紙の本
貴志祐介氏による最高のミステリー小説です!
2021/01/06 16:34
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、『十三番目の人格-ISOLA-』、『黒い家』、『硝子のハンマー』、『新世界より』、『悪の教典』などの人気作を次々に発表されている貴志祐介氏の作品です。同書は、何者かに海中深くへ引きずり込まれた元ダイバーの事件で物語が始まります。そのダイバーの無残な遺体には鉤爪で付けられたかのような不審な傷が残されていました。現場は、ソナーで監視され、誰も近づけないはずの「音の密室」だったのですが、事件の調査依頼を引き受けた、防犯コンサルタントの榎本と弁護士の純子は、大海原に隠された謎に挑みます。ぜひ、読んでみてください。
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とてもとてもとても好きなお話。
鏡の国のアリスをテーマにした短編と、
深海をテーマにした短編。
1作目はまたもや強烈なキャラクターの人が出てきて、出てきた瞬間この話はお前が主人公だ、と思った(笑)
表題作のコロッサスの鉤爪は、榎本&純子シリーズで一番好き。
貴志祐介はやっぱりサイコパスを書くのが上手。
一番切なくてグッとくる謎解きと余韻だった。
金田一少年の事件簿の殺戮のディープブルーという映画を思い出した。
覚悟を決めた人は、凪のように穏やかで、切ない。
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「鏡の国の殺人」はミステリークロックのような複雑トリック。表題作はダイビング話や海中生物話で楽しめたが、事件裏の人間模様、後日談ももっと読みたい気持ちにさせられた。
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『鏡の国の殺人』と『コロッサスの鉤爪』の二篇
『鏡の国の殺人』はトリックがどうなっているのかわかりづらかった。現代アート作品を用いた仕掛けだったからという面もあるだろうが、「気持ちのいい」読了感は少ないと感じた。偏光フィルターを使うという面はとても面白く、そんなことができるのかという想像だけなんとなくできた程度の理解だった。トリック解説に入る前の人間のやりとりはとても楽しいものがあったと感じた。
『コロッサスの鉤爪』は仮説を外堀から埋める感じが真相に近づくたびにワクワクするような高揚感を覚えた。トリックは先より複雑ではなく、理解しやすいものだったが少し力づく感があったと感じた。また、勧善懲悪のストーリーだったため読み終わった後もスッキリとした後味でとても読みやすい物語だと感じた。
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泥棒探偵榎本シリーズ。単行本を「ミステリークロック」と本作で2分冊にした文庫版。ミステリークロックとは違い、本作収録分は同じくらいの分量。
鏡の国のアリスをモチーフにしたトリックと、海上に作られた「密室」。特に表題作の海上「密室」は面白い発想だ。最近の本格ミステリーはいかに自然な流れで密室は設定するかが大事で、本作もその流れの一つだろう。なかなか秀逸な設定だ。
実はこの表題作では、純子の迷推理が若干報われる。それもニヤついてしまう。
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んー、鏡の国のトリックが難しい(汗)
二人のやりとりは面白いので、このシリーズのほかも読んでみたいな
鏡の国のトリックみたいな難易度のばっかりだと、辛いかも〜
海のほうは、細かいところすっ飛ばして、豪快なネタな感じがわかり易くて好ましいかな
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鏡の方は説明されても頭の中で状況が描けず、単なる変わったトリックの発表会みたいになってしまった。話も面白くない。
コロッサスは話が面白くトリックも比較的想像しやすい。できるかどうかというのは置いといて。
ただどっちも短編のせいか解決後の余韻がほぼないのが残念。
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ドラマ化もされていた防犯探偵シリーズの中短編集その2。『ミステリー・クロック』よりもこちらが好みだった。「鏡の国の殺人」はトリックが専門的すぎて理解が難しいが、先にドラマで見ていたのでイメージしやすかった。表題作は謎もトリックも魅力的で、多視点で描かれていくのもスリリングで読む手がとまらない。ただ、榎本と青砥のやりとりのコメディ要素はもう少し薄い方が好み。
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面白かった。
トリックは相変わらずトリッキーだったけど、コロッサスはちゃんとした人間の闇が描かれていて、物語としてとても好みだった。惜しむらくはもっと長ければ良かったなぁと。
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防犯探偵シリーズ第四弾その2
中編物が二作収録されている一冊。
前編では榎本が殺人犯に仕立てられてしまうと言うピンチから話が始まっていきます。
青砥先生との連携で解いていく様は、一部安楽椅子探偵を思わせるようでした。
後編で登場する密室はこれまでの作品の密室とは違い、音の密室を解かないといけないと言う難問に立ち向かう事に!
僅かなヒントから謎を解いていく榎本の手腕には本当に驚かされます。
それをサポートする青砥先生の珍推理(もとい迷推理)も相変わらず光っています(笑)
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光の速さで読み始め、読み終えた事に寂しさを感じています。
どちらも幻想的な空間での殺人で、どこか切なかったです。
全体的に動機が辛いですね。
『コロッサスの鉤爪』に関しては、やるせないとしか言いようがないです。
復讐をしてもしなくても、犯人にとっては一生救われない結末のように感じました。
榎本さんの本業を見れた事やら、珍しく青砥さんを頼ったあたりやらで、勝手に嬉しく感じました。
青砥さんの扱いが可哀想に感じます…!
推理系に疎い私からすると、寧ろ発想力があって羨ましいのに(笑)
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何者かに海中深くに引きずり込まれた元ダイバー。
無残な遺体には鉤爪で付けられたかのような不審な傷が残されていた。
この惹句にひかれて読んでみた。
「鏡の国の殺人」と「コロッサスの鉤爪」が収録されていたが、「鏡の国の殺人」は★★
「コロッサスの鉤爪」は★★★
ちょっとガッカリだった。
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貴志祐介。本来は4作品入りの短編集を、文庫では二つに分けたそうで、その二つめを読んだ。
本作は、セキュリティ会社の社長?のふりをした犯罪者?の榎本という人物を探偵役とした、密室系謎解きシリーズであるらしい。今回は「鏡の国のアリス」のモチーフをふんだんに使った事件と、海で起きた事件の二つを読んだが、特に後者が秀逸だった(前者もすごいのだが、好みではない)。これはぜひ、他のシリーズも読まなくては。
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防犯探偵・榎本径シリーズ第4弾。「ミステリークロック」との2分冊。こちらは表題作の他、「鏡の国の殺人」が収録されている。
2編とも雰囲気が異なり、それぞれに楽しめる内容ではあったが、「コロッサスの鉤爪」はこれまでの内容からすると異色な感じがする。視覚的な密室ではなく、舞台は大海原であり、ソナーに感知されずにどう犯行に及ぶかという聴覚的な密室だからだ。また、トリックも海洋研究の知識がないと解けないものであり、その点では考えながら読み進めるという読み方は難しいかもしれない。