アメリカン・ゴッズ 上 みんなのレビュー

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投稿者：ゲイリーゲイリー　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

神話といえば遥か昔の出来事で、おとぎ話や伝統の様な過去の遺産という印象がある。
世界各国の神話で登場してきた神々が現代にも未だ存命していたらという、奇想天外な設定が本作の魅力の一つだ。

ギリシア神話やオーディンやロキをはじめとした北欧神話、ガネーシャやシヴァ等のインド神話まで誰しもが一度は見聞きしたことのある神々が現代に登場する。
神々は人々からの信仰が薄れつつある現代において、崇め奉られていた以前のような支配力は最早なく陰で細々と暮らしているという部分も本作のユニークな点だろう。

そしてその神々と対抗する組織が現代の神々である。
現代の神々というのは、テレビやインターネットなどのテクノロジーやメディア等の近年を象徴するようなものたちばかりだ。
本作の主人公であるシャドウはこの神々の戦争に巻き込まれていく。

ファンタジー作品なのだが、現代が舞台ということと作者の筆力のおかげでシリアスな雰囲気も随所に漂う。
上巻ではあくまでも物事が大きく動きはしないが、今後の展開には大いに期待できる。
下巻が楽しみだ。