紙の本
ゆるい魅力。
2021/06/03 06:40
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投稿者:雨宮司 - この投稿者のレビュー一覧を見る
永井祐の第2歌集が発表された。数字にこだわった独自の歌風は変わっていない。ただ、(私がリズム重視の短歌を詠む人間だからそう感じるのかもしれないが)定型を逸脱した短歌がやや多いのは気になった。それも魅力のひとつではあるのだが、極めてから移ったという感じを受けないのは何故だろう? 値段分は楽しませてもらったが、個人的には疑問が残った。
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体当たり猫がしている 猫が体当たりしている 光の会話
あのときああでよかったなっていうような今だといいなと思うと思う
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少し難しい印象を受ける歌集。
とても有名な歌人さんなので少しこなれているような印象を受けるかもしれない。
自分にはまだ早い…かもしれない…。
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ぬるくてゆるくて軽くて。
でも、この常温、常態を保つにはものすごく胆力と覚悟がいるんだろうな、と感じた。
楽しくても辛くても鼻歌でちゃうんだよ、と云うひとにおすすめの歌集。
[流れ込むように電車にのるときに入り口付近にたまりたくなる]
[お賽銭箱に十円を入れてみて空気をつたわっていくいい音]
[冬のなか立体的に見えてくるきみとビスケットを選びたい]
[今年だな去年じゃなくて エレベーター気づいたときに十階に着く]
[1月が何回も来てほこりのようにかさなる友達のエピソード]
[年が明ける 配信サービスのせいでむしろあかるいTSUTAYAへ向かう]
[あらゆることがノーオフェンスでやってくる かがむと猫が近づいてくる]
[仕事にいく途中に柿の木があって実がなっているいつ見たときも]
[言わないと伝わらないということが不思議なような天井がつづく]
[カートリッジを替えたみたいに金髪がきれいになっている朝の人]
[翅があるのにはやく走っている虫はうけると思う 九月は熱い]
[その夜のラゾーナの三階からのながめはさびしかったから覚える]
[暗くしてパソコン画面を特別な四角だと思って映画見る]
[二百年生きるペースで生きていく 玄関に階段がある家]
[電車の中がなんだか変でうずくまった話をしっかり受けとめる]
歌集は一番最後から読む癖があるので、引用歌が本の後半に集中してます。
図書館で借りたのですが、手元に置きたい。
追記
あと、何となく、オダジョーの声で朗読してもらいたい…。