紙の本
「記憶の解凍」プロジェクト
2020/09/16 12:20
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:遊糸 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「記憶の解凍」プロジェクトが、一冊の本になった。
このプロジェクトについては
2019年8月のテレビ番組
「記憶の解凍」-色彩がつなぐ、戦時中の暮らし-
で知っていたので、
これが書籍で手元におけるようになったのは実に有難い。
モノクロの写真は
古い、昔のものというイメージが拭えず
心理的な距離を感じてしまうが、
カラーになると
やはり臨場感が増して
身近なものに感じられる。
木々や草の濃淡の違うさまざまな緑の色
人々の肌の色
そして抜けるような空の青さ
太平洋戦争の前後も
現在と地続きであることが
生き生きと伝わってくる。
「記憶の解凍」プロジェクト
これからも注目していきたい。
紙の本
写真は語る
2020/07/17 09:22
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投稿者:ニッキー - この投稿者のレビュー一覧を見る
モノクロ写真もそれなりに味がありますが、カラー写真も色も語り出します。本書は、日本の戦前戦中の写真をカラー化し、歴史を語らせています。何を語っているかは、見る人の心に直接響き、見る人が想像します。愉しみ、悲しみ、驚き、喜怒哀楽があふれています。しかし、戦争と言うこともあり、悲惨というワードがまず浮かんできます。
紙の本
過去が生き生きと蘇る
2022/05/28 17:57
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投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
自分が生きていない昔の出来事は、想像こそすれ、モノクロ写真の中にとどまり、どこか遠く隔たったところにある。
そのモノクロ写真を色付けしたら…。
編著者の狙い通り現在と断絶された過去であった戦中戦後の風景が生き生きとよみがえってくる。
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戦前〜戦中〜戦後かけて、モノクロ写真に映し出された市井の人々の生活を、現在のAI技術を用いて彩色した写真の数々。
過去の資料や証言と最新技術によりリアルに彩色された写真は、教科書で見たようなモノクロ写真よりも人物や風景が立ち上がって来る。それは、現在から切り離された過去ではなく、今と地続きの日々なのだと感じる。
そこにあるのは、戦時下にあっても暗いだけの日々ではなく、ささやかな喜びや笑いのある生き生きとした庶民の生活。
故郷のよく出かけた商店街の、かつての姿も掲載されていて、懐かしさも‥‥
電子版で見ましたが、これは紙の本で再読したい。
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烏兎の庭 第六部 7.19.20
http://www5e.biglobe.ne.jp/~utouto/uto06/doc/AI_color.html
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本書は、AIを利用してカラー化した戦前・戦争期の、単なる写真集ではありません。広島で生まれ育った著者の庭田さん(現役の大学生)が戦争体験者の人々と対話し、その想いや記憶を、写真のカラー化を通して広く社会に伝えようという強い意志のこもった写真集です。カラー化された写真は白黒のものよりも強く、生き生きとした人々の想いを私たちに伝えます。人の心を動かすのはやはり人であり、祈りや願いといった人の強い意志です。それはこれからもそうあり続けるのでしょう。
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第二次世界大戦(太平洋戦争)の写真は,殆どが白黒で,本書でも書かれているように,凍りついたように見えることがあります.カラー化することで,当時の様子がさらに見えてきます.子供に伝えたい一冊です.
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渡邊先生がニューラルネットワークでカラー化した写真をtwitterにアップしていたのは見ていたので、本書はそれをまとめただけのものと思っていたのですが、この本は更に、当事者のヒアリングを元に色を補正するところまで実施していました。その最後の手処理が大変なのでしょうが、それによってさらにリアルさが増しているように思いました。
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カラー化で見やすくなるのかな…くらいに思っていた。読んでみると、「記憶の解凍」とあるように、生活感が感じられる写真になっていた。白黒写真よりも、明らかに、当時住んでいた人の暮らしに思いを馳せやすかった。何よりも人の暮らしが一番大事だと思う。
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この本は面白い❗️確かに白黒では昔のことという心理的スキーマが働くところを、カラー化によって今と陸続きの現実にするという試みは本書をみる限り素晴らしく的を得ている。AIを駆使するだけでなく丁寧に当事者にインタビューして記憶から色を辿るアプローチも好感しかない。驚くべきは著者の一人の庭田杏珠さんは広島生まれの若干19歳。総理大臣は質問から逃げ回っていても、若い人はしっかり戦争の記憶に目を向けている。
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カラーで見るとあの時代を過ごされた方々の凄まじい経験が少しでも分けてもらえるような気がします。
松山空襲の写真を見てよくウチの親父さんは生きていたもんだと今更ながら思います。
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モノクロ写真は歴史、それがカラー化されただけで
一気にリアルに感じられるんですよね。
もちろん今見ても
「一昔前の何処かのアジア諸国の写真かなあ?」的な風景もありますが
70年以上前の風景で現在の我々とは社会、生活が違いすぎる。
それでもやっぱり我々の昔の風景なんだとしっかり思える。
はじめにあるように「カラー化によって、白黒の世界で「凍りついて」いた過去の時が「流れ」はじめ、遠いむかしの戦争が、いまの日常と地続きになります」
その通り!モノクロ写真、モノクロ映像・映画なんて普通は見ないものね。
このカラー化にはものすごい意義があると思います。
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太平洋戦争と戦前。それは常に抑圧され、常に命の危機にされた時代というイメージがあった。時々見るテレビでその時代を生きていた人からは、”いや、そんなことはなかったよ”という話も聞くのだが、どうしても暗いイメージが否めなかった。技術の問題だったのか、目にする当時の写真、動画とも全部モノクロで、かつ画面の暗いものが殆どだったため、余計に暗いイメージがぬぐえなかった。
本書はAiそして当時の記録から、戦前・戦中の様々な写真に色を付けて当時の様子を再現した写真集だ。暗い、古い写真は見事に現実感を帯びた美しいものに生まれ変わっている。物資欠乏で貧しかっただろうが、明るくたくましく過ごす市民たち。古い兵器の写真もまるで今そこにあるかのように見える。真珠湾攻撃や爆発、原子爆弾の写真など、伝わってくる迫力も悲惨さも全然異なってくる。本書の最後の写真は、終戦直後に焦土となった広島の街を、建物の屋上から若いカップルが見下ろす写真。これもカラーになると、女性の明るい表情が見え、悲惨さとともに明るい未来も見える写真になっている。
80年近く前のはるか昔の出来事・・・のはずが、ついこの前の出来事のように、心に有機的に響いてくる。
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カラー化されただけで、こんなに現実味を帯びて感じられるのですね。
白黒写真だとどこか作り物のような、遠い時代の出来事のように感じていましたが、、
そこには確かに人々の営みがあったのですね。
自分と変わらない人たちが、戦争の辛い時代を生き抜いたこと。
きちんと知ることだけでも意味があると思います。
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たまたまTwitterで流れてきた写真を見て、心を揺さぶられ、本が出版されたのを知り購入。
カラー化されたことで一気に、【戦争の時代】が本当にあった現実の出来事なんだと認識させられた気がした。
白黒写真だとどうしても、遠い遠い昔の、自分とは関係ない世界のことのようで。
目を背けたくなるようなグロい写真は無いのだけど、戦争の悲惨さは痛いほど伝わってくる。
特に印象的だったのは、
特攻2時間前なのに仲間と笑顔で写っていたり、
アメリカ兵が原爆を落とす前日に、笑顔で戦闘機の前に立ち記念撮影していたり。
戦争の中の笑顔って、なんか切ない。
あとはやっぱり、戦争直後の、上裸の日本兵。
あれは強烈すぎた。
ろくに食べていなくてどうして最後まで戦えたんだろう。
度重なる空襲で日本中が焼け野原になり、
毎日何百人も何千人も亡くなっていってるのに、
原爆であれほどの犠牲が出るまで
なぜ戦争をやめられなかったのだろう。
だけどあんなにひどい時代の中でも、
強くたくましく明るく生きることを忘れなかった人々の姿も知ることができた。
これが、たった75年前のことだなんて、本当に信じられない。
信じられないけれど、このカラー化された写真たちによって【実際にあった現実のこと】になった。
これもひとつの立派な平和のための活動だと思う。