紙の本
クリスマスに小三の孫にプレゼントした
2022/02/26 18:50
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投稿者:gori - この投稿者のレビュー一覧を見る
人とオウムの実話とのこと
少し難しいかもと思ったが
妹にも、読み聞かせているらしい
プレゼントして良かった
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鳥は家族(飼い主さん)の会話を聞いて
自然と言葉を覚えるんだろうなぁって思ってたけど
一体どんなプロセスを経てるんだろう…
ってすごく興味があった。
あとは…鳥の中でもヨウムが特に大好きだったから。
ヨウムって…知ってる人どれくらいいるかな。
グレーの羽に紅色の尾。
一年半くらい前に動物番組で
初めてヨウムを知ったけど
陽気に、好き勝手に(?)話す、歌う。
本当に賢いけど
完璧にすらすら話すわけじゃないから
それがまた可愛くて笑っちゃう。
優秀なアレックスもそう。
順調に訓練をこなしたかと思えば
機嫌を損ねて、アイリーンと口げんかをしたり。
印象的だったのは
研究をしていくうえでアイリーンが
アレックスに対して
決めていた彼女自身との約束。
この本の最初の数ページには
アレックスの写真も載っていて
読んでいるこちらまでさみしくなった。
動物とわたしたち人間は
そんなに変わらないし
意思や思考、感情があるのは人間だけというのは
あくまで人間側の解釈だと思う。
世界で一番有名で賢いと言われたアレックス。
さまざまな訓練を、繰り返し繰り返し行って
50の物体の名前をはじめ色、形、数を
どんどん覚えてバードブレイン(鳥頭)という言葉を根底から覆す。
まだまだ続くと思っていたアレックスとの時間。
その終わりは突然やってくる…。
そのとき、アレックスが発した言葉とその意味は
アイリーンだけじゃなく
この本を手にした読者たちに
ずっとずっと残る言葉だと思う。
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この作者だから、アレックスと出会えて、この作者だからアレックスや他のヨウムの元の才能を見つけることができたんだろうなと思った。
少し王様気質で、ちょっと意地悪をしたり、でも構ってもらわないと我慢できないところだったり、実験以外もアレックスの魅力がたくさん詰まった本だった。
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アレックスというヨウムと,かれの「知能」を信じた研究者の話。
Life with Alex -- Official Movie Trailer
(youtubeに動画もあります)
研究者として困難な人生を歩みながらも,あきらめなかった博士の姿勢に感銘を受けました。
リアルタイムでアレックスをご存知の方であれば,当時を思い返しながら,その裏話を見ている気持ちで読めるかもしれません。
個人的にはアレックスとの人生の終わりが衝撃でした。人生ってこういうものだよなと改めて思い知らされました。
大切なひとの生活を日々大切にしなければなりません。
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30年も毎日寄り添ったパートナーの物語だから、その別れのシーンはもちろん胸を打つ。研究者として、ヨウム一本に懸けるというその根性がものすごいな、とも思うし、研究者の厳しい環境についての物語としても読める。
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最初から泣きまくり、みたいな評判だったけれど、そこまででもない気がしたのはやはり動物を飼っていないからでしょうかね。
序盤の「私って天才だから」みたいな部分はちょっと鼻についたけれど、アレックスが登場してからは興味深く読めました。
既存の概念に逆らった独創的な研究をすることや、特に定職が得られない中で職場を転々としながら研究をすることの大変さが読んでいてしみじみと伝わってきました。
また、教育ということでは、実験に超長期な時間がかかるのも大変ですね。
読んでいて最後に悲しさよりも無念さを感じてしまいました。
もう少し時間があればもっといろんなことが学習できたのではないでしょうか。
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研究者と研究対象の賢いヨウムのお話し。どれくらい賢いかというと、抽象的な数の概念や色の概念、数と色の組み合わせがわかっていたり、実験の意図の裏をかいて助手をからかったり、実験でヨウムがやるはずの作業を助手にやらせたり。ポイントは、この助手にやらせる作業を「言葉』で実現していること。言語を使ったコミュニケーションは人間だけにできること、という従来の"常識"をひっくり返したこと。
著者は、それまで人間にしか(理解)できないとされてきた高度な認知が鳥にもできることとを、ユニークな手法で証明する。それまでの動物実験は、お腹を空かせた動物に特定の操作ができれば報酬としてエサを与える訓練が主流だった。(人間も含めて)生き物は特定の刺激に対しては特定の反応をするはずだ、という枠組みが研究者の共通認識だから。(オペランド条件付け)
ところが著者は赤ちゃんが周りの大人の行動をみて学ぶような訓練方法を採用した。モデルがヨウムの目の前でよい対応と悪い対応の両方を見せる、よい対応をすれば報酬が手に入る、という方法。(モデル/ライバル法)
もちろん、その方が比較すれば上手くいくということであって、実際の実験は苦労の連続。それらのエピソードも面白いし、失敗が新しい発見のもとになる話やアメリカの研究者の就職の苦労、MITメディアラボのぶっとび方など、ドキュメンタリーとしても科学エンターテイメントとしても面白い。
そして、その面白い話が突然、本当にパチンとスイッチを切られたように終わってしまう。ヨウムのアレックスの突然死によって。本書の構成の巧みさによって追体験させられた気分だった。えっ?終わり?えっ?まだ、その、これから?じゃないの?
