知っておきたい日本の神様 どの神社に、どんな神様がまつられているか？ みんなのレビュー

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武光誠（1950年～）氏は、東大文学部卒、同大学院博士課程修了の歴史学者。明治学院大学名誉教授。専門は古代律令制。日本史全般から世界史まで200冊近い一般向け書籍を執筆している。
本書は、2005年に角川ソフィア文庫で出版されたものに加筆・修正し、2020年に再刊された。
本書は、日本に約12万あるとされる神社について、以下の章立てで解説したものである。
1章：あなたの近所の神社のルーツをご存知ですか（稲荷神社、八幡神社、天神社・天満宮、諏訪神社、神明神社ほか）
2章：一番古い神様たち（大国主命、大物主神、八坂神社、氷川神社ほか）
3章：神様の頂点、高天原の天照大神（天照大神、豊受大神、伊弉諾尊・伊弉冉尊、月読尊ほか）
4章：天照大神の家来筋の神々（三島神社、鹿島神社、香取神社、春日神社ほか）
5章：地方の神々（日吉神社、松尾神社、貴船神社、上賀茂・下鴨神社ほか）
6章：神様にされた伝説上の人物（日本武尊、神功皇后ほか）
7章：神様になった人間（平将門、柿本人麻呂、徳川家康、明治神宮、靖国神社ほか）
8章：外国から来た神様（大黒天、弁財天ほか）
9章：動物も自然も神様（狐、蛇、犬、富士山、白山ほか）
10章：神道とは何なのか
11章：生活のなかの神道
12章：お参りの旅
本書の大きな特徴は、構成の軸を、歴史の流れではなく、個々の神・神社としている点にあり、そのため、神様や神社の名前から、その由来や歴史を調べたり、（頭の）整理をすることが容易である。日本の神々に関する書籍は少なくなく、私もこれまでに『「日本人の神」入門』（講談社現代新書）、『神道入門』（ちくま新書）などを読んでいるが、本書を通し読みすることにより、理解が深まったように思う。
また、巻末には、神名・神社名での索引に加えて、全国の主要神社一覧（御利益別）が付いており、ガイドブック的な実用性もある。
（2021年4月了）