多少の科学的原理の理解とある程度の忍耐と努力、そして強い目的意識が必要。
・他力本願的な方法でのダイエットは不可能。自分の努力で、基礎代謝を基にして「地道」に行うもの。
・緑黄色野菜や色とりどりの果物の色素や辛み成分から摂取できるファイトケミカルは、からだの抗酸化剤として用いられる。
・理想的な「食」のスタイルと言われる「ヒトフード」の構成成分は、①体重の千分の一グラムのたんぱく質を毎日確保、②効率よくたんぱく質をつくり、代謝の触媒となるビタミン、ミネラルを十分に含む、③活性酸素除去剤を十分に含む、④善玉腸内細菌のエサになるオリゴ糖(アスパラガス、蜂蜜など)を十分に含むもの。
〇老化や病気を予防する食材の選び方
・健康のために植物性食品にかたよらず、十分に肉や魚、卵などのたんぱく質を摂ることが、元気な毎日を送る秘訣。
・健康のための食事には、やはり魚は欠かせない。白身より青魚がよい。鮮度が落ちると油の質が落ちるので、新鮮なものを選ぶ。
・良質なタンパク質であるプロテインスコアが最も高いのは卵とシジミ、次に魚。肉は豚肉や鶏肉が高め。植物性たんぱく質は、動物性に劣る。
・肉食過多、とくに肉の脂肪分をたくさん撮ると腸に悪影響が出る。
・生野菜:肉:穀物プラス野菜を2:1:5の割合で撮るとよい。歯の構成と、食べるべきものの比率は動物によって決まっている。
・食物繊維は便秘の予防に役立つ、新たな栄養素として注目されている。生活習慣病予防になる。低カロリーでもある。
〇「脂肪」「コレステロール」の誤解
・植物油は不飽和脂肪酸を含むメリットはあるが、エネルギーから見れば動物性脂肪と変わりはない。摂りすぎに注意する。
・コレステロールは高すぎも低すぎも注意する。中性脂肪と善玉コレステロールはシーソーゲームの関係。悪玉コレステロールも、本来は人体に必要なもの。神経質になりすぎない。
〇カルシウム、ビタミンのパワー
・骨粗鬆症の予防には、毎日、最低40分以上立っているか歩くことが重要。
・牛乳は、飲みすぎると体がカルシウムを過剰に排出する反応を起こすことがあるので注意が必要。カルシウムは牛乳以外からも摂るようにする。
・ビタミンには抗酸化作用など多様な効果がある。
〇健康のためにスポーツは間違い
・生物は一生に心臓が拍動する回数が種によって決まっているとされる。過度の運動は長寿につながらないと考えられている。
・ロコモティブ・シンドローム予防の健康づくりにおすすめの7つ。①軽いウォーキング(義務感を持たない)、②アイソメトリッ��ス運動(道具なしでいつでもできる)、③膝の屈伸運動(毎日続ける)、④ダイナミックフラミンゴ療法(片足立ち、転倒予防に効果)、⑤空気椅子(膝を90度曲げて中腰で耐える)、⑥内転筋を鍛える、⑦姿勢を良くする。
〇人間ドックで自分のからだを知る
・精度の高い人間ドックを年1回受ける。消化管検査にファイバースコープによる内視鏡検査を行うものがよい。医者を選ぶのも寿命のうち。
・年収の1%を自己防衛のための検診に使うべきではないか。健康を失うとすべてを失う。