個人的に非常に面白いと思ったのは、「賢さ」へのこだわり。著者のアイリーン・ペパーパーグは、「私は人間だけが特別に賢いとは思わない」と他の研究者のユダヤ・キリスト教的な人間観を批判する。神という完璧な存在を除けば、地球上のありとあらゆる存在の頂点に立つ人間と、ずっと劣った動物植物鉱物という序列。それに「賢い鳥」という矛盾する存在を通して揺さぶりをかける、という感じ。これは、クジラやイルカは賢いから殺して食べてはいけない(牛や豚はよい)という信念にも現れている、根強い世界観。
確かに著者は一矢報いたと言える。しかしその論法が「鳥も賢い」なので、「賢さを序列のものさしに使う」論の中で争っているだけで、賢さをものさしに使う発想そのものを肯定してしまっているように思えた。それほどまでに根強いのか。
役者と個人的な知り合いだからかもしれないけど、翻訳もよかった。日本語としての自然さ(読みやすさ)と日本語としての不自然さ(海外作品を読んでいる雰囲気)のバランスが絶妙だった。
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アレックスに関しては、生前から動画などを見ていたので、その能力の高さには驚かなかった。
というか、動物を飼っている(という言い方も非常に不遜で嫌いだが)人は誰でも、彼らには我々同様感情があり、思考し、経験を蓄積して応用していることを知っているが、科学では「だってそう感じるもん」ということは許されず、繰り返し検証実験を行い、誰でも納得できる客観的データを蓄積することが必要である。
その大変な仕事に、果敢に挑戦した著者に頭が下がる。特にまだ欧米でさえ男尊女卑が強く、能力の高いことが証明出来る女性でも結婚や出産で退職するのが当然と考えられていた時代、動物は人間以下の存在、鳥が喋ってもそれは「オウム返し」してるだけ、と考えられていた時代にそれに挑戦したのである。
彼女の研究がいかにとんでもないと思われていたか、そのため研究者としては冷遇され続け、期限付雇用を繰り返し、最悪の状態のときは研究費も給与もなく、食べるにも事欠く有様だったことにショックを受ける。
アレックスの研究を支持する財団があったから何とか研究を続けていけた(生き物を室内で飼って研究しているのに、途中で投げ出すわけにはいかないこともあった)わけだが、その財団を支えてくれたのは、(もちろん企業もあったが)鳥を愛し、その能力を証明して欲しいと願う一般の人々であったというところに、希望を見る思いがする。
しかし、マスコミでも話題となったことで研究者たちからの凄まじい嫉妬も受け、財団があったことが全てプラスに働いたわけではない。
このような中で、著者ペパーバーグ博士が、アレックスに対して積極的に愛情表現しないように気をつけていたことも、なかなか凡人にはできない事だと感じた。もちろんそれでも愛情はアレックスに伝わっていたわけだけど。しのぶれど色に出にけりってあるもんね。恋愛でなくても。
著者はアレックスの知能は5歳児程度と言っているが、それは科学者としての発言であり、本当の思いとは違う。
「それぞれの動物には自分のコミュニケーションのやり方があるし、彼らの野生の生態の中ではそれで十分にやっていけるんです。だから私たちの方法でコミュニケーションさせるのはアンフェアなのです」(P314)
人間の「物差し」で動物を測って、その能力がどの程度、なんて話はおかしい。じゃあヨウムの物差しで、犬や猫の物差しで人間を測ったら?人間なんて「生後半年の犬の能力すらない」とかいうことになるだろう。
博士は続けてこう言っている。
「私たちのコミュニケーションのツールを与えることで、彼らの心をのぞく窓(略)から、彼らがどうやって情報を処理しているのか、どのような考え方をしているのかをのぞけるんです。」
そういうやり方でしか、客観的に証明する方法がないのだ。
アレックスの能力は動画でも見ることができるが、動画になっていないエピソードがとてもいい。
発音しにくい単語(彼らにはくちびるがないのでp,v,bは発音しにくい)はひとりで練習したり、物分りの良くない仲間のヨウムを叱ったり、ウソを教えて混乱させたり、本当に個性豊か。
