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紙の本
小林秀雄訳ということで
2015/08/19 13:52
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:道 - この投稿者のレビュー一覧を見る
僕はこの本を読む前に、小林秀雄の「人生について」という本を読んでいた。そこに「中原中也の思い出」という短いエッセイがあった。それを見て確かランボオはどちらも訳していたということをおぼろげに思い出した。そうしてこの本を手に取った次第だ。読み進めるうちにだんだんとランボオの世界に入っていた。それと同時に無邪気に詩を書くランボオの姿が浮かんだ。僕は基本的に夏目漱石など小説しか読まないが、たまには詩を味わうのもいいなと感じた。この本を購入すると同時に中也の訳したランボオの詩集も買った。これはまだちらっとしか読んでいないが、併せて読むと面白うと思う。二人ともいい意味で対照的な訳し方をしている。
紙の本
訣別。それから……
2004/06/08 23:54
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:すなねずみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「私が何を言つてるのかつて? 言葉なんぞはふつ飛んぢまへだ!」(ランボオ『飾画篇(イリュミナシオン)』「幸福」より/中原中也の翻訳)
散文的なものを身体が受けつけなくなるとき。
ストレスの塊とでも言われるようなものが充満していて、それを発散すれば済む、というようなことではないとき。
つながっているものは、連鎖しているものは、「意味」ではない。
「つながり」が、クリスマスツリーの電飾のように閃き現われるときに感ずる至福は、散文的なものではない。たぶん。きっと。おそらく。きっと。
人が(真に)幸福を感じるものが、「真実」と呼ばれるものであるならば、たとえ「汚れつちまつた悲しみ」に唯歌うしかないにせよ、生きる。たぶん、できるなら、正面切って、永遠を信じて。
「ところでだ、----やれ、やれ、可愛い、哀れな魂よ、俺たちには永遠はまだ失われてはいないのだろうか。」(ランボオ『地獄の季節』「光」より/小林秀雄の翻訳=本書)
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「どうやら希望は日の光に似てゐる 言はばどちらも明るさだ 一つは荒んだ心の聖い夢となり 一つは泥水に金の光を浮べてくれる」(ヴェルレーヌ「倫敦ブリッヂ」より/堀口大學『月下の一群』)
中原中也はその「ランボオ詩集」の後記で、ランボオをヴェルレーヌと引き比べながら、こう記している。
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昔、『含羞(はじらい)』という漫画を読んだ。中原中也と小林秀雄の関係を、長谷川泰子という女性を絡めて描いたスタイリッシュな感じの漫画だったと記憶している。そのなかに、中原中也がランボオの天才に畏怖と嫉妬を表出する場面があった。たしか、ランボオの写真を見て「十六歳の子どもが、なんて眼をしてやがるんだ」と呟きながら。
中原中也の天才を前にして(映画『アマデウス』におけるサリエリとは違って……蛇足?)詩を諦めた小林秀雄は、日本を代表する批評家となり、その言葉は今も尚この世界に深く息づく。
『地獄の季節』を評して、ヴェルレーヌは「非凡な心理的自伝」と言い、小林は「文学への絶縁状」と言う。わずか十六歳にして第一級の詩を生み、二十歳にして筆を折ったランボオの生き様に対する小林秀雄の屈折した思いが、その訳詩に、言葉の一つ一つに異様なまでの迫力を与えているように思う。
あたかも粉々に破砕した鏡(=言葉)のうえを素足で歩かされているような、激烈な痛みを感じる。
「お前の指先が太鼓を一弾きすれば、音という音が放たれ、新しい諧調は始まる」(ランボオ『飾画篇(イリュミナシオン)』「ある理性に」より/小林秀雄の翻訳=本書)
「小林ランボオ」と評されるほど嘗て若者たちに絶大な影響を与えた本書を読んで、もし心に突き刺さるものを感じたならば、次には小林秀雄の『Xへの手紙・私小説論』を読んでみることを勧める。なかんずく「Xへの手紙」と「様々なる意匠」を。
「人々はめいめい心の奥底に、多かれ少かれ自分の言動を映し出す姿見を一枚もっている」(小林秀雄「Xへの手紙」より)。
紙の本
ポケットに入れて持ち歩きたい
2001/06/23 13:46
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:花梨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
フランス文学にも詩にも詳しくないけれど、ランボーは気になる。とても美しいフレーズがたくさんあって、ポケットに入れて持ち歩きたくなる。映画でレオナルド・ディカプリオが演じていたけど、夭折というのもロマンティックだ。晩年は詩に興味を失い、賛美者をすべて跳ね除けたという。こんなミーハーな読者は相手にされないだろう。でも良いものは良いということはわかる。これは素晴らしい本だ。
紙の本
小林秀雄の名訳
2021/03/07 19:18
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:帛門臣昂 - この投稿者のレビュー一覧を見る
小林秀雄が若い頃に心酔し、卒業論文の題材にまでした、アルチュール・ランボー。小林秀雄ほどの熱量がなければ、これほどまでの名訳を生み出すことはできなかっただろう。ランボーは小林秀雄の訳で読むべきだ。
散文詩の形式で歌われる「地獄の季節」において、彼が高らかに宣言した文学との絶縁は大変興味深い。
紙の本
永遠の反抗
2001/03/01 22:48
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投稿者:55555 - この投稿者のレビュー一覧を見る
十六歳にして詩の境地へと達したランボー(フランス1854−91)の詩集。
象徴主義だけあり意味を把握するのは容易ではないがランボーを感じた。永遠の青春。永遠の反抗。しかし、ランボーは筆を折り、詩を断念する。
大江健三郎氏の『取り替え子 チェンジリング』では若いころに大江氏と伊丹氏が見ていたと書いてありました。
紙の本
全てを込める
2017/09/21 14:06
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
短くも鮮烈な人生が、残された詩から伝わってきました。今の時代の多くの文学者に影響を与えていることを感じました。
紙の本
ランボー再読
2021/05/27 17:08
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ミチ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ランボオ詩集で昔の漢字が多く途中で読むのをやめてしまったので、こちらを読みました。ランボーはやっぱり少し難しいです。また読みたい。