紙の本
ヴィクトリア朝ロンドンの幽霊譚
2020/07/17 09:55
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:やじやじ - この投稿者のレビュー一覧を見る
初読の作者ですが
ヴィクトリア朝ロンドンが大好物なので手にとりました。
好きな時代舞台に幽霊ネタとなれば大好物です。
人だと思ったら幽霊だったり、
オカルト事件かと思ったら現実だったりと混在感が
19世紀のロンドンという薄闇に溶け込んでいるような作品です。
修道院の話はちょっと内容的にはえぐいですが、
登場したレディ・リリアンのこれからが気になるところ。
それにしてもエリオットの家族たちの思い切りの良さ(というのか?)に驚愕
それがあっての最後のコニーの話はしっくりくる。
巻末に参考文献があるところも嬉しかったです。
(何冊かは私も持っていたり、読んでみたいのがあったり)
電子書籍
読みやすかった
2021/02/03 23:22
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投稿者:ゆきちん - この投稿者のレビュー一覧を見る
ヴィクトリア調のロンドンが舞台でオカルトもの、
両親を亡くし、妙な噂の付き纏う幽霊男爵にサーカスから買った少年の助手。
陰鬱そうな設定の割には、そんなに鬱々ともしていないし
文章も重過ぎず読みやすかったです。
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一見紳士で、貴族の嗜みが見えるが、ひとたび幽霊やオカルトめいた話となると少年の様にふるまったりするエリオットが可愛い。幽霊によって助けられた少年は、人間と幽霊の色々な面を見たうえで、誰かを「助ける」ということに燃えている。外見はクールだが、中にはやさしさと義憤が詰まっている親しみの持てる男で大好き。
それを支えるボーイのコニーや、作中の時代の「常識役」であり、彼にとっての友人でもあるヴィクター、当時の女性としては変わり者のいとこであるアレクサンドラの仲の良さも今後が気になる。
作中の事件としては、当時に囁かれたであろうオカルト・怪奇現象を解明し、種明かしをする面白さもあるけれど、同時に「幽霊が見える」世界観でもあり、見えるものと見えないものとの世界の狭間にいるエリオットや、将来的にどうなるか楽しみなレディ・リリアン等々の面も美しさと妖しさが両方あって楽しい。
コニーの思慕の裏側にある、救われるもの、救うものの関係性も好きです。
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エリオットが幽霊を生きている人間と同じように見えている(要は区別が付かない)という点が様々な事件でより面白みを持たせてくれたなという印象。
お陰で驚かされること多数。
え、死者だったんかい! という。
でも怖いのは生きている人間の方。
事件を起こすのも、狂気に陥るのもいつだって生きている人間の方。
と単純にいかないのは流石栗原先生。
単純に幽霊が怖い話もある。
特に修道院の話は純粋にホラーとして怖かった。
真相も無論怖いし、確かに生きている人間の怖い話でもあったけど、犯人の執念が怖いというか。
絵面も断トツで怖かった。
基本的に偽オカルトを暴く系の謎解きだから「怖いと思った話は実は全然オカルト的には怖くない現実的な事件ですよ」と安心する筈が騙された。
いい意味で。
ミステリとしても本当に面白いし、ホラー的怖さも味わえる。
またエリオットの過去、従者のコニーの過去などキャラクターの抱えている事情もなかなかに悲劇で、でもその中でも人との絆や縁の大切さも再認識できるエピソードとなっていて、悲劇ながらも温かみを感じられた。
互いにとって、互いが救いになったという奇跡。
事件を起こすような良からぬ輩も勿論いるけれど、生きている人間の世界だって決して救いのない世界ではない。
それに気付かせてくれるいい主従だった。
……主人の女癖の悪ささえどうにかなればとは思うが。
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幽霊男爵エリオットがとにかくいい…。煙に巻くような余裕ある物言いが魅力だけれど、彼のその言葉には嘘がない。ただひたすらに優しい。そして、どこかかなしい。1話目と4話目が特に好きだったな…最終話のコニーもいいな。最後まで楽しく彼らの会話を心地よく感じながら読み終わった。
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学生のころからずっと好きで読んでいる作者さんの新刊。
どうしようもなく救われてしまった瞬間、という描写がとても良かった。コニーが好きです。
また、作者さんがSNSで「サクサクした文体を目指した」というようなことをおっしゃっていたけれども、その「サクサク」具合もとても心地よかった。
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ちょっと読み辛かったかな?題材としては面白いんだけど生かし切れていない感じ。エリオットの眼帯の秘密が知りたかったかな。
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主人公のエリオットさんがとっても好みでした!
短編が5つ、密接につながってるわけではないので平日に1話ずつ楽しませていただきました。
時代に沿っていて〝いかにもありそうなオカルト〟っぽさが良かったです。どの事件もたいへん胡散臭い(褒めてます)。インチキ霊能者にどうやって立ち向かうんだろう…とワクワクしてましたがまさかそう来るとは思いませんでした。相手が悪かったな、インチキ霊能者たちよ、、、
短編にはなりますが、1話ずつのボリュームもしっかりある上にミステリーらしく「全てを知った上で読み直したくたい!」という気持ちにさせるものばかりで良かったです。個人的には1つめのお話の切ない感じと、3つ目のお話がどんより重たい話で好きでした!
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幽霊っているのかな?
もしいたら、みえた方がいい。
だって、そうしたら、もう会えない、話せないって思ってる人と、また会える。また話せる。。
エリオットとコニーの絆が深い。
最後の章で、自尊心かあ。と想いに耽った。
まだまだ謎が多くて、続編に期待。
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十九世紀後半のロンドンを舞台に美少年バディが、オカルト絡みの事件に首を突っ込んでいくライト・ミステリの連作。受けそうな要素はてんこ盛りなので、あとはディテール次第だが、作者さんはこの時代のことをよく勉強しているみたいだし、キャラも魅力的、事の真相も程よくひねりが効いてる。当時の女性の地位とかの社会問題への目配りもある。だからもう少し面白くてもいいような気がするんだよなあ。悪くはないんだけど。
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非常に読みやすい文体でさらさらと流れるよう。
目が滑ることも踊ることもなく、必要なことを必要なだけ的確に読者に伝えるという点で理想的と言える。
主要な登場人物も主人公のエリオットを始めとして皆気持ちの良い人たちで、読んでいてストレスがない。
主役が優しく紳士的で風変わりで女性に弱いというありがちな設定ながら人物に厚みがあり、とても魅力的だった。
またエリオットと助手のコニーの関係も単調なものではなくよく練られていて、安易な甘々主従ではないのが良い。
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これが19世紀ロンドンのリアルなら、女性への考え方が偏りすぎててしんど。
今の時代の考え方も、何百年後に触れたら、「うわっ偏見やばっ」ってなるのかなー。
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コニーが謎めいてて、この先気になる。
エリオットは結構キャラ立ちしていてわたりやすい。
2022.7.16
95
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幽霊が見える男爵と助手が事件の謎を解いていくお話です。
軽めの謎で、サクサク読みすすめられました。
謎は一話完結なので、朝読書とかにいいかもしれません。
主人公は意外と人情家で、考えは現代的です。
一方で友人は当時の常識家で、当時の考えも少し知れます。
冒険家のアレクサンドラにもう一度登場してほしいです。