紙の本
やはり生と死が入り混じる、優しい話
2022/01/05 21:13
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投稿者:みつる - この投稿者のレビュー一覧を見る
川内倫子さんの写真には、いつもどこかに
生と死があり、今回は、川内さんご自身の出産と、
お爺さまが亡くなるという、この繋がりが
生と死になっているように感じました。
写真集での動物の出産の情景などはありましたが、
今回は、ご自身の出産の様子や、日々成長していく
お子さんについて書かれていて、
添えられている写真も、一層輝いて見えました。
出産すると母親脳になるとは聞きますが、
今までの、写真集とは違った感じの写真たちでした。
文章も、世界中を飛び回っていたころとは違い、
かけがえのない大切な者を授かって、
少しずつ変化していく、川内さんの言葉が、素敵でした。
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川内倫子さんの撮る写真は、大好きな写真の一つだ。いつまでも見ていられるような澄んだ川のような写真。そんな川内さんのもとに生まれた新しい命とその生活の記録、エッセイ。
忙しく撮影や展示会の仕事も続けながら、子育てもして、日記も書いて、毎日を過ごす、淡々と描かれているが、とても大変な思いもあっただろうと思う。
でも、彼女の写真が全くそこにたどり着くまでの苦労を感じさせないように、ここに書かれた文章もそれを感じさせない、どこまでも澄み渡った空のように淡くきれいなものだった。
同じく出版された写真集の「as it is」も素晴らしかった。
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川内倫子さんの写真と子育てのエッセイ。何か写真集がほしいなと思っていた時に偶然出会って買った。お子さんとの日々がとても眩しくてそれは写真にも表れていてその時間を慈しみながら日々過ごしているんだなあということがよくわかる。子どもはあっという間にどんどん大きくなる。子は授かり物。子がくることで周りの人の人生ももう一度生まれ変わる。私も子もみんなそういう存在なんだ。
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言葉が繊細で、育児と仕事で忙しいだろう日々のワンシーンから、こんなことを考えるなんて素敵な人だなぁと思った。
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写真家・川内倫子さんの、出産と育児の記録です。 生活の中に、身の回りの草木に、そこに差し込む光をとらえた作風で多くの支持を得ている川内さん。 2016年に妊娠・出産を経験し、約3年半に渡り綴られた自身の世界の変化と子や家族へのまなざしを、写真と日記体のエッセイでつづります。
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秋だからか、読みながらキュンと切なくなるところもありました。
妊娠、出産と家を建てる時期が重なったことを書いていたところでは、家を建てるって本当に大変なんだーと思って私には無理だなと改めて実感しました。
女性だったら一度は考えてしまうかもしれない子供を持つこと。
川内倫子さんの文章を読んで改めて年齢を重ねてからの妊娠、出産って難しいんだな、と。
私の今の年齢ではたぶん難しいことはわかっていたけれど、それを改めて突きつけられた感じ。
そこがまた、切なくなってしまったところでもあります。
自分の人生設計なんて考えてこなかったし、仮に何年か前に戻れたとしても子供を持つことを考えられたかどうかはわからなくて、こればっかりはこの先ももんもんとしてしまうかもしれないな。
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写真家の著者が子ども誕生に伴って綴ったエッセイ。友人にレコメンドしてもらったので読んだ。最近子どもが生まれた新米の親の立場で読むと1つの予習であり、そういう気持ちになるのか、という気づきが多い読書体験だった。当たり前だけど親になって読むのと親になる前では感じ方が色々変わってくるなと気付かされる。
基本的には日記形式で子どもがグイグイ成長していく中で感じたことが書かれている。子どもの成長と著者の老いや家族の死が並行で書かれていて生のバトンリレー感が印象的だった。命の受け渡しの尊さと残酷さ。過ぎていく時間に対して敏感で同意する点も多かった。これまでなんとなく過ごしてきた数年とは違い、子どもとの生活は時間の経過が明確に可視化される話が特に納得した。写真家という観点で言えば切り取る瞬間のオモシロさが間違いなくあり、子どものエッセイだとどうしてもウェットになりがちだと思うのだけど文章が乾いてて好きだった。
当然本業である写真はどれもめちゃくちゃかっこいい。日常を撮影したという意味ではスナップなんだけど、写真ド素人からみてもバキバキに決まった構図でエッセイを何倍も楽しませてくれる重要なファクターになっている。
写真は両親や祖母に送るために撮っているけど、なんらか文字で記録に残しておかないと日々はただ過ぎていくだけだなと強く思ったので少しでも育児日記は手元に残しておくようにしたい。
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他人の直筆日記を盗み見るのはこんな感覚なんだろうか。
来月オペラシティである展示を拝見する前に、予習しようと思い読みました。
諸行無常な美しさと怖さ、そして今を生きる喜び。それらを敏感に噛み締めていらっしゃることが、日記からひしひしと伝わってきます。
川内さんは、内なる感情と寸分の狂いがない写真を撮ってらっしゃるのだと感じました。
光をただ綺麗なだけと思うのではなく、生死の間に流れる潮のように捉えていらっしゃるのだろうと思いました。
あとがきから先に読み、本文を読んだ後にまたあとがきを読みました。
あとがきが3次元に遷移したような気分になりました。
飼い猫のサイちゃんとのお別れの話は、、目頭が熱くなりました。
そういえば、私の祖父母邸にいた猫たちは、最後の猫以外みんな、自分の死を人間に見せずに居なくなりました。
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川内倫子さんの言葉や感受性が素敵で、だから写真も良い作品になるんだろうなあと思った。とっても優しい生と死を見つめる視線。
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女性写真家による自身の出産・育児について綴られたエッセイ。
晩婚ということもあり、子供を授かり育てることに対して、さまざまな不安や葛藤がありつつも、子供という存在によってどれだけ人生に大きな変化が訪れ、かけがえのない喜びを得たか、という心情が書かれていてとても興味深かった。
DINKsという生活観が広がる昨今、一時は自分自身もその価値観に強く傾いていたこともあったが、時とともに子供を持ちたいという気持ちが強くなってきているのを実感する。
「子育て」という壮大なプロジェクトは他にない、と吉本ばなながどこかで言っていたけれど、きっとそうなのだろう。このエッセイを読んで改めてそう思った。
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等身大のエッセイで、こんなふうに日常が切り抜けるのはいいなと思った。
川内さんの撮る写真と柔らかく自然な文体がマッチしていて、穏やかで優しい気持ちになれる。
様々な国を渡って作品撮りをしたりとなかなか普通ではできない経験をされている作者でも、娘さんを授かったことは「奇跡」であり「娘が光を連れてきた」と表現している。
やはり我が子というものは、出会った人にだけにしか分からない、最も特別な存在なんだろうなと思った。
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とてもやわらかな世界。
誰彼構わずおすすめはできないかもしれないけれど、一層川内倫子さんをすきになる。お写真ももちろん綺麗なのだけれど、ふとしたときの感覚やことばの選び方が本当にすき。
無限に川内倫子さんのエッセイを読みたい。お子さんが産まれてからの写真やことばがより一層すき。
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妊娠中に読みました。
子どもが生まれてやわらかに変化していく日常の描写が素敵でした。子どもを見ながら昔の自分を思い出したり、生について考えたりする。
ふと過ぎていく日常が写真とともに切り取られていて、いいなと思いました。
私もいつかこんなふうに感じるのだろうか、あるいは全然違うことを思ったりするのだろうか、とても楽しみになりました。出会えてよかったエッセイです。また数年後に読み返したい。