紙の本
あらためてバナナを考える
2021/07/19 08:29
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投稿者:怪人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
確かにバナナは他の果物に比べて安価である。甘いし、腹も満たしてくれる。りんごやみかんは季節のものとして味わうことが出来るが、価格相場も気になる。他方、1年中店頭に並ぶバナナ。知っておかなくてはならない事が詳しく書かれている。店頭で生産地や企業名などチェックしてみると本書の指摘通りだ。
生産地、生産者のことも考えることがバナナには欠落していたようにも思う。多くの問題が含まれており食の問題として強い関心をもっていきたい。
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「農薬使用量=摂取量」だと思っているらしい。
日本・韓国の単位面積当たりの農薬使用量が多いのは、高温多湿であり農薬が必要(雨が多いので流される、気温が高いので害虫も多い)。
そして、育てているものが違う。アメリカは穀物(農薬が比較的少ない)が多いが、日本は果樹(農薬多い)が多い。
果樹単品だとアメリカの方が使用量は多いというのを以前どこかのサイトで見た。
https://seisenudoku.seesaa.net/article/477834932.html
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バナナを作って食べる所までのいろいろな問題点を様々な角度から述べている.農薬散布などの被害だけでなく現地人の搾取などの問題など問題山積み.バナナを食べるだけの私にも出来ることが何かあるのではと考えさせられた.
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・栽培地の高さによるブランド戦略
・残留農薬の問題
・現地の労働問題
色々と苦い現実がありました。
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スーパーで売られている、バナナがどのように作られてどのように運ばれて、1本のバナナが食卓に届くまでに何人が関わっているのだろうか。
そんなことは想像してみてもわからないことだらけだ。
バナナにまつわる読む前の知識は、
バナナは栽培方法が異なるだけで、基本的に売られているバナナの品種は同じであること。輸出されるバナナは緑色で、追熟という工程を経て、スーパーに並んでいること。
他にもう少しあったかもしれないが、大方それくらいだった。
日本に輸出されるバナナは、フィリピンの「ミンダナオ島」で栽培されており、それらは原地で食べられることなく、ただ輸出されるためだけに、生産され、青果物としてランク分けされ、選別されたものが輸出対象となっているのが現状だそう。
他にも多くのバナナに関する情報が載せられていたが、やはり横たわるのは、労働問題だ。
栽培契約やリース契約の違いやリスク。
ドールなどの大企業と、新規参入する企業によって少しずつ改善されているように見えるが、おそらく解決されるのは遠い未来の話であると思う。
本書では、「エシカル(倫理的)な」バナナの消費を訴えている。生産から食卓に届くまでのブラックボックスを開けるには、消費者が「選ぶ」ことから始まる。
「フェアトレード」。確かに素晴らしい言葉だ。
しかしそれは、フェア「でない」トレードが存在しているから、言葉として成り立っているのだ。
フェアトレードが、当たり前の世の中になるためには、わたしたちの消費の仕方を、変えていくことが必要なのかもしれない。