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日本中の若者に読んで貰いたい!
食事を共にするということ、和解をしたいがために争うということ、幻想を描くということ。当たり前のことが尊い。
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ゴリラの生態系を調べる自身のフィールドワークに基づく、人間関係論、異文化交流論でとても参考になった。食べ物を分けあってるのは、類人猿しかなく、人間は争いのもとになる料理をテーブルの真ん中に置いて、一人で食べれば数分で済む食事を、何人もで食べるということをして、他者と時間と食べ物を共有している。相手におもろいと思ってもらうこと、問題があっても、必ず解決策はあることなども訴えている。
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ゴリラから学ぶというより、研究をする環境を整えるために周りの人とどう関わっていくのか、という話。
受け身では何事も動かず、自分で考え相手のことも考え、密な付き合いかたと線の引き方を経験で学んでいくしかないのだろう。
いろいろなものに興味を持ち、人の話を聞き、議論もいいけれど対話をする。
いつでも自分は変われるんだと思うこと、「より高みに」ではなくても、ぴょんと横跳びくらいでも「飛べる」意識を持つことが余裕につながる、などは心に留めておきたいと思う。
時折出てくるゴリラの研究の様子が面白かったので、今度はそちらの本も読んでみたい。
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タイトルからはゴリラの研究から得た知見を人の生き方に敷衍して紹介する内容に取れますが、内容の多くはゴリラの研究をする過程での人々との関わりを通して得られた人生訓や処世術です。
現代の日本では個人主義や効率が重視されるようになって久しいですが、著者は共食、飲み会、共同体のゴシップなど同調することを必要とする旧来のコミュニケーションの重要性を指摘します。
同時に人にとって真に重要な点は、ただひたすら自分のやりたいことを続けること、そのためにも前述のように周囲との関係を上手に築くことを学ばなければいけない。対決ではなく相手の立場に立って考えること、対話力を養う必要を説いており、本書には著者自ら経験して得られた多くの格言が散りばめられています。
「味方をつくるより敵をつくらない」
「相手のメンツを傷つけずに対立をどこまで崩せるか」
「小さな組織の場合はあえて中間職をつくらない」
「加害者になるより被害者になれ」
「壁に当たったらいろいろな角度からの視点を自分に与える」
「他人の時間を楽しむ、楽しむために同調して乗る」
「信頼はかけた時間によって担保される」
「多様なものを認めつつ自分を失わない」
「ステータスではなくやりたいことを選べ」
「There is no problem. There is a solution.」
特に自分の意志を持ちながら組織で生きることで人間関係に悩む人々は、自ら考えて我が道を行くことを後押ししつつ社会と協調するために必要な多くの助言を与えてくれる本書から、多くの糧を得られることでしょう。
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◯山極先生の特異な体験を踏まえて、社会の生き方や人との付き合い方などを記したエッセイ。山極先生のことを知るにあたっても、気軽にさくっと読める一冊。
◯類人猿と比較して人間を分析するしては変わらず面白いが、この本で一番のポイントは、時間の使い方である。人と一緒に食事を取ること、付き合うこと、人のために時間を費やすことである。
◯これは、アフリカ人との付き合いの中で実感したとあるが、日本でも昔は同様であった。個人主義の行き着くところは、これまでは経済的発展であっても、それも行き詰まった感もある。個人主義という孤独は人をむしばみ、隣に住んでいる人が何をしているかも分からないような現代社会を作り出した。
ミヒャエル・エンデのモモを彷彿とさせる考えである。自然の中で生きている人々、もしくは自然そのものを相手にしてきた人の語ることだと、また説得力がある。
◯ただ、ここまで社会がきて、今さらかつての生き方に戻るというのも何か違う。それこそ、人類は多様な社会を構築することができるのであれば、孤独を埋める社会だって作れるのではないだろうか。それこそ長い時間をかけてでも。
◯ちなみにこの本もあまりゴリラ感はない。
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とにかくしなやかな柔らかさの持ち主の方だなぁと、安心して読むことができた。「人間は『共に生きる』という感覚なしには、幸福感が得られない動物」という一言に尽きるのだろうか。
このコロナ禍で、オンライン化がすすめられている。もちろん、全てを否定するつもりはないけれど、何はオンラインでもよくて(むしろオンラインのほうがよくて)、何はオンラインにしないほうがいいのかをよくよく考えながら、この現実を「おもしろく」向きあっていきたい。
討論、ディベートのように対決するのではなく、対話を通して、自分の意見ももちろん主張するけれど、相手の言うこともじっくり聞けるようになること、そして、どちらともに何かを創りあげていくための共同作業をやっているのだという意識を持っておくことが、実りある時間となる。
サルとゴリラの違いも面白いと思ったし、フィールドワークや現地の人と関わりの中から紡がれるエピソードがまた面白い。こういうことを大切にできる人、社会でありたい。
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アートの起源は何かに憑依して、その心になって世界を見つめ直すことだと私は思います。つまり「垣根を越えた」感覚は、アートの発想に繋がるのではないでしょうか 泰然自若 人事不省じんじふせい こうしたネゴシエーションの能力は「食卓の戦争」の機会を与えられなければ開花しません ただ遮二無二やるだけではダメで 諦めたくないものは様々ありますが、あるものを諦めたとしても次に向かうところは違う自分の可能性を引き出せる場所かもしれないし、それもいいんじゃない?と思えるかどうか。いつまで経っても人間は、色々な可能性を持っていられる。それが人間です。人間って、そういうものだと私は思っています。 それはそもそも人間が「幻想」を持つ動物だからだと思います。遠い未来を見てしまう。夢見てしまう。 人間だけが未来への希望を持ち、未来への価値観に懸けて結果が出るまで時間を使うことができるのです。 小田実の『何でも見てやろう』や寺山修司の『書を捨てよ、町へ出よう』が人気を博し
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動物との比較で、ごくありふれた「家族で食事をするということ」の特異さや今まで意識してなかった視点が知れて面白い。
研究者の著書を読むといつも未知の世界に感心させられるし面白い。読後感も良い。そして必ず研究対象である動物に会いたくなってしまう
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高校のとき、生物の教師が「日本のサル学は世界でも最先端です。それは個体識別が出来たからです。」と云ってた。「高崎山のサル」は夏休みの課題で読んでいる。
立花隆の「サル学の現在」も若い頃に読了。
そんな事前知識のもと本書を選択。
若い学生を読者に選定しているんだろう。ゴリラの話だけでなく、フィールドワークに入るアフリカや屋久島どの人との交わりの話も多い。信頼の意味とか、味方を作ることは敵を作ることだとかの一文がジンと感じる。アフリカの著者の家にただ座っている人々。彼らは何でもいいから著者を手伝いたいと思っている、と云う。少し前の日本でもこうだったとのこと。
ゴリラはコミュニケーションをとるときに目をまっすぐ見てくる、という話は面白かった。サルやチンパンジーだったら威嚇のサインなのだが、ゴリラは至近距離で見つめ合う。ここから人間の対面、共食についての考察は興味深い。
さて、コロナ渦で在宅勤務が増え、コミュニケーションも希薄になっていくし、引きこもりやネットの中で過激な意見が乱れ飛ぶ現状。どうすりゃいいんだろう。
山極さんや恩師の伊谷純一郎さんの著作を探してみようかな。
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タイトルから想像する内容とはかけ離れた本。『京大式勉強法』改題しての文庫化とのことだが、どちらも違うと思う。
ゴリラの生態についての記載は少なく、勉強法などでもない。どちらかと言えば著者の武勇伝や自伝に近いのでは…?いまいち伝えたいことがわからない。
〝おもしろい〟のではなく関西弁の〝おもろい〟という言葉が理解でき、京大に興味がある人に向けられた本。
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2021/02読了。山極先生の若者に向けたメッセージ本。フィールドワークの話、対話についてなど興味深く読んだ。
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誰かに動いてもらったり、周囲に理解者を増やしていくことがいかに大事か
相手の立場やメンツを大事にしながらも、迎合するわけではなく適切な距離感も保つ
味方を作ることは、敵を作ることにもなる
ある程度は騙されても仕方ない…度胸も大事
未開の地で成果を出そうとする人には参考になる
ゴリラの情報多め
持
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https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=21927
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友人に誘ってもらい始めた読書会の第一回選書。
話す中で見えてくることがあって、この感じは中学生ぶりくらいで新鮮だったなあ。アウトプットとして、2本のコラムを書きました。(以下概要)
「関西人の対話術」
ボケはツッコミを要求し良いツッコミはボケを生かす。ということで関西人(デカめの主語)は会話を対話に昇華する、対話のうまみを誰よりも知っているのではないか。
「ごはんに夢中な君に夢中な僕に夢中な君」
類人猿と人を分けたのは対面行為と食事。どちらもシェアだけれど、誰とでも至近距離で対面するゴリラと異なり、人間は家族か恋人など限られた間柄でのみ。そこで、食事(や広い意味ではその他会話のネタも)を介して対面の状況を作り出す。食事はカジュアルからフォーマルまで汎用性の高いコミュニケーションツールだけど、話に夢中で食事がままならないより、同じ食事に夢中になった方がもしかしてビジネスもデートもうまくいく、かもしれない。おいしく食べる君が好き、だ。
次回はメンバーも増えるのでたのしみ!
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アフリカでのゴリラ調査のフィールドワークを通して、対人関係の工夫を学ぶことができた。まず相手の文化や考えを理解することが、うまくやっていくために重要だった。
味方をつくること=敵をつくること というのは新しい観点だった。
ゴリラの生態も含めて、学ぶことが多い本だった。