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時間を分断しない。そうかもな。子どもが何やらやってる時はほうっておくとするか。お手伝いなんか頼まずに。
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「ひきこもり」ではなく、「ひきこもれ」。
このタイトルにセンスの良さを感じた。
吉本隆明氏の晩年に関しては、評価の仕方が諸々存在する。
ただ、吉本隆明氏の生き様というのはぶれる事なく存在しているのだと思う。本書を読みながら、若干のとっ散らかり感を感じる事は否めない。
しかし、信じる事を伝えるという姿勢のパワーの方が絶対的なため、構成からの理解というより、フレーズが染み込む印象だった。
「死ぬ時はすでに「死」は本人のものでなくなっている」という説は特に納得がいった。
「死を自分で支配することはできない」その通りであり、死を巡る選択については、吉本隆明氏自身が死の直前にどう捉えたのか聞きたいところだ。
本書では誕生に関しても触れている。胎児から1歳までの母親の状態が子供に大きな影響を与えるという説が展開されるが、極めて同感である。
何故、男性の吉本氏がそれを直感的に理解されたのか興味深い。
生も死も、そして生き方も、吉本隆明氏による俯瞰にはブレがない。生き方が凄い人だった事が伝わってくる一冊。
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タイトルに惹かれて購入。
ひきこもりの時間、ひとりで、ひとまとまりの時間を持つことの大切さが紹介されていて、なるほどと思いました。
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20200926 吉本隆明さんの本を初めて読んだ。主張していることがシンプルでわかりやすい。二十年前の本なのだが今年の社会情勢に合う。引きこもらないとできない事が確かにあると思えればこの災禍も後で何かのきっかけとして話されるかも知れない。別の本も読んでみようと思う。
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ひきこもることはなにも悪いことではない、ただ社会の大枠を、いまどのような状況なのかを自分なりに掴んでおくことはとても大切だ、という考えが特に感動した。ご自身の経験から深く考えて話されるから、吉本さんの言葉は説得力が全然違う。
思想界の巨人である吉本さんは、ひとりの人としても大変魅力的で「デパートで道に迷ったら壁を触りながら進めば必ず出口にたどり着く」と真面目な顔で(太宰を語るのと同じ顔で!)家族に教えてくれた、というエピソードがとても好きである。
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自分はひきこもり体質。
大学時代は学校をサボって自宅にひきこもり、サークルの会長もしていましたが、活動がなければ、やはり自宅にひきこもっていました。
たいてい本を読んで、ボーッと考え事をしていましたね。
20年ほど前でしょうか、社会人になってから、ゴールデンウイークの休日5日間を部屋で一人きりで過ごしてみて、はっきりと自覚しました。
人に一切会わないのが、全く苦痛じゃないのですね。
さすがに3、4日目くらいから人恋しくなるのでは、と思いましたが、5日目も「このままずっとひきこもっていたい」と思うほど。
危うく社会復帰できなくなるところでした。
でも、ひきこもりって、そんなにいけないこと?
むしろ、積極的に評価すべきでは。
これが本書の主題です。
著者は、「知の巨人」とも言うべきあの吉本隆明(1924~2012)。
コロナ禍の中、本書は新装版として9月に出版されました。
ひきこもりは、社会的にマイナスイメージでとらえられます。
コミュニケーション重視の流れが強まる中、ひきこもりはいよいよ立場がない。
でも、本書のこんな記述にハッとさせられます。
「世の中の職業の大部分は、ひきこもって仕事をするものや、一度はひきこもって技術や知識を身につけないと一人前になれない」
自己実現理論で知られる心理学者、アブラハム・マズローによると、自己実現を達成した人には「友人が少ない」という共通点があるのだとか。
「引っ込み思案は駄目で、とにかく社交的なほうがいいいんだ」という社会に支配的な価値観に対しても、吉本は明確にノーと言います。
「その人なりの他人とのつながり方というのがあるのです」という言葉に、救われる人も多いのではないでしょうか。
実は、吉本自身が引っ込み思案で社交下手。
ですから、「若者たちよ、ひきこもれ」という呼びかけには、説得力があります。
「教師が生徒と向き合おうとするから生徒は迷惑する」
「学校なんかに期待する親は大きな間違いを犯している」
「子どもの自殺は親の代理死である」
「ひきこもっていることがマイナスにならない職業がいつか見つかる」
「戦争で死んだ日本人を歴史から抹消してはいけない」
など、吉本の透徹した批評眼を経た問題提起に、得心することしきり。
ちなみに、ぼくは、コミュニケーションだけやたらと上手くて中身のない人より、寡黙だけれども存在感のある人に憧れます。
じゃあ今の自分はというと、コミュニケーションがあまり上手くない上に中身がなく、少しおしゃべりで存在感が全くありません。
死のうかな。
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冒頭にある齋藤孝さんによる13ページの解説と長い目次のあと、138ページの本文が続きます。改行が多く、文字サイズも大きく、聞き取りのため表現も平易で、あっさり読め通せます。大筋としては「ひきこもり」への肯定と、その理由が綴られています。以降は気になった箇所を、箇条書きで残します。
・一人でこもって過ごす時間こそが「価値」を生む
・誰でも「意味」(コミュニケーション)か、「価値」(ひきこもり)に傾く
・ひきこもりが増えたのは経済的に豊かになったから
・「教師は生徒に向き合うべき」という考えは思い上がり
・学校などは適当にさぼって何となく卒業するくらいでいい
・いじめる子どもと、いじめられる子どもの両方が傷ついた子ども
・普通は年老いた方が生にケチ臭くなり、若いほうが生に執着しない
・人は自分の死を自分で支配することはできない
・老いの次に死が来るなどということはない(フーコー)
・安楽死が安楽であるかさえわからない(著者は安楽死・臓器提供反対)
・10年続ければ何でもものになる
・老いに耐えること自体、相当な労力を要する
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本をどのくらい読んできたかで評価が変わる本です。
初心者の方にはおすすめできます。戦後思想界の巨人と言われた吉本さんの深い知見に驚かされますし、内容も読みやすく、文量も抑えています。
ある程度読まれた方でも、新しい意見を取り入れるという点からも読んでみて良いと思います。
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まわりからは無駄に見えるとしても、「分断されない、ひとまとまりの時間」をもつことの大切さは了解できるが、独りの時間をもつことと「ひきこもる」ことは違うだろう。
「ひきこもり」が良くないことと認知されている状況に反論すべき点があることは分かるけれど、だから「ひきこもれ」では極端に過ぎると感じる。
自分できちんと考えること、そのためには知識も世の中の情報も必要で、ひきこもってばかりもいられないと感じる。
21-4
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おしゃべりとはいえ吉本隆明とは思えない読みやすさ。内容はとても共感できる。人生には細切れではなく,まとまった時間が必要なんですよ。
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熟練した職業人になるには、少しゆるんでいて、いい加減なところがあって、でも持続力だけはある、というのがいい。のんびりやろうが、普通にやろうが、急いでやろうが、とにかく10年という持続性があれば、必ず職業として成立する。
勇気が出る。持続性だよな。
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とても読みやすかった。
本棚にずっと置いておきたい本です。
色々思うところあります。私的に印象に残ったのは、ひきこもれのテーマからずれますが、9.11同時多発テロについての箇所。たまたまちょうど興味を持っていたので巡り合わせかと思いました。テロを起こした人たちはどうしてこんなおぞましいことを…と思っていましたが、吉本さんの文章を読んで、彼らにも正義があったんだろうな…と思いました。良いと言っているわけではなく、どちらが正しい・悪いと断言できないという意味です。
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「分断されない、ひとまとまりの時間」を持つということ。お金もさることながら、時間も大切なのだということ。
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ひきこもりを否定せず、ひとりの時間や分断されないひとまとまりの時間の必要性を説く。
でもこれは自分の弱さに向き合える強さを持つ人の言葉だなとも思う。生きることへの真摯な思いが、逃げを許さない厳しさに感じた。
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吉本隆明による、引きこもって知的作業に従事することを推奨する一冊。
既に故人で、この本を書いたのは2002年だが、コロナ禍の今のご時世にこそ響くメッセージだと感じた。