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投稿者:ケロン - この投稿者のレビュー一覧を見る
最初から犯人はわかっているのですが、これはミステリというのかしら?
主人公が最後に選んだものに戦慄するといえばそうか。
思っていたより普通
2021/03/24 13:48
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投稿者:MIKA - この投稿者のレビュー一覧を見る
帯の煽り文句や冒頭の三行で、あーこれ絶対面白いやつ!と期待して購入。
したのだけれど、案外普通だった。
いわゆる犯人当てではないし、トリックを駆使するタイプのミステリでもなければ探偵がいるわけでもない。
ならばサスペンスか?というほどのスリルもなく。
ギリギリの線で退屈とまあもう少し読んだら面白くなるかもの所を行ったり来たり。
登場人物の心理に重点を置いたにしては、掘り下げが浅くて薄っぺらい。
うーん。
思っていたより普通だったな。
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一文が短くテンポ良く話が進められる。
ファンタジー?う〜ん、別世界。生活感をもっと知りたかった。 #ナイジェリア・ラゴス
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ミステリ、サスペンスとしての面白さもさることながら、簡潔でリズミカルな文体がとても良い。以前ノリウッド映画で垣間見たラゴスの街や邸宅、快活な女性たちがまとうカラフルな衣装を思い浮かべながら読んだ。ぜひ映画化してほしい。
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や、これは新感覚。
ナイジェリアの女性作家だが、英国の大学卒の方。
舞台がナイジェリア最大の都市ラゴスだが、植民地としてのアフリカ感がなく、空想上の都市のよう。
まず妹がぶっ飛んだ性格破綻者として登場しどぎもを抜かれるが、堅物と思われた姉のクールな語り口から次第にバックグラウンドが明らかになると、まるっきりのおもしろいミステリーでないことがわかってきて、
確かにブッカー賞候補作品だと納得。
200ページほどの中篇で読みやすく、変わった感じの小説を読んだ気持ちになって楽しめた。
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ナイジェリア出身の作家が、自国を舞台に描いたスリラー作品。付き合った男を次々に殺す妹と、その後始末を続ける姉が主人公である。アフリカという事情もあるのだろうか、ちょっと信じられないくらい緩い。ミステリーとして読むとイライラするかもしれないが、普通の小説(?)としてはそこそこ興味深く読んだ。翻訳ものにしてはセンテンスも短く、小刻みに章が変わるのであっさりと読み終わった。
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姉というのは難儀なものである。そして、こういう法則は洋の東西を問わないらしい。舞台はナイジェリアの首都ラゴスである。
タイトルと装丁のポップさにフラフラと手に取ったが、ポケミスなんて何年ぶりだろう。2段組とはいえ200ページ弱の作品だし、短い章立てでテンポよく話が進むので、読むのが遅いわたしでも3日間ほどで読了。
読み始めたときには、シリアルキラーの妹だなんて、どんなサイコさんだろうと恐る恐るページをめくったが、彼女、美人でスタイルもよくて自己プロデュース能力にも長けてる、今時のイケてる女の子なのだ。地味で几帳面な姉に言わせるとだらしなくて大雑把で、と文句は延々と出て来るのだが、そうは言っても妹のことは放っておけない。なんてったって、妹の犯罪をきれいに始末して(それには看護師としての知識と技術はフル動員される)完全犯罪に仕立ててしまうのだから。でも、どうして妹のアヨオラは、いつも彼を殺してしまうの?
やっと3人目の始末をしたばかりというのに、アヨオラはなんと姉が絶賛片想い中の彼を夢中にさせてしまう。いや待って、二重の意味で阻止したい。このままでは彼はアヨオラとくっつき、あの世へGo!