「彼はエサや住居などを、完全に���と学生たちに依存していたのだが、一方で高慢なくらい自立しているという雰囲気を醸し出していた。」(P290)なんてところはうちの猫みたい。偉そうなところも。
ニシアメリカオオコノハズクを見たアレックスが非常に怖がって、見えないようにしても(いなくなったわけではないことがわかっていて)「カエリタイ」(研究室のケージに戻りたい)を繰り返た、とあったので、ニシアメリカオオコノハズクがどんな鳥なのか調べたら、思った以上に小さく、何ならヨウムより小さく、まともに戦えばヨウムが勝ちそうな気もするが、そういう問題ではなく(これは私の感想)、猛禽類=自分達を襲う恐ろしい生き物という本能があるのだ、という話なんかは、うちの猫も「そんなことが怖いの?」と驚くことがあるのに似ている。
これを読んで、人間の傲慢さや、女性の社会進出を阻む愚かさに気づいて欲しいものである。
自然破壊が人間社会以上に動植物の世界に影響を与えること、そしてそれは人間にとっても取り返しのつかないことであることも。
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面白かったです。
鳥と人のふれあい的なものがいちばん大きなテーマなのかなーと思って読み始めましたが、そうではなかった。
1人の女性が学会の中で認められ、研究を続けていくことの大変さ。ましてやそれがそれまでの常識を覆す研究であったときの逆風の強さがリアルに描かれています。生活の不安を抱えながらも信念を持って研究に取り組み続ける著者の姿に励まされる思いがしました。
アレックスのキャラクターも魅力的。とても賢いけれど気分屋でわがままでいたずらっ子。著者が落ち込んでいるときにずっとそばにいて、「ナデテ」(撫でて)と頭を預けてくるアレックスの様子など、本当に愛らしい。著者にとっては逆風を共に進んだ同志のような存在だったのでしょう。
著者が偶然の出来事や失敗の中からアレックスの新たな知的能力に気づいていく場面には、ものごとをあらゆる方向から見られる力の大切さを感じました。
それまで「鳥頭」にはできないと断じられていた常識を次々と覆したアレックスはある日突然亡くなりました。アレックスが著者にかけた最期の言葉「イイコデネ。アイ・ラブ・ユー」が悲しい。
まだまだ絶頂期だっただけに、その死は世界中で惜しまれましたが、アレックスの後輩たちも頑張っているようです。私にとってこの本を読むまで知らなかった世界ですが、これからその活躍を楽しみに見ていきたいです。
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アイリーン・ペパーバーグ(1949年~)は、ニューヨーク生まれ、MIT卒、ハーバード大学大学院化学物理学博士課程修了の学者で、現在(2010年時点)ブランダイス大学心理学部非常勤准教授、ハーバード大学非常勤研究員・講師、アレックス財団会長。
本書は、著者がヨウムのアレックス(1976~2007年)とともに、ヨウムの認知能力・コミュニケーション能力を研究し、アレックスが「50の物体、7つの色、5つの形を認識し、数を6つまで数えることが可能で、2歳児の感情と5歳児の知性を持っていた」とする能力を獲得・発揮するに至ったノンフィクションである。原書は2008年に発表、日本語訳は2010年に出版され、2020年に文庫化された。
(尚、ヨウムとは、アフリカ西海岸の森林地帯に分布する大型インコで、体長33cm程度、体重300~500g程度、体の大半は淡灰色の縁取りのある灰色の羽毛に包まれている)
私は、この研究分野の専門知識は持たず、また、とりわけ鳥好きということでもなく、単に(純粋に)動物の認知・コミュニケーション能力に対する興味から本書を手に取ったが、読了して、とても興味深い内容だった。アレックスが死んでから10年以上が経ち、現在、類人猿やイルカやカラス(や他の動物)の認知能力がどのくらい明らかになっているのかわからないが、人間の言葉を使ったコミュニケーション能力を持つ動物はほかに聞いたことはないし、「クルミほどの脳しかない」(著者は何度もこの表現を使う)アレックスの示した能力は、やはり驚くべきものだ。
