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正直前半はそんなに面白いとは思わず。しかしこれが書かれたのは筆者が若干十代のときのはず…『悪の華』ほど毒吐きではないものの、その分若さによる激烈さに溢れてます…
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〈評論の神様〉小林秀雄の訳で有名な本だが、その訳は意外に雑(苦笑)。一つのセンテンスの中に「科学」と「化学」が混在したりしています(笑)。小林というと強面な印象があるが、ランボー生涯の絶唱ともいうべき詩『永遠』の訳を見ると、フラットというかたいへん大人しい訳で意外な感じです。
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時々、突然読む本。
まあそれはそれは酷く才能に溢れた中2病。これとカラマーゾフって、なんとなく同じイメージが湧くんだけどなんでだろう。
これを通勤時間に読むと、得も言われぬ気恥ずかしさを体感できますので皆さん是非。
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2011.01.17-
『地獄の季節』
苦しみを、怒りを、煮詰めて凝縮させて美しい結晶にまで高めた。
全身全霊で詩と向き合い、己の全てをかけて捨て去った。きっと彼は自分の思うとおりに生きたんだろう。そう信じたい。
地獄の夜
明らかに、俺たちはこの世にはいない。何の音も聞こえて来ない。俺の触感は消えた。ああ、俺の城館、俺のサックスと柳の林。夕を重ね、朝を重ね、夜は明けて、昼が来て、……ああ、俺は疲れた。
怒りのために俺の地獄が、驕りのために俺の地獄が、――さては愛撫の地獄が、俺には要ったのかも知れない。地獄の合奏。
疲れた果てはのたれ死だ。いよいよ墓場か、この身は蛆虫どもにくれてやる。ああ、思ってもやりきれない。悪魔め、貴様も道化者だ、いろいろな妖力で、この俺が蕩かしたいとは。よし、俺は要求する、戟叉(げきさ)の一撃、火の雫、いいとも、結構だ。
ああ、また、生活へよじて行くのか、俺たちの醜さに眼を据えるのか。この毒、この口づけ、重ね重ねも呪わしい。この身の弱さと、この世の辛さ。ああ神様、お情けだ。この身を匿い給え、俺にはどうにも扱えない。――俺は隠されている、しかも隠されていない。
火は亡者を捲いて立ち直る。
「飾画」
大洪水後
『大洪水』の記憶もようやく落着いた頃、
一匹の兎が、岩おうぎとゆらめくつりがね草との中に足を停め、蜘蛛の網を透かして、虹の橋にお祈りをあげた。
少年時
Being Beauteous
酩酊の午前
断章
網を鐘塔から鐘塔へ、花飾りを窓から窓へ、金の鎖を星から星へと張り渡し、俺は踊る。
街
道徳も言葉もとうとう、ほんの単純な表現に還元されてしまった。自分を識ろうとする要求を持たぬ、この幾百万の人々は、すべて一列一体、教育を、職業を、老齢を曳いていく。
街々
鐘楼の群れは、人々の想いを歌い、骨で築いた城からは、聞いたこともない楽の音が洩れる。
ランボオは金属や宝石が好き。
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現代文、古文ともに、国語の授業の成績だけは良かった学生時代。が、詩だけは、全く分かりませんでした。
ほんの数冊、詩集や詩について書かれたものを読んでみましたが、やっぱりよく分かりません。その時は分かった気になるけど、何を理解したつもりになったのかすら、すぐに忘れてしまいます。
そんな私でも、ランボオのAube(黎明、または夜明け)を、美しいと感じ、最終行にたどり着くまでの21列を、1段ずつ降りながら、ゆっくりとその世界に浸るのでした。
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ひたすら凄いとしか言いようがないんだけど。
翻訳家の小林秀雄も凄い。
何たるボキャブラリー。
そもそも文学なんて 学生が読むものなんだから、何でも厨二病で片付けるのはどうかと思うよ。
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一読して、煌びやかな言葉ばかりで、イメージし辛いな、と思った。
最後の訳者後記まで読み終わってから、もう一度『地獄の季節』を読み返したら、今度はすっと受け入れることが出来た。
多分、度々読まないと、もっと深く文意を汲めないような気がする。
それはそうと、棕櫚と金剛石の比率が多いような気がするので、形態素解析してみたいと思った。
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早熟の天才ランボー。10代のうちに早くも筆を置き、武器商人へと転身し多くの謎を残して逝ってしまった。
彼の代表作である本書は今も血が通っているようで生々しく多くの人を惹きつけます。
詩人の中でも著しく才能のあった人物です。
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まるで、走馬灯の中に佇んでいるような感覚だ。その激しい流れの中で、様々な感情、情景、景色が躍っている。それは、一種の夢の世界か。いや、いってみればそれは狂乱だ。しかも、決してそれに惑わされている様子はない。幽かに見える芯は、とても閑静としている。その源はなんだろうか。激しい感受性の暴発の中で、静かに時間の中を泳いでいる、もう一人のランボーが居るようでならない。それは、静かにニヒルな微笑みを浮かべ、言葉を紡ぎ続けている。