この、姉の気を知ってか知らずか妹と母親の能天気さに読者は姉共々呆れるのだが、なーんかあるなと引っ掛かってくるのだ。
そんなお話の中に少しずつ紛れ込むのが、彼女らの亡き父との思い出。とんでもないDV男の犠牲になってきた過去が彼女たちに影を落としていることに薄々感づいてくる。
でも、はっきりと原因と結果が示されるわけではなく、読者の想像に委ねる部分がかなり多いのが読者冥利に尽きる。
描きたいのはなぜこんな殺人鬼が生まれたかとか、どうして男たちは殺されたかではない(ぼんやりとは分かる)。事件を通してこの凸凹姉妹がどんな絆で結ばれているのかを感じていく作品なのだ。注意深く見ていくと、二人がお互いにどう言っていたかを他人がわざわざご注進してくるのに気付く。いわばミスリードというところなのだろうが、そんなことで姉妹の仲は揺らがないのですよ。クライマックスで立場が逆転するところがとってもよかった。
巻き込まれ型のバディものでもあり、(本物の)シスターフッドものでもあります。どこが舞台でも成立するお話ではあるけれども、それだけに敷居がめちゃくちゃ低い。時折入り込むエキゾチックさが素敵な刺激となります。そして、姉としては妹に「元気?」とメールしたくなります。めちゃオススメ!
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タイトルだけ見れば猟奇的なものを想像するけれどそれだけではなくて、ブラックユーモアのような雰囲気もあって面白い。妹が殺人を犯し姉に助けを求める。そうしてやってきた二人の繋がりと姉の苦しみ。それが抑えた文章で描かれていてこれまであまり読んだことのない作品になっている。
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狂っているものをブラックユーモアで軽やかに描くのがなんか面白かった。
妹が恋人を次々殺してしまう。妹を守るために姉が死体を始末する。おかしいのはどちらなのか。いや両方か。
「命を始末するよりも死体を始末するほうが、うんと手間がかかる。」
なるほど。
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『ねえ、コレデ、殺しちゃった。と言ってアヨオラはわたしを呼び出す。
そんなセリフ、二度と聞きたくなかったのに。』 (9頁上段)
今年一番げらげら笑った小説が、これだ。
『マイ・シスター、シリアルキラー』
タイトルがすべてを表している。
帯はちゃんと補足する。
『妹が、また殺してしまった。』
妹の名はアヨオラ。
『わたしなんて小さくて、まつ毛が長くて、バラ色のぷっくり唇をして、まるで人形みたいなものよね。』(13頁上段)
そう自分で述べるのだが、実際、そのとおりの美貌でいる。
母も姉も皆がそれを認める。皆が目を奪われる。
姉がさらに付け加えるならば『実用的な下着を身につけようという気がまったくない』スタイルでもある。
そして、シリアルキラー。
姉の名はコレデ。物語の語り手である。
『ゴリラみたいな唇、ほかの部分がぜんぶかすんでしまうような目が際立っ』た容姿をして(52頁下段)、化粧はしない派、体格はかなり大きく、性格は真面目でしっかり者、そしてきれい好きだ。
その資質は、もちろん看護師という職に向いているだろうし、妹の尻拭いをするのにも最適だ。
『怒ってなんかいない。しいていうならうんざりしている。額から汗が床に滴り落ち、青いスポンジで拭き取った。』(10頁)
計画をたて、それを実行し、死体をきっちりと始末するたしかな能力がある。
『彼(=死体)がひとりぼっちにならないことだけはたしかだ。』(11頁上段)
コレデのこの冷静な語り口にまじる皮肉とユーモアがたまらない。
私はしょっちゅう吹き出しては笑い転げる。
考えてみれば、妹がシリアルキラーだなんて、それだけでブラックユーモアではないか!
作者オインカン・ブレイスウェイトはナイジェリア生まれ。
英国キングストン大学に学んだ、作家、詩人、グラフィックデザイナーである。
ちなみに女性だ。
アヨオラ、コレデなど、耳慣れない名前ばかりなのも当然、舞台はナイジェリア、ラゴスである。
話にはナイジェリアの暮らし、食べ物、服装、暑さなどがうかがえて、それも興味深い読みどころとなる。
今年1番笑い転げたといって、はじめから終わりまで笑いっぱなしというわけではない。
コレデの語る物語は、読む身に様々な感覚、感情を呼び起こさせる。
自分に照らし合わせて、涙する人もいることだろう。
そう、この物語は色んなジャンルで呼ぶことができるのだ。
犯罪小説、ブラックコメディ、仕事小説、恋愛小説、家族小説、姉妹小説、etc.etc.etc....
くわえて、私にはファンタジーともいえる。
姉も妹もない私にとって、この物語は、どこか別世界の話なのだ。
姉がいる人、妹がいる人は、どんな読み方をするのだろう?
