紙の本
知らず知らずに決めつけているかもしれない
2021/02/10 19:11
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:と - この投稿者のレビュー一覧を見る
私にとってはそんな自分に気付かせてくれる、そんな大切なマンガです。
男の子は子供な所があって、友達とはしゃいで危険なことをしてしまったり、鈍感だったり…息子を持つ母の困りごとだったりするのですが、本当は本人はやりたくないことだってあるのかもしれないと気付かされました。
人を傷つけたくないのに…こんな危険なことしたくないけど、やりたくないといったら弱虫扱いされるから、そんなノリから降りられないのかもしれない。
そんな男社会をよく知っているから夫も子どもに強さを求めるのかもしれない。
そう思ったら胸がきゅっとしました。この感覚を忘れないように何度も読み返したいです。
電子書籍
朝の父
2022/05/21 14:29
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nico - この投稿者のレビュー一覧を見る
今まで母・姉である実里の陰に隠れて語られてなかった朝の父親について触れられています。
今まで物語上、空気のような扱いでしたが、本当に空気だったとは・・・。
朝が「誰?」と言うのにはなんだかドキりとさせられますね。
今まで「大人」に対して知らない一面がある、と母の「母の顔」以外の表情だったり、大人の女子会などに面食らったような朝のワンシーンなどありましたが、父に対しては「父の顔」すらなかったのかもしれない朝の父像、いったいどんな人だったのか気になります。
紙の本
ココロが震えるシーンが多いような気がして、シリーズ内でも突出して好きな一冊に。
2023/11/04 15:27
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投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る
小説家の叔母・槇生と姪・朝の暮らし。物語は、主人公のふたりの枠を超え、いろいろな人間関係に広がってゆく。例えば、槇生の彼・笠町と、後見人がらみの弁護士・塔野の会話には、ステロタイプの中で苦しむ男たちの気持ちが描かれ、グッと心を掴まれた。
本作では、ささやかながら朝はやりたいこと、自分らしいこと=歌を歌う...を見つけ、そのことで少しずつ強くなる。
1巻に続き、本シリーズの中で、大好きな一冊。
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子どもも大人も窮屈な偏見や価値観に傷つき闘いながら生きている。大人になって自分で自分を守れるようになってもひょっこりそのころの自分が顔を出したり苦い想いをしながら。そのへんの難しさや生きづらさを『違国日記』はみせてくれる。それぞれ違国。それ認め合う。朝の歌う姿がかっこいい。
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東京五輪組織委員長の女性差別発言が物議を醸す昨今、タイムリーな7巻でした。
男女平等とは男の既得権益が損なわれることと思っている男性諸氏の皆さまにも、ぜひ読んでいただきたい。
女性が『女はこうあるべき』と言う呪いに縛られているのと同じくらい、実は男性も『男ならこうあるべき』と言う呪いにガチガチに縛られて自由な生き方が出来ずにいるということに、案外気付いていない人が多いように思います。
男社会の土俵を降りて、『人間』になった笠町くん、『キャラ』なんて気にしてたら自分の本当の気持ちがわからなくなるよと自らを振り返って言うもつ。
主人公、朝の周りの大人たちは魅力的な人が多くて、こういう大人たちに囲まれた10代を過ごしてみたかったな〜と羨ましいです。
不器用だけど真摯な槙生のセリフも、毎回胸に刺さります。
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ひらひらと舞い散る言葉を、落とさないように、丁寧に掬おうとする自分がいます。
言葉を掬うと、過去の自分、今の自分が、透けて見える気がします。
たくさんの後悔を思い出しながら、掬った言葉を口に放り込んでは、丁寧に生きよう、そう思います。
この漫画は、私にとっての解毒剤です。
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呪縛。女らしさ、男らしさ、母親像、父親像、自分のキャラ、あの子のキャラ、立ち位置、目立つとか、目立たないとか。自分を縛る理不尽に腹が立っても、しかし誰に怒っていいか、わからない。
「降りた」という笠町。教室で吠えた千世。朝は歌うことにする。自分のしたいときにだけ、したいことをする。人のためでなく、人がどう思うとも関係なく、誰かを変えるためではなく。それが、誰かの心に響くなら、誰かが覚えていてくれたなら、誰かを変えたなら。それはあくまで結果でしかなく。
自分の本当になりたいものは何だろう。世間や社会に求められている姿ではなく。朝のいう「なりたい自分になりたい」とは。朝は少しずつ、自分の姿を捉えようと考えを進めている。槇生から受け取る言葉、友人の何気ない言葉、聞けなかった母や父の言葉。槇生ちゃんはなりたい自分になれているのかな。100%なりたい自分ではないのかもしれない。諦めているのか、手放しているのか、制限しているのか、わからないけれど、満足しているようには見えない、でも足掻いているのを朝には見せないようにしている?
ゆっくりでいいから、自分のしたいことを、したい時にできるようになりたい。世界はいきなり変えられないけど、それで、自分は生きていけるように。もしそれが誰かに届いたらまたとない僥倖だけど、最初からそこは願わずに。
BUTTERにも誰かにやいやい言われることより、他人の評価を気にするより、自分の心のままに動こう、というメッセージがあったと思う。作者の伝えたいことが変奏曲となってここでも描かれているのかな。自分のために生きる人にエールを。
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・なんかあの人って誰?だったのかなって。
・より危ないことをