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「波瀾万丈の歴史」と帯にあったが、帝位の簒奪、反乱、簒奪、反乱、簒奪失敗、それらに伴う「摘眼刑」「摘眼刑」「摘眼刑」・・・
もう、摘眼刑しか印象に残ってない。
ビザンツ帝国怖い
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よくこれだけ簒奪や反乱が繰り返されながら長期間国家を維持できたものだと感心する。流石に個々の時代について詳述はされていないが、概説書として良い内容だと思う。個々の時代の本があれば読んでみたい。
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千年にわたるビザンツ帝国について、主として皇帝に着目してたどる通史。国際的なビザンツ研究の最新の成果を踏まえて書かれている。
ローマ帝国の分裂以降、ユスティニアヌス帝のところで途切れてしまい、後はイスラム勢力との戦い程度くらいしか知識がなかったので、大変勉強になった。
特に、イコン破壊(イコノクラスム)、軍事と行政双方の権限を軍司令官に与える「テマ制」の起源や意義、シスマと教会合同の動向、小アジアとバルカンを俯瞰して見る必要性など、個別には興味を惹かれたテーマも多い。
いかんせん皇帝が次々と変わり、戦闘や反乱がひっきひなしに起こるため、その叙述を追いかけるのに精一杯であった。研究的に読もうというのでなければ、例えば章の表題に取り上げられている皇帝を主に、後はサァーと流すとか、自分の興味を持てたところを中心に読んでいくのが良いかと思う。
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ビザンツという名称の意味を扱うコラムを楽しく読ませてもらいました。また、十字軍のコンスタンティノープル征服を帝国の実質的滅亡と捉えている点には、なるほどと思いました。ただ、皇帝の名前とその家族がどんどん出てくるのは、専門家ではないので、多すぎてわかりにくいなと感じました。
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1000年に渡って衰退しながらもしぶとく生き残り続けたビザンツ帝国の概観書。文章はとても読みやすく、各章の最初に皇帝のリストが載っていたことが理解を助けてくれた。
本書は、長い歴史の割には薄かった世界史Bでのビザンツ帝国知識を裏側から補強してくれる役割を担った。イコノクラスム、皇帝教皇制度、テマ制、古代ギリシアへの想い、十字軍、政略結婚などなど、そうだったのかと思わされる知識に溢れており、良書であった。
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古今東西の様々な研究成果も踏まえながら、判り易く「約千年もの期間に亘る興亡」の物語が説かれた「新書らしい」という感の面白い一冊であった。
自身としては「ロシア史に関心を寄せている」という意味で「ビザンツ帝国」にも興味を持っている。
トルコのイスタンブールは、ローマ皇帝の名に因むコンスタンチノープルという名で、ビザンツ帝国の帝都であった。これがオスマン朝のトルコ帝国に攻め取られてしまったような頃、ロシアのモスクワ大公はビザンツ帝国の帝室に縁が在る女性を后に迎え、ビザンツ帝国の皇帝が用いたという「双頭の鷲」の紋章を用いるようになり、ビザンツ帝国の皇帝の呼称でもあった“ツァーリ”(“シーザー”、“カエサル”がロシア語風に転訛している…)と称するようになって行った。そしてロシアが「第3のローマ」というような論、「正しい教えを擁護する君主を擁する帝国」というモノを受継ぐ「正当な後継者」というような考え方が起こる。
そんな経過を承知しているので、「そのビザンツ帝国?」という関心が在る訳だ。
本書では7世紀頃から12世紀頃までという辺りを軸に、「ビザンツ帝国」というモノが辿った経過を、歴代の皇帝達の物語を中心に説いている。敢えて日本の用語を使うが、「奈良時代から鎌倉時代まで」というような次元の、非常に永い経過を辿るということになる。
帝国の版図は拡がり、縮小し、また拡がり、また縮小しということを繰り返している。色々な勢力との外交や戦い、また帝国内部での色々な騒乱も繰り返された。更に<十字軍>というような大きな出来事も在った。
ビザンツ帝国の皇帝というのは、特定の家系の一族が延々と代々受継いでいたということでもない。親子等で継承された例、帝位が簒奪された例、何らかの形で選任された例が在って、帝国統治の核としての皇帝達が登場した。
ビザンツ帝国というモノは、アジアでも欧州でもなく、古典古代の帝国でも近代の帝国でもない。永い人類の歴史の中で、相当の長さで、一定の価値観のようなモノを受継ごうとしていて、やがて退場したという存在だ。
「奈良時代から鎌倉時代まで」というような次元の永い経過なので、世の中の様子はドンドンと大きく変わっていて、時代毎に様々な対応は求められ、実際にそうしながら、次第に周辺勢力に蚕食されて行ったビザンツ帝国ではある。が、歴代の皇帝達を核に「受継ごうとしたモノ」が何だったのか?
そういうような「考える材料」ともなり得る内容だが、他方で、単純に「物語」として面白いかもしれない内容が多かったと思う。
愉しく素早く読了に至った…
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新刊ということで買ってみました。
通史(主に政治史)を追っていくというスタイルです。
高校世界史の知識だけでは読み進めるのにちょっと苦労するな、という気がしました...。
聴き慣れない固有名詞が多いので、繰り返し読んでいくことで覚えられるかと思います。
歴史に興味のある方に、おすすめの本です。
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うっすらとわかってはいたが、歴史の分量、とくに人名の数に比べて枚数が少ないので、頭に入りきらない。とりわけ後半は辛かった。『ローマ人の物語』は同じくらいの年数で分厚い単行本15巻あったから、それなりに親しみを持って読めた。
それでも「ビザンツ皇帝在位表」がこまめに出てくるのはありがたい。
あとは家系図があると、もっと理解できたと思う。
ドナウ川を越えて来る蛮族と延々と戦っていたり、ペルシャと延々と戦っていたりと、古代ローマ帝国時代と変わらないのが面白い。
戦闘方法、戦術はどうだったのか。機動力のある騎馬兵はどうだったのかが気になる。戦い方が広く知れ渡って強みが薄れ、新たな装備や兵器の開発も少なく、勝てなくなったのか。
疫病の話は少し出てきたが、飢饉はなかったのか。あっても影響がなかったのか。
なぜ国が衰退すると分かっているのに、内乱を起こすのか。子や孫が反旗を翻すのか。理由がわからない。仲が悪かっただけなのか。子弟教育が足りないか、無かったのか。
債権も大々的には使えなかった時代に、財政を顧みずに大盤振る舞いする皇帝がちらほらいるので、それは国も傾くわな、と思う。
逆によくこれで千年も持ち堪えた。そちらに驚く。
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いかにしてローマ帝国は、ビザンツ帝国と呼ばれる姿になったのか。テマ制がどのように生まれたか。イコノクラスムについての新しい見解。文化活動を主導したコンスタンティノス7世への注目。カール大帝、北方への正教の布教、十字軍やイタリア諸都市との関係など世界とのかかわり。ヘラクレイオス、レオン3世やバシレイオス2世、アレクシオス1世など戦う皇帝たちはなぜ生まれたのかー-帝国千年の歴史にふさわしく、読みどころが多い。
特にテマ制成立期については、著者の専門とする時代であり、著者が別の専門書で扱った内容のコンパクトなまとめになっている。
初版では、すでに指摘されている通り、単純な誤記や誤認が目立つ。重版が何度もかかっているようなので、修正が望まれる。また、10世紀以降については著者の専門外とする時代だけに他の当該時期を専門とする研究者から疑義を呈されている点も注意。
とはいえ、コラムもビザンツを知るのに入口として重要な内容で、皇帝在位表なども整理され、充実の内容になっている。
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塩野七生の「ローマ人の物語」が終わったところ(330年)から始まる「東ローマ帝国」の1000年ぐらいの歴史を新書一冊で。
何十人もの歴代の皇帝・王朝を紹介しつつこの複雑な帝国の歴史が書いてあるので、正直言ってやや読みづらい。
この帝国の皇帝は頻繁に謀反・反乱で簒奪される。そして、皇帝の母、未亡人などが陰から次の皇帝を操ったり暗殺されたりが相次ぐ。失脚した皇帝や反乱指導者は「摘眼刑」という恐ろしい処罰をうける。
東には徐々に拡大してくるイスラム国家、北のバルカン半島には次々と「xxx人」という新たな民族が大陸の奥から押し寄せてくる、西にはフランス、イタリアを支配しつつある「ノルマン人」の「ラテン諸国」と、面倒くさそうな勢力に囲まれている。
歴代の皇帝はコンスタンティノープル(現在のイスタンブール)を首都として、現在のトルコとギリシャあたりの版図を周辺勢力と外交・戦争でやりとりしながら数百年存続させてきた。
最後は「コンスタンティノープルの陥落」というやはり塩野七生の本がある事件で終結する。(1453年)実際にはコンスタンティノープルはこのオスマン帝国に陥落させられる前に一度、西欧が送り込んだ第4回十字軍によって陥落略奪されている。(1204年)著者はここで実質的に「ビザンツ帝国」は終了し、その後の王朝は残骸にすぎない、という説。
陰謀や内乱うずまくなかなんとか王権を維持したという意味では日本の室町時代に似ているけど、1100年もあるのでスケールが違いすぎる。
この地域、(バルカン半島、トルコ、シリア)は現在にいたるまで各種紛争が相次ぐ地域なのは「文明の十字路」なのでしかたないのだろう。
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20210108-20 ビサンティン帝国については、正直言って1453年コンスタンティノープルの陥落位しかよく知らなかった。本書はローマ帝国の継承国家として地中海に覇を唱えた4世紀頃から、イスラム勢力や十字軍に翻弄される時期を経て、1453年に力尽きるまでの激動の歴史を7世紀から12世紀までの中期を中心に描き出している。文章が読みやすく,時に現代への示唆に富むコラムを挟んでくるので、なじみのない地域の話でも興味深く読めた。十字軍っていビサンティンには厄災でしかなかったのでは・・もっと歴史を知りたくなった。
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歴代王朝と皇帝の事績について概観でき、ビザンツ帝国通史として力作。ただコラムで現代政治との比較をしていたり、著者も書いているように固有名詞だけで紙面がいっぱいになったりと読みにくい箇所がある。
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ビザンツ帝国。
私の無知故に、半分もわからなかった。
もう少し、知識量を増やしたい。
また、皇帝の数が多く、人物名で紙面が覆われる事が多々あった。
難しい…世界史って。
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皇帝ってめっちゃたいへんやなと思った。そして、地中海の地理が全然分かってないのも実感したので、もうちょっと勉強しないと。地中海の地理と、九州西岸の地理が、同じぐらい怪しい。
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今一、影の薄いビザンツ帝国の千年の歴史を皇帝を中心に見ていく一冊。
ローマの末裔でありバルカン半島、小アジアの二つの半島を持つ巨大な国であるが、その分ありとあらゆる所から攻撃される可哀そうな国家でもある。
見所は国家とキリスト教の嚙み合わなさと、多民族を抑えることができずに徐々に瓦解していく有様である。
ユーラシア大陸の真ん中の半島という人間が交錯する巨大な繁華街であるビザンツ帝国は、島国日本とは真逆の立場の国である。比較しながら読むとより面白いかもしれない