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投稿者:iha - この投稿者のレビュー一覧を見る
千葉県にある総合病院にて未知のウイルスによる感染が発生。感染拡大を防ぐべく、病院内外の人びとが奮闘するパンデミック物です。主人公の利根川由紀は未だ大学院生。そんな彼女が感染症や疫学の専門家を向こうに回して八面六臂の大活躍するのは少々リアリティを欠いているのではないかと思いましたが、終始ジェットコースターのような緊迫感が伝わる展開の連続に最後まで楽しく読めました。
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1月27日新着図書:東邦大学卒業生の北里紗月氏が著した小説です。未知のウイルスに対する医師たちの死闘を描いた物語で、今のコロナウイルスに影響を受けた医療状況にも通ずるところがあるかもしれません。習志野メディアセンターでは北里氏の著作を他2冊もっています(「さようなら、お母さん」「清らかな、世界の果てで」)。皆さんの先輩の力作、是非ご覧ください。
タイトル:連鎖感染 chain infection
請求記号:910.26:Ki
URL:https://mylibrary.toho-u.ac.jp/webopac/BB28178324
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今読んで欲しい。
作者の経験や知識からかなり具体的に伝わってきた。
フィクションとはいえ、今、多くのひとに読んで考えて欲しいと思う。
外野はなんとでも言える。
中にいる人のことを考えて欲しい。
自分が良ければいいのでは、子供すぎないか?
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恐るべき感染症の恐怖を描いた医療サスペンスミステリ。
突如として発症した謎の患者たち。前例のない症状で苦しみ命を落としてしまう彼らを蝕んだ病の正体は、普通ではありえない感染症によるもの。これはバイオテロなのか、そしていったい何が起こっているのか。何もわからないままひたすらに患者の治療に努めながら、しかし自らも感染し倒れていく医療従事者たち。なんだかもういろいろ現実にも重ね合わせてしまって恐ろしいです。
圧倒的に絶望しか感じられない中、それでもその正体を突き止め解決しようとする利根川由紀。彼女の豪放磊落なキャラにはほっとさせられました。とぼけたキャラの門倉も魅力的。もちろん真摯に頑張る人たちが素敵なのは当たり前なのだけれど、あまりに思い詰めて悲愴なので、そういう人ばかりだと読むのがつらいんですよね。ある意味能天気に思える人たちの明るさに救われる部分があります。
この感染症を生み出した「犯人」がいるわけですが。ぞっとさせられたのが、彼らが決して「悪魔」などではなく人間だったこと。良心も何もまるでないような人間ではないはずだったのに、それでもこんなことをしでかしてしまう。完全な悪意ばかりではないところが、何ともいえず恐ろしくも悲しくもありました。
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勿論、生物学や細菌学の知見ゼロなので、科学的根拠がどこまで正しいとかはわかりません。コロナ禍でタイムリーな発刊で、生物兵器や感染の恐ろしさと科学者の良心を考えさせられる。といっても小説ならではの手法で謎解きミステリー的な要素と由紀のような特異キャラクタを配してエンタメ的な要素も混在させて、最後まで考えながらも楽しめる一冊になっている。このまま十分映画化できるなあと思うほど、映像が思い浮かぶ表現力も特筆ものです。
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一気に読みました。やっぱり由紀が出てくると魅力が増しますね。小粒かもしれないけど、この閉じた世界を楽しみました。
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事実は小説より奇なりというより、あまりにひどい現実。コロナ禍での政府や関係者の対応は、笑ってしまったこの小説の登場人物よりマンガ的!文章が雑でクライマックスも乱暴、生物学愛もしつこすぎるが、先が楽しみ。
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コロナ禍の今だからこそ、怖さをより感じることができた。
生物学やウイルスについて、難しい部分も多々あったが、それでも面白く読み進める事ができた。
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105刻にかなった作品だが、背景の解説や展開が雑すぎる。感染や生物兵器の怖さは伝わったけど小説としてのストーリーはもう少し練る必要があるかも。
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感染症というタイムリーな内容に興味を持って手に取りました。
エンタメ感が強めのミステリーで、原因を追っていく過程がテンポ良く面白かった。
科学技術は使う人間の良心に委ねられる
という、ヒトの心の脆さ危うさを考えさせられたお話でした。
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コロナ禍の現在に読むと作り物としてとらえられなく、切実な身近な問題に思えて心が痛んだ。人為的に引き起こされたバイオテロは人の命をもてあそび許しがたい。後半は激しい怒りがずっと胸に渦巻いていた。由紀の研究者魂でどうにか解決となったが茶番劇でやっつけ感が否めなかった。
世の中そんなに甘くないって何度も思ってしまった。
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千葉の総合病院で、胃腸をやられ、脱水症状になった後、脳炎になるという患者の症状が次々と感染していく。これは、バイオテロなのか!?