解説で、京都大学白眉センター特定助教の鈴木俊貴氏は次のように語っている。「アレックスにみつかった音声の模倣や意味の学習、概念形成といった能力は、どれも人間の言語の発達に必須であるが、その進化の道筋は未だ明らかでない。ひょっとすると、これらの認知能力は、生物進化のなかで複数回、独立の系統に現れたのかもしれないし、もっと原始的なところに共通の起源があるのかもしれない。この問いに答えるためには、今後、より多様な動物を対象として、思考や言語に関する比較研究を進めていく必要があるだろう。」
著者が研究を開始した40余年前には、ほとんどの専門家・学者から真剣に取り合ってさえもらえなかった研究(故に、著者は研究を続けるために大変苦労をした)が、動物たちの認知能力を解き明かし、更には我々人間の「心」の起源を探る上のヒントを与えてくれる端緒のひとつになるのかも知れないのだ。
また、本書は著者とアレックスの交流の物語にもなっている。著者は寧ろその側面を強く出そうとしたのか、研究に関するロジカルな説明は限られており、その点でやや物足りないのだが、見方を変えれば、それ故に感情移入をしやすく(特に、鳥好き、動物好きの人にとっては)、読み易いものになっていると言えるかもしれない。
(2021年3月了)
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オウムにどのくらいの知性があるのか?の研究に生涯を捧げてきたアメリカの研究者による著作.
アレックスと名付けたヨウムと行なった研究により,ヨウムには5歳児程度の知能(ただしコミュニケーション能力は2歳児程度)があることが明らかになる.脳みその大きさは胡桃大なのに?脳に大脳皮質も無いように見えるのに?
アメリカの研究者の厳しい環境については話には聞いているが,恐るべき競争社会だ.アレックスとテレビにも出演し,日本であればどっかの私学がホイホイとポストを用意してくれそうなものだが・・・
アレックス(や他のヨウム)との心温まるエピソードが綴られ,思わず吹き出してしまうエピソードも多いが,作者の研究に賭ける熱意には脱帽する.実はアレックスが死んだ場面からこの本は始まるのだが,その後,他のヨウムを使ってプロジェクトは今も進んでいるのだろうか?
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”本の雑誌”年間ランキングから。帯の推薦文も含め、期待値はかなり高いところからのスタート。最初に死んだところから入るという結構で、その衝撃の大きさが、まずは印象に残る。でも、まあ当然なんだけど、基本的にはワウムの潜在能力を詳らかにするこをと目した学究論文。それを一般に向けて起こし直したもの。もっと物語を多く求めた自分の勘違いなんだけど、少なくとも、欲したものからは距離のある内容でした。もちろん、動物の潜在能力には瞠目すべきところがあると感じはしましたが。
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面白いかもと思って予約して借りたけれど、目下最優先のエカチェリーナ関連本に押されて今回は読まずに返却。
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発達心理学、認知心理学、動物行動学、様々な視点から読めるお話で大変面白かった。また、他の側面では、女性研究者の生きていく難しさにも触れるし、もちろんヨウムの愛らしさ、賢さなども知れて、とにかく面白いの一言。
人間至上主義の概念をとにかく否定し続け、あらゆる動物たちの可能性について考えさせられるとてもいい本。
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2021-02-04 Kindle版
科学者による、わりと感情面に寄った追悼本。
ちょうど「知」について考えてたから読んだのがタイムリーだったかも。
そんなことよりも、どうか安らかに、アレックス。