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紙の本
探求
2022/04/29 10:15
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投稿者:怪人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は全国共済水産業協同連合会隔月発行誌に連載された2001年から約20年間の原稿を編集したもので、著者の活動記録とも言えるようだ。
著者は森は海の恋人、日本(汽水)紀行などの著作、漁民による植林活動をはじめ、数々の受賞表彰もある。2005年からは京都大学フィールド科学教育センター社会連携教授を務めている。
牡蠣やホタテ貝の養殖を生業とする著者が仕事を通じて思索し行動した記録だ。日本国内では平成天皇(現上皇)はじめ研究者から子どもたちなど様々な人々、そしてフランスやオーストラリアなどの諸外国の人々との交流によってさらに考えを深めていく姿が実に見事で、感服する。さぞかし楽しい人生ではなかろうか。
誰にでも必要とあらば教えを乞いに出かけ、それを糧にすぐに行動に移してゆく。人との交流を大切にしながら輪を広げてゆく。このような人生を歩んでみたいとは思っても誰でもできるものではないだろう。これはやはり著者の人徳も大いに関係していることなのだろう。
20年間の記録ではあるが、各回が独立しているため、記述内容の重複箇所が多く散見されるが、それらが強調されて記憶に残りやすい。
著者の住む気仙沼地域も11年前の東日本大震災大津波の被災地域である。東日本大震災後の復旧復興施策として行われた高い防潮堤建設を批判している。防潮堤の耐久性、機能維持にどれくらいの信頼度があるのか、疑問を呈し、高台移転しかないと主張する。ごもっともである。著者の自宅は過去の津波の教訓を元に高台に建築したおかげで、11年前の大津波にも浸水被害から免れることができ、一時避難場所として被災者の救援に供したそうだ。
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