由紀という大学院生がスーパーヒーロー的な活躍をする。人柄も常人を越えてる感じで、あんまり可愛くないねえ。なんかこの人だけ浮いてる感じもしなくはない。
ネタバレしてしまうが、コレラとベネズエラ馬脳炎を人工的に合わせた細菌兵器なのだ。コレラは水分をしっかり与え、適切な処置をすれば治るそうだが、うっかり抗生物質を投与するとベネズエラ馬脳炎を発症するという新細菌で、由紀はそれを見破った上に、脳炎をやっつける乳酸菌まで作っちゃうという超人ぶりなのだ。
物語自体は、結構緊迫感があり、犠牲者が何人も出てしまうのが悲しい。解決の方は、上手くいきすぎかな。
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2019年、9月。千葉県にある神宮総合病院では重症患者が次々と運び込まれた。共通するのは、脱水症状を伴う激しい腹痛。抗生物質を投与し、落ち着きを取り戻したかと思った後に突然高熱を発し、命を落とすという悲惨な結末もまた同じだった……。これは人為的な病気=バイオテロなのか。未知のウィルスに対し、援軍も知見もないまま孤立した病院内で医師達の決死の治療が始まる。
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バイオテロ、なんと恐ろしい響きだろう。しかも本作では、いつどこで感染させられたかも判らない菌が使われている。なおさら空恐ろしくなる。それが悪用されるかどうかは、科学者の良心によるというのだから、庶民は信じることしかできないということである。なんとも心もとない。コロナ禍の現在では、医療従事者の方々のご苦労は、数々目にする機会があるが、本作でも、最初の患者が運び込まれ、いままでにない感染症だとわかり、さらにはテロだと判明しても、院内の医療従事者たちのリアリティに富んだプロフェッショナルぶりに頭が下がる。ともすればパニックになりそうな心を抑え、患者と向き合う姿には、尊敬と感謝しかない。そんな緊迫した中で、部外者と言ってもいい大学院生の利根川由紀の、優秀だが、奔放な振る舞いに、ちょっぴりほっとさせられる。誰もが自分のできることを目いっぱい行い、命を助けるというただひとつのことに向かっている姿に感銘を受ける。由紀の活躍によって、テロの真相が解明され、有効な治療薬が超高速で生み出されたが、さまざまなプロの仕事と連携が不可欠で、自分の仕事をきっちりする人たちの格好良さに感動した。これからの戦争の在りようを垣間見た気もして、身体が震える一冊でもあった。
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胃腸炎を発症後、高熱が出て数日で脳炎になり重症化する患者が続出し、原因と治療法を模索する医師たちの物語だが、各医師のキャラクターが独特なことが面白かった.最初に対処したのが寺田省吾、微生物学者の島本真理亜、大学院生の利根川由紀らで、状況は悪化するばかり.さらに国立感染症研究所の斎藤龍太郎や阿部奏が加わり、感染症の専門家らと議論が続く.真理亜らの分析で、コレラ菌とペネズエラ馬脳炎ウイルスが検出された.バイオテロの宣言も出てスタッフが混乱する中で由紀が冷静な分析をした結果、アメリカで同様な事例があったこと判明し、アメリカへ飛ぶ由紀.関係者への追及で旧ソ連の生物兵器が原因であることが判明した.急遽帰国して特効薬の開発構想を立てる由紀、それを支援する専門家たち.その過程で黒幕が判明し、感性経路もつかめた.この件が最も楽しめた.補助員として支援した伏見直哉が、専門家らの行動を第三者的に見ていたのが面白かった.奮闘している連中に対して、国の対応は例によって不可解でことを隠蔽することに躍起になっている.これが現実なんだろうと思った.
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図書館の「本日、返却された本」という棚にあるのを見て借りる。
目に見えないものに対する恐怖ってたまらんなぁ。対策が何かあれば少しは落ち着くのかもしれないけれど、すぐにというわけにもいかないし……。