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16歳にして天才。
第一級の詩を生み出した
ランボオに敬礼。
こうして春はむごたらしい痴呆の笑いをもたらした。
記号としての、ハードとしての、ことば。
美しく純粋であるが重々残酷な、ことば。
この青年の、ゆえに青年しか感じえぬ、
点滅。
冷たいスクリューのように心を抉る。
死を手に入れる事だ、お前の欲念、利己心、七大罪のすべてを抱えて。
もちろん小林秀雄の訳のおかげでわれわれに伝わるわけだが。
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こんなにも大きく豊かな広がりがあって、強く重く濃い作品をも、ひとは詩と呼ぶのだろうか。より適切な表現は何かないものだろうか・・・とランボーの詩に触れるたびに考えていた私にとって、この岩波書店の文庫は表紙からすばらしい。
「ヴェルレーヌが『非凡な心理的自伝』と評した散文詩」という(私にとっては)衝撃的&心底納得する事実や、その他ランボーに関する大まかな情報が、表紙を使って的確に紹介されているのである。
『非凡』であることは分かりきっていたけど、なるほど、『心理的自伝』とはさすがヴェルレーヌ氏。ものすごくしっくりくる表現である。
そして『非凡な心理的自伝』は、ランボーが、選び抜いた言葉をもっとも魅力的に組み合わせて、ランボーのみが持つ「地獄の季節」という世界を描き切ったものであるが、それを小林秀雄が用いる日本語で置き換えてあるからこそ、なおさら、私を惹きつけてやまない作品となっている。
天才と天才の相乗作用は、計り知れないものがある。
ランボーに強く惹かれているときは、原文を理解できない自分が残念に思えたりもするのだが、ランボー作・小林秀雄訳という形を読めるということには、大変な幸せを感じる。
といっても、どのみち理解できたとはいい難い。
もちろん原文のままでは話にならず、小林秀雄氏の力は先に述べたとおり、充分すぎるほど充分なのだが、それでも熱中して読んでいると理解できない、というより、理解する気にならない、という感覚に陥る。
おそらくランボーの言葉たちは、私の理性にはまったく働かず、感性や本能といった部分を直撃してくるのだろう。
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ランボオは120年前くらいにこんなこと言ってる。”ところで暮らせるものだけは、決して手に入るまい、僕は静かに生きも静かに死にもしまい、これほど確かな事はありますまい。””要するに、回教徒が言う「世の定め」だ。これが人生です。人生は茶番ではない。”言い切ったね。問題ない。そのとおり。そっから。人って歩き出す。カッコいい。
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たかだか16,7歳の「ガキ」にこんな詩を書かれたら、もはやそんじょそこらの詩人はお手上げだろう。ヴェルレーヌをも魅了したランボオのこの一節は、ヌーベルヴァーグの旗手ゴダールの「気狂いピエロ」にも出てくるが、あまりにも強烈だ。
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散文詩集「地獄の季節」「飾画(イリュミナシオン)」の
カップリング。
大学生のとき、通学電車の中で貪り読んだのを思い出す。
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二十歳の夏、海外を旅している時に『二十歳のエチュード』を読んだ。日本で読んだときは意味不明だったが、滞在先の180度異なる文化の間で疲弊していた自分にとってどこか胸を打つものがあった。それでもほとんど意味は分からなかったのだけれども。
原口統三 二十歳のエチュード
一切の芸術を捨てた後に、僕に残された仕事は、人生そのものを芸術とすること、だった―旧満州(新京・大連)に育ち、昭和19年、第一高等学校文科丙類に進んだ原口は、ランボーに憧れ、詩の世界を希求し、自己の内面をノートに書き綴った。昭和21年逗子海岸にて入水自殺、享年19歳。(アマゾンより)
そんな原口統三が最も影響を受けたのがランボーであり、地獄の季節であった。
あらすじ
16歳にして第一級の詩をうみだし、数年のうちに他の文学者の一生にも比すべき文学的燃焼をなしとげて彗星のごとく消え去った詩人ランボオ(1854‐91)。ヴェルレーヌが「非凡な心理的自伝」と評した散文詩『地獄の季節』は彼が文学にたたきつけた絶縁状であり、若き天才の圧縮された文学的生涯のすべてがここに結晶している。(アマゾンより)
ランボーを読んでみた正直な感想として、よくわからんかった。
原文で読んでいないためか、または詩的センスがないためか、読み手である自分の環境のせいか。
いろいろ理由はありそうだけれども、とにかくランボーの問題意識や感覚にどんどんと置いてけぼりにされていくような気がした。
なので内容に関する説明は割愛。
何が書かれているのかほとんど理解できなかったので、途中から声に出して読んでみることにしてみた。そうすると幾分かは頭に入ってくるようになった。
詩は理解するものではなく、感じるものである。と開き直り、印象に残った箇所を抜粋。
「科学。新貴族。進歩。世界は進む。なぜ逆戻りはいけないのだろう」
「強気にしろ、弱気にしろ、貴様がそうしている、それが貴様の強みじゃないか」
「まあいい、思いつく限りの仮面はかぶってやる」
「恋愛というものは、承知だろうが、でっち上げるものなんだ」
「ああ、遂に、幸福だ、理智だ、俺は天から青空を取り除いた。青空などは暗いのだ」
「俺の精神よ、気をつけろ。過激な救いにくみするな、鍛錬を積む事だ」