男性ならばまた違う読み方をするにちがいない。
それを聞いてみたい。
よって、この『マイ・シスター、シリアルキラー』は、読書会の課題図書としても、強くおすすめできる。
ひとりで、あるいは大勢で、ぜひお読みいただきたい。
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平凡な姉の想い人が美しい妹に奪われるというよくある設定に、シリアルキラーだという突拍子もない要素が加わって、果たして結末はどうなるのかという興味で読者を引っ張っていき、尻拭い役の姉がドタバタしながらも事態は一応の決着をみるのだが、ジタバタするのを止めることにした姉が妹の悪癖にどう付き合っていくのかという続編(無さそうですが)というか、殺人鬼デクスターばりにTVドラマ化したら面白くなりそうな予感が…
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真面目な姉と奔放な妹の絆と葛藤、家族の闇、薄っぺらい人びと、重めのテーマだが短く簡潔でポップな文体で淡々を進められるストーリーテリングが新しい。どうしょうもない状況なのになんだか明るいところがアフリカらしいのだろうか。
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ナイジェリア発新人女性作家によるデビュー・ヒットということである。ロンドンとナイジェリアの大都市ラゴス島を往来する若き女流作家(1988年生)のこれまでの人生がどのようなものかはわからないが、英国へ留学し、キングストン大学の学位を取得している上流育ち。写真は可愛らしくお洒落なイメージ。
まずはアフリカ発ミステリーというだけでも珍しいし、数々のミステリー賞を獲得したという、本作の煽情的なタイトルも話題性豊かで目立つだろう。ちなみに本書は、二百ページに満たない短めの小説である。内容は細かく区切られた章立てによる、場面転換の豊富な、とても読みやすく興味深い作品であった。
三人以上の殺人で「連続殺人鬼=シリアルキラー」の称号は得られるのだそうである。我らがヒロインは、殺人者の姉コレデ。彼女の愛する妹アヨオラこそが、殺人者である。アヨオラは三人目の彼氏をナイフで刺し殺してしまったことで、ついにシリアルキラーとなったのである。コレデは、愛する妹のために率先して死体を始末し、部屋の証拠を片付け、妹を救うべく奔走し、隠蔽する。
コレデの仕事は看護婦。その職場でのエピソードが現在時制で、ストーリーの軸となりながら、凶器のような存在でありながら美貌を誇る妹アヨオラとの共存生活を描いてゆく。殺人鬼の妹が姉の生活に割り込んでくることで、姉は様々なトラブルに巻き込まれることになる。病院も自宅もスリリングな場面でいっぱい、ということに。
この通り、基本プロットはとってもブラックなのだけれど、実は明るく、元気で、デリケートで、読みやすい家族小説とも言えてしまう。今は亡くなっているらしい父親の隠されたストーリーを背後に思わせぶりに秘めつつも、比較的無頓着な母親と姉妹という女三人、彼女らの暮らしにアヨオラが引っ張り込んでくる犠牲者たち、という構図が、何とも言えないスリルを生み出す。
異常な事態を描いた状況小説、という読み方もできるし、人種や生活格差など様々な社会問題を孕んだ、ラゴスというアフリカの大都市を風刺する小説という側面も持っている。さらに家族と青春を描いた前向きな自立小説と言った側面も多分にある。どこを取ってもエネルギッシュな生命力に満ちているが、墓の中を覗くような怖さもつき纏う。
恐怖とスリルをまぶしたシリアルキラーという異常を軸に、クライム小説としての切り口も添えて、読者の前に出される極彩色の民族料理。よく掻き混ぜて口にしてみると、様々な新しい味わいが得られる珍味食材。馴染みのないこの発見の喜びは、少なくともどなたにも感じ取って頂けることと思う。
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意外に小さい本ということにまずビックリ。
お話自体はテンポ良く、読みやすかったです。長女同士感情移入できるかな..と思ったけど、全然そんなことはありませんでした。あんな妹いらん笑 でも魅力的なことはよく伝わりました。人物の見た目の描写はすごく良くて、しっかり想像できました。
主人公が日本的だなと感じ、周りにイラッとするだろうなってこととか、そんなところは共感しました。
多分アフリカの作家さんの本は初めてです。周囲の描写が新鮮でした。
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各章が短いのですぐ読める。内容は凄いのに何故か突き放した様な雰囲気がドライで良い。コレデはずっと妹を庇い続けるのかと考えると着地がイマイチの気がした。