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弁護士・御子柴シリーズ第5弾。
単独の御子柴シリーズは久しぶり?他の作品にも、ちょいちょい登場するから、前作からどれくらい経っているのかが分からない。
しかし。
今作はいきなりプロローグで、いきなりボディブローを食らったような衝撃。
御子柴の弁護士資格をはく奪すべく、「この国のジャスティス」と名乗る人物が書いたブログを読んだ大勢の人が、懲戒請求を求めてくる。
その数、御子柴の事務所に届いただけでも、850通…
「匿名」に踊らされ、いっぱしの正義感に駆られる愚かな行為は昨年のあおり運転事件の「ガラケー女」のデマの拡散を思い起こしたが、作品自体は先に書かれている。
その行為に対し、全ての人物に賠償請求を行うとする御子柴だったが、その最中、御子柴の事務所で働く洋子が殺人の容疑で逮捕されてしまう。
御子柴の失墜の為に仕掛けられた罠なのか?
これまで触れられてこなかったが洋子とは一体何者だったのか?
その二つを軸に物語が展開する。
今までに比べると、描かれる犯罪は派手でないものの、御子柴の人間らしさが垣間見えるようになっている。
どんでん返しは、若干控えめだけど、プロローグで十分衝撃を受けたので、今作も楽しく最後まで一気読み。
テレビでは連日「ドクター・デスの遺産」のプロモーションが流れているが、犬養もいいけど、御子柴もいい!と思える仕上がり。
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弁護士・御子柴シリーズ最新作。
30年前に5歳の幼女を惨殺した過去を持つ御子柴、過去の名前を捨て、生き直していたにもかかわらず自ら罪を暴露する。そのことで、過去に重大な罪を犯したのに弁護士という職業についていること自体に不満を持つ人たち、また現在高額の報酬を取る悪徳弁護士という評価を快く思わない人々が《この国のジャスティス》と名乗る者の呼びかけで御子柴に懲戒請求書を出す。その数800人以上。ただでは起きない御子柴、逆に彼らに損害賠償を請求することにし、その事務作業を事務員の日下部洋子に丸投げしていた。ところがその洋子が殺人容疑で逮捕されてしまう。タイトルに『復讐』と付いていたので真犯人の目的はそれだろうから過去の御子柴の事件の関係者だろうことは予想がついたが、彼の正体を知っても彼から離れなかった洋子という人物が興味深い。彼女自身の生い立ちから固定概念なしでちゃんと今の御子柴を見れる人。洋子の過去を追って自身の故郷を訪ねた時出会った倉科スミという老婦人も然り。自分の汚名を顧みず他人のために頑張ろうとする人と・・・外面や肩書で人を判断するような人間にはなりたくない、ちゃんとその人の本質を分かる人間でありたいと思った。
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やっぱり、面白い!中山七里。
凶器のトリックまでは読めたが、最後の最後の真相は読めなかった。これだから、中山七里は面白い。
御子柴礼二も、やっぱりなんて言うか憎めないというか、好きだなあ。
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★3.5
御子柴弁護士の人となりが浮き彫りにされる度に、好感度が上がっていく。彼を指して能面のような…という表記があったが、別作の能面刑事とは異なる印象を受けるのは、本作までに心の逡巡や内面を垣間見てきたからか。
ずっといて当たり前の脇役。でも謎だった事務員洋子さん。殺人容疑で捕まり、それを無罪にするという流れだが、途中までは滞ること多く、残りの項で解決するの?と思ったけど、ラストで怒涛のスパート。欲を言えば、御子柴シリーズ名物の探偵パートをもっとじっくり堪能したかったということに尽きる。
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御子柴法律事務所の唯一の事務員・日下部洋子がある事件の容疑者として逮捕される。明らかに嵌められた洋子を救うべく、御子柴は洋子の知られざる人となりを調べる事になり…
毎回御子柴と関わりのある人が容疑者となるけど、今回は洋子がターゲットに。優秀な事務員の洋子だけど、あの御子柴の元で働き続ける理由が明らかになり、やはりあの事件に繋がっているんですね。洋子の過去と御子柴が園部少年だった頃と繋がるとは思いませんでした。
洋子が本当の意味で御子柴の人となりを見出してくれて良かったです。
唯一の癒しの論子が今回も登場してて、それだけがこのシリーズの救いでした。
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シリーズ作品を読んでなくても単独作品として読み応えありました。御子紫弁護士は、何故忌まわしい事件を起こして、洋子さんが語ったように人間は変われるかもしれないと思えるようになれたのかを。シリーズ作品を読みたくなりました。
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安定して面白い御子柴弁護士シリーズ。警察の捜査が甘すぎて、検察敗北の逆転裁判になるのが見え見え。まあ予定調和とはいえ、確りと読ませてくれるので文句はありません。
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やはり御子柴シリーズはいい。シリーズの他の作品に比べると若干迫力に欠け、どんでん返しも無理があるような気もするが、面白さは間違いない。今回は自身の弁護士事務所の事務員の弁護だが、よくもまあ、次々と自分の身内や関係者をサブ主人公に据えて物語を紡ぐことができると感心する。今年2020に毎月新刊刊行をしている体力・能力にも感服するが、それが中山七里の凄さなのだろうな。
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弁護士御子柴礼司シリーズ第5弾。
今回弁護する被告は御子柴の事務員日下部洋子で、御子柴の過去の殺人被害者との関係などの過去が掘り出されるという話でした。
事件は御子柴への懲戒請求事件と洋子が被疑者となる殺人事件が並行して進むのですが、真相は犯人バカすぎ(それ以上に警察や検察が大馬鹿)でがっかりでした。
殺人事件のトリックもほぼわかってしまっていたのでミステリーとしてはいまいちですが、洋子の過去と二つの事件の犯人との関係は面白かったです。
そろそろ御子柴関係者が関連する事件ネタはなくなってきたかもしれませんが、御子柴のキャラは貴重なのでシリーズ続編を期待したいです。
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御子柴第5弾。今度は御子柴の片腕の洋子が殺人容疑で逮捕された。 ただ本人は犯人に程遠いほどであるが凶器に指紋が。そこで御子柴が周辺を探っていくと、なんと洋子は御子柴が死体配達人で被害者の友達であった所で何故自分のところに来たのか。そこが今回の事件に背景に絡む。
一方御子柴は懲戒請求権がこの国のジャスティスに踊らされた一般人から800通以上届くがそこにも今回の殺人が実は絡んでいた。
最後はあっけなく、終わるが、洋子は私生児で戸籍のない子であり、御子柴と同様、かなりのいじめに会っていた過去があり、過去の事件の裁判の結果で見た子供に見せた御子柴に希望の光を見ていたのであった。一寸ほのぼのが最後の唯一の光で合ったのが印象深い。
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【いったいこの女は、自分の何を知り、どんな理由で離れずにいるのだろうか。】【どうしてそこまで信じられる。】良かった。はぁ良かった。洋子が裏切っていた訳じゃなかった、良かったよ。御子柴と洋子の繋がりに、まさかのいきなりの大どんでん返し!?拳握りながら読み進めた。御子柴・宝来VS『この国のジャスティス』 自分の目で心で他に流される事無く強く生きる洋子が、自分の心で見ている御子柴を信じている事が物語を心強くしている。
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今回も面白かったですが、法廷があっさりしすぎて・・・・
そして段々と御子柴先生がハートフルな感じになってきてます。
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中山さんの作品の中で一番好きな御子柴シリーズ!
割とあっさりしていましたが面白かったです。
ただ今の御子柴を見ていると園部信一郎と同一人物とは思えなくて少しモヤモヤ?します。もし私が洋子の立場だったら、とてもじゃないけど洋子のようには考えられず、御子柴と働きたいなんて思えないです。
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恐ろしいほどの読みやすさ。1ヶ月ほど読書から離れていたにも関わらず、2時間ほどで読了。御子柴さんシリーズは好きなシリーズ。今回は洋子さんがメインでした。彼女もまた過酷な幼少期を過ごしていたと知って複雑。でも、卑屈にならず己を持って、きちんと生きていけることを体現してくれているのが嬉しい。御子柴の罪は消えるわけでもなく、その憎しみも消えるものでもない。洋子さんが御子柴さんに肩入れした理由にもう少しだけ踏み込んで欲しかった。あまりに洋子さんの事をしらない自分に動揺を見せる御子柴さんに人間味を感じました。
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御子柴礼司シリーズ第5段!
内容はもちろん面白いのですが、御子柴先生がストーリーを重ねるごとに少しずつ人間らしくなっていくのが良いです。