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バード川上先生のエッセイ。鳥の研究ってどういうことをやっているのかが良く判ります。判りますが……自分の好みとしては、事実とダジャレのコンタミ状態な箇所が多いのが読みにくい。いや、冗談を言うなというんじゃないですよ。冗談は書いても良いのですが、事実の羅列の中に冗談を入れられると、今まで書いてある事実も冗談なのではないかと疑う作業が入ってしまって、読むのに時間がかかってしまうのですよ……。
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川上和人(1973年~)氏は、東大農学部林学科卒、同大学院農学生命科学研究科中退、国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所チーム長の鳥類学者。鳥類学に関するエッセイ等の著書のほか、図鑑の監修も多い。
本書は、2017年に出版されてベストセラーとなり、2020年に文庫化された。
本書の内容は、鳥類学者としての、主にフィールドワークに関わるエッセイなのだが、特筆すべきは、科学エッセイとしての水準を保ちながら、1頁に一回は吹き出してしまうようなネタが満載という点である。単なるおやじギャグと言う向きもあろうが、そう切り捨てるのには憚られる幅広いネタとセンスは、一読に値する。(まあ、好き嫌いがあろうとは思うが。。。)
また、上記の通り、科学エッセイとしても十分に楽しめるもので、パラパラとページをめくり直しただけでも、以下のような記述がある。
◆「鳥の外見は、バードウォッチャーが識別しやすいように進化するわけではない。鳥自身がお互いに同種かどうかを見分ける必要があるのだ。そうしないと雑種が生まれてしまい、結局のところ不利益になる。このため、同所的に形態が似た種がいる場合、お互いを識別する特徴が進化しやすい。」
◆「日本にノウサギがいて、月にツキウサギがいるとしよう。それぞれの種をお互いに野生化させうまく共存できれば、日本も月も2種のウサギがいることになる。この場合は各地域にいる生物の種数が2倍に増えただけで、特に問題がなさそうに見える。しかしその一方で、地域の生物相の独自性が失われていることに気付くだろう。元の状態では、地球と月のそれぞれが異なる独自の生物相を持っていたが、事後には両地域の生物相が同じになっている。たとえ1種も絶滅せずとも、地域ごとに固有の生態系があるという多様性が失われている。外来生物問題は、絶滅なき侵略というグローバリゼーションによる世界均質化の問題を孕んでいるのだ。」
◆「果実はイブとニュートンと鏡に話しかけるナルシストのために神が作りたもうた訳ではない。種子分散を最終目的に、運搬の代償とするために進化させてきたものだ。果肉を報酬として種子を運んでもらうのが植物の戦略である。熟すと目立つ果実の色は、種子散布者に対するメッセージなのだ。」
◆「我々人類が生まれる何億年も前からクラゲはクラゲだった。・・・何億年も同じ姿とは進歩のないやつだと思う方もいるだろう。私たちの祖先は過去数百万年の間に劇的に変化し、環境の変化に合わせて生活も体型も大きく変えてきた。・・・そんな中でブレることなく姿を保てたということは、原初の段階で彼らの形態が既に完成されていたことを意味している。・・・変化こそが流転する世界で生き残る術のようにも言われるが、完成体に至っている生物にとっては戯言に過ぎない。」
著者は「はじめに」で、「実利の小さい学問の存在理由は、人類の知的好奇心である。・・・しかし、好奇心があってもきっかけがなければ、興味の扉を開くどころか扉の存在に気付きもしない。鳥類学者を友人に持たぬことは、読者諸氏にとって大きな損失である。そこで、・・・鳥類学者を代表し、その損失を勝手に補填す��ことに決めた。」と語っているが、その企てを達成するに足る一冊である。
(2021年5月了)
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鳥についての知識も鳥類学者についての知識も得られ、ユーモアも楽しい、というお得な本。特に、カタツムリが鳥に食べられて移動する話などはびっくり。
説明の中に冗談が織り込まれている文体で、個人的には面白く読めたが、合わないひともいるかも。
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あくまで鳥類学者としてのエッセイであり、鳥類に関しての知識がそこまで増えるものではない。著者の趣味やユーモアが溢れる軽妙な語り口は、読んでいて楽しい時もあれば、体調が悪かったのか内容が頭に入ってこなくなる時があった。
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つまりこういうちょいちょいオタネタや自虐ネタを挟み込みつつ丁寧に生物学とかを説いてくる理系の本は流行っていたのね。私がよく知らなかっただけで。大体同年代なのでネタも消化よく、読みやすい。
絶海の孤島が青い海と空に囲まれた風光明媚な場所ではなくハエのすくつとして印象づけられている話など、体験と研究内容とネタがよく調和して興味深かった。
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鳥類学という学問書ではあるのですが、面白すぎます。巷にいる身近な鳥のことから、本土から離れた島の鳥まで、笑いながら学べます。
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鳥類学者さんのコミカルなエッセイ。鳥についての知識より、作者さんの言葉選びのセンスにひたすら帽子を脱ぐことになった一冊。鳥類研究への情熱もさることながら、本好きとオタクが染み出してる笑
キョロちゃんの考察やりんごジュースの話、まじめなとこだと鳥とかたつむりの話がお気に入り。
ハムスターくるくるのようなスポーツ、ラートに興味をそそられた。
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表装からしても面白おかしい楽しいエッセイかと思ったら、予想に反してがっつり鳥類の調査や研究のお話だった。
まあ作者が東大出の学者さんなんだから当然といえば当然なんだけど‥。
ユーモアいっぱいのこういう本があればいいんだけどなぁ。
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軽妙な文体で読みやすい。
筆者の失敗談?も笑える仕上げになっており、
夜寝る前に、何も考えずに読むのに丁度良い一冊。
何も考えずにというのは、もちろん良い意味で。
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フィールドワークを主な活動にする学者は陽気なのか、学者というより冒険家の書いたような楽しい本です。ただし1行おきにボケてます。ツボが合えばいいけど、今面白い事言ってるよ感、愛想笑いするのにかなり疲れました。鳥という生き物の神秘性だったり、環境保護活動の尊さなんかは素晴らしく、面白いのでのめり込みたくなるんですが、脱線するからイマイチのめり込めず。。実は凄い人なのに話しぶりからそうは見えない、少し苦手な親戚のおっちゃんみたいな本でした。本筋が面白い分惜しかったなー。
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鳥類学者・川上和人氏、汗と笑いと明治のカールと、自然科学の愉快なエッセイ。
主な研究フィールドは小笠原諸島。出張先はジャングルから無人島まで。一見華々しいが、それは、地道な研究の一面。気力と体力と時の運とダジャレセンスまで必要な過酷なお仕事なのです。
鳥類に対する愛も自然化学に対する献身も峰不二子ちゃんに対する憧憬も、みっちり詰まった一冊。
それにしても驚くべき知識量。文学系もかなりお好きなご様子。
東日本からカールが絶滅して久しいですが、代用品で乗り切っていきましょう。
作風が、HまわりMめろんさんと似ているのでは、と思いながら読みました。
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とにかくダジャレやギャグが盛りだくさん。ツボが合う人は合うし、合わない人は苦しいかも?
とはいえ、生き物に関する知識量はさすが学者さん!読んでいて、へー!!!の連続で、私は終始興味をそそられる内容でした。
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私たちが想像する『学者』の考え方、話し方を遥かに上回っており、鳥類学の知識も面白かったが、文章の書き方がとても面白かった。
ただ説明が多く、私は集中しづらかったので(私の集中力の問題、、)☆4。
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傍目には地味に思える鳥類学を華々しく愉快に伝えてくれるエッセイ。一方、学術的な話は根幹にあり、その冒険譚は、小説とは一線画するところだ。幅広く興味をそそられる本。2022.8.26
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めちゃくちゃ面白かったです。
独特の表示で、とても楽しく一気に読めました。
ぜひぜひ読んでみて下さい。