紙の本
北斎不在
2020/10/01 20:37
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投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
前知識なし、表紙買いで手に取ったので、現代モノでしかも美術ミステリーだと思わなかった…北斎の生涯を描いた小説だと思っていたのに、読み進めても当然北斎本人は出てこない。しかも、いきなりクリムトだったし、最終的にレンブラントだったし。
登場人物が多くて途中からメモしながら読んだし、美術泥棒やらマネーロンダリングとかマフィアとかフェノロサコレクションとか不穏な雰囲気爆発です。
イロイロすったもんだあって「あれ?誰が得して、誰が損した?」って分からなくなっちゃった。
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イタリアの美術館から盗まれたクリムトの絵画が発見される。その絵を入手したのは評判の悪い美術商・吉崎為一郎だ。一方、明治初期に日本美術を精力的に集めたフェノロサのコレクションが密かに買い戻されていて、そこには北斎の一級品の肉筆画が存在しているという。突然日本に現れた「クリムト」。美術愛好家たちを奮い立たせる幻のコレクション「北斎」。騙し騙され、日本の美術界をめぐる、絵画ミステリー第3弾!!
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絵画ミステリーとしてまあまあ面白いのだが、マハさんのようなアートへのリスペクトが全く感じられず、興醒めする作品。
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タイトルには『大絵画展』とは銘打ってはいないが、前2作の主要メンバーが登場しており、絵画を絡めたコンゲーム小説なのでシリーズとしては3作目にあたるのだろう。騙しの仕掛け自体は楽しめた。
前2作に引きつづき、登場人物の口をして熱く語られる美術業界に対する批判的な言論が随所に見られる。フェノロサや林忠正等、開国間もない明治初期の日本文化を海外に広めた背景やその評価、日本美術の閉鎖性やマーケット等について、これらを面白く取るかどうかで評価が割れるかもしれない。
タイトルでは北斎と銘打ってはいるが、冒頭から最後までキーとなるのは実はクリムトの絵画『婦人の肖像』。実物の絵画は本当に行方不明になり20数年後に発見された作品だ。作中には確かに北斎に絡む作品もあるにはあるが、昨今の浮世絵ブームにのっかって北斎とつけたのではと勘ぐってしまった。
なので、美術系小説として期待すると肩透かしを食らう。あくまで絵画美術品をモチーフにしたコンゲームエンタメ小説である。
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原田マハ作品を彷彿とさせる壮大な美術ミステリーだが、登場人物が多い上に話が行ったり来たり、くど過ぎて楽しめない。作者の絵画の知識は脱帽だが、美術書じゃ無いので、ここまで詳しい解説は必要ないし、どこからがフィクション?で混乱。
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北斎の版画をめぐる、頭脳戦。
だが、ちょっと合わなかった…
絵画もミステリも好きなのだが、本書は、私が思うに、山場に欠ける。
京都、銀座、そのほか各地を巡り、たくさんの絵画が登場し、たくさんの人物が北斎について語る。
でも、この人何の人だっけ?がよくあった。
絵について語る箇所もあり、確かにそれは絵画の背景を知るのには非常に有効だし、勉強になった。
面白い箇所だった。
けれども、探偵Qがモナリザの絵と対峙した時のスピード感や山場はない。
確かに対象が少し違うのかもしれない。
どちらかと言えば原田マハの系統なのだろう。
しかしあちこちに物語の舞台が飛び、人が入れ替わると読者としては、それについて行くことに一生懸命になり、あらすじを追えなくなってくる。
たくさんの知識をたくさん詰め込んで消化不良、と言ってしまうと手厳しいだろうか。
絵画にあまり馴染みのない読者はタイトル、画家を書かれてもわからないのではないか、と思った。
もう少し語る絵を絞った方がわかりやすいと思う。
わかりやすさだけを求めるつもりはないが、論点(というか中心)は絞った方が、面白さを堪能できるのではないかと思う。
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浮世絵で誰もがみたことのある北斎の肉筆画をめぐるコンゲーム。
CIAからの指示を断れないイタリア男とその相棒。
古物商、絵画商、新進気鋭の実業家がでてきてどこに落ち着くのか想像できない物語が展開される。
見たことのない、北斎の肉筆画が文章の合間から浮かび上がる感覚がある。絵を見てみたい。
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手に取った動機は
表紙が素敵だったこと
巻末の「参考文献」が興味深いものだったこと
さて、本文ですが
絵画(特に北斎)に関する
登場人物が語る蘊蓄が面白くて、
ついつい読み進めていました。
でも、
物語(?)の展開には
「……」でした。
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北斎出てこないじゃん!美術コンゲーム。
ひー、登場人物が多い(汗)
しかもコレって続編よね。何よ、「フェルメールを取り戻すときに」って??あー悔しいっ。