紙の本
新シリーズ出航
2020/07/29 12:57
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投稿者:BHUTAN - この投稿者のレビュー一覧を見る
灘の新酒を江戸まで運ぶ親造の三井丸に密航する海次。
名前が示すように海が自分の居場所となりそうだ。
兄との婚姻がきまった幼馴染の小雪。婚儀は延期されたが、どうなるのか?
次作を待たずばならないが、今後が楽しみだ。
もう一人登場する女性。こちらも密航者 との関係も目を離せない。
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投稿者:遼 - この投稿者のレビュー一覧を見る
最初の連載としてはとても読んでいて楽しかったです。この先恋愛や仕事面で色々な事が起きるのかと思うととても楽しみです。
紙の本
タイトルに惹かれて
2020/11/24 20:55
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゆ - この投稿者のレビュー一覧を見る
新春二時間ドラマのような、軽めの時代小説という感じでよかった。
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佐伯さんの新作時代物。18歳丹波杜氏の次男、海次が主人公。父と兄たちと一緒に灘へ百日稼ぎと言う出稼ぎに出る二年目の見習い。幼馴染の小雪と兄の婚姻が決まり、海への憧れから、新酒を江戸へ運ぶ新酒番船へ密航を試みる。江戸へ一番乗りには巨額の金銭が得られるため、酒蔵も船主も船頭も必死な世界。荒波に悪天候に海賊、己の生き方を求めて、船乗りの日々を過ごしていく。これから毎年新作を1作出すとのこと。これはシリーズかはしないのだろうか。
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久しく新刊のシリーズが始まっていない佐伯泰英。
この作品がシリーズ化されるか否かはわからないが、主人公海次は丹波杜氏の次男。幼なじみの小雪が嫡男の兄の嫁となることが決まっている。
身長が六尺あまり〜185センチほど〜で山歩きを誰よりも早くする海次はその外見からは想像できないほど、奥手で兄の縁談が起こるまで、小雪への感情は、幼なじみ以上ではなかった。が、結婚話が決まると、とても姉とは呼べない自分の感情に気づき、丹波に帰らぬことを密かに決意。
その名の通り、海次は海を勇壮に走る新酒の番船に乗りたい、江戸まで競争したいという感情に抗えなくなる。
そんな主人公の冒険のお話。
「古着屋総兵衛」「交代寄合伊那衆異聞」の主人公に酷似。
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内容(「BOOK」データベースより)
海次は十八歳。丹波杜氏である父に倣い、灘の酒蔵・樽屋の蔵人見習となったが、海次の興味は酒造りより、新酒を江戸に運ぶ新酒番船の勇壮な競争にあった。番船に密かに乗り込む海次だったが、その胸にはもうすぐ兄と結婚してしまう幼なじみ、小雪の面影が過っていた―。海を、未知の世界を見たい。若い海次と、それを見守る小雪、ふたりが歩み出す冒険の物語。
令和2年9月21日~26日
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佐伯泰英先生の読み切り(珍しい)
酒造り丹波杜氏で知られる土地であるが、佐伯先生にとっては酔いどれ小籐次の作品中で篠山藩は老中青山氏の所領地として描かれ、つい先ほどの作品にも、鼠草子の話で描かれている
おそらく取材した残り(失礼)に酒造りの話があったのだろう
江戸に降る酒をレースの様に競って、一番には名誉と高額な取引が保証される良くできた話で、邪魔者や一発逆転劇など盛り込んだ痛快な作品であるが、この手の作品は「山本一力」先生が書きそうであり、既視感ありありであるが、こなれた名人が書く作品は面白いね
伏線一つ回収し忘れ有るけどいいか(´・ω・`)
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あれ山本一力みたい~丹波篠山の杜氏の次男・海次は西宮の百日働きに出て、終わると兄と幼馴染みの祝言に出席せざるを得ず、新酒を江戸に運ぶ競走に参加することにした。船積みを手伝って密航した三井丸は、和洋折衷の新造船。沖船頭の巧みな操船で、海賊に襲われている仲間を救い、最後の品川の駆け比べで勝利して、惣一番の栄誉を手に入れて、帰ると…~佐伯さん、書いていたんですね…それはそれとして
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野山を駆け巡り育った海次はその名に違わず海に強く惹かれながらも家業である杜氏になるため見習仕事をしていた。
幼なじみの小雪と兄が祝言をあげることとなり、複雑な胸中となった海次は己の行く末を変えるために大一番に出ることとする。
それは父が作った新酒を江戸へと他の蔵の新酒よりも早く届ける仕事、新酒番船へと潜り込み、海で生きる男となることだった。
久しぶりに読んだ時代小説。なんだかへんな苦手意識があったのは独特の言い回しや時代がかった言葉のせいだったんだけど、趣味で落語を聴き始めたせいかそのあたりは一切気にならずに、海を駆け巡る男のロマンと思春期の男女の心の機微にわくわく心を踊らせた。
今よりももっと職業選択の自由や恋愛の自由がなかった時代。海次の行動にはそうとうの覚悟がいっただろうと思う。そういうこの時代ならではの苦悩があるのが時代小説のおもしろみでもあるのかもしれない。そしてそれは、現代においても無関係ではないところがおもしろい。
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以前に 新酒を江戸ヘ運ぶ 新酒番船の話を 読んだことが、あって、それも、大好きな作家 佐伯泰英氏の本と言う事で、手に取って、読み出した。
先ず最初に、西宮から江戸までの航路図が、書かれていある。
まだまだ、埋め立てられていないから、西宮、尼崎、大阪湾等、海の面が、大きかっただろうと、思われるが、わかり易く、今の地図で、描かれているみたいである。
物語りは、但馬篠山の杜氏の次男 主人公 海次で、灘五郷の西宮の酒蔵に 百日稼ぎに出て来るところから始まる。
篠山周辺の山暮らししか知らなかった海次は、幼友達の小雪と兄の山太郎の祝言で、小雪の恋心を封じて、海への憧れと、酒が、江戸へと運ばれるのをこの目で、見たかった思いで、三井丸に密航してしまう。
普通だったら、船酔いするのだが、主人公の 海次は、
大飯食いをしても、酔う事は無く、海の者達とも力仕事は、人一倍働く。
佐伯泰英ワールド満開!!!
海次のスーパーマン的働きである。
力仕事だけでなく、三井丸の帆の上の「蝉」に迄、スルスルと登り上がり、海原を見渡し、好奇心と意欲感から、船の動きを見定める。
そして、他船が、海賊に襲われたら、三井丸の者達は、皆で、助けに行くところが、良い。
本当だったら、自分の船が、一番先に到着して欲しいと、思だろうし、それは、新酒の値段にも左右することでもあり、名誉でもあるのに、それよりも 人の命を大切する事への思いが、良い。
その上、蝉に登った海次が、弓を弾くところが、ロビンフッド並み!!!
品川迄、船が、先に着けたら、惣一番になるのか?と、思っていたのだが、『切手』を浜上の廻船問屋の新酒番船の幟の所の旦那衆に渡さなければならない。
ここでも、海次は、スーパーマン的存在。
船での航海の後、陸に上がったら、すぐには、走れないだろうに、・・・と思うのだが、・・・
三井丸は、海次の働きで、惣一番を取ることも出来、そして、海賊から守った浪花丸も3番手に・・・
海次が、品川から、西宮浦に戻る時、白梅と紅梅を背に、佇む小雪を三井丸から見て、この表紙の絵が、ジクソーパズルのように、ぴたっと当てはまった!
一気に読み終えてしまった。
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文庫書下ろしという時代劇。娯楽小説だ。
新酒を西宮から江戸に運ぶ船のレースを行い、一位の船が販売特権を得るという設定である。本当にそのようなことがあったのかは調べていないが、危険を冒して商業上の権利を競うという考え方は現代に通じる。
主人公は杜氏の次男であり、将来は長男の補佐として生きる運命を持っていた。さらに内心深く想う幼馴染の少女が兄のもとに嫁ぐという事態となり、人生のあり方を考えるようになっていく。そして新酒を運ぶ船に密航する。
この主人公は身体能力が極めて高く、家族の秩序に従順であり、航海への適応力も極めて高い。この小説の魅力であり、また欠点でもあると思われるのはこの主人公の万能性である。兄に嫁ぐ幼馴染へのほのかな未練を除けば、およそ欠点がない、スーパースターのような存在だ。
一読すれば魅力的なヒーローであるが、果たしてこういう人物はいるのだろうか。ちょっと待てよと考えてしまう。このテイストはどこかで感じたと思った。韓ドラや中国ドラマにあるあれだ。そしてかつては日本でも量産されていたドラマだ。
これを設定を変えて韓国でドラマ化すれば結構面白いものになるかもしれない。しかし、日本人が演じるとなにか嘘くさくなる。そのたぐいの内容だ。
なにか少し悪く書いてしまった気がするが、この小説は爽快な気分になる点においてよい。この作家の作品をもっと読んでみたいと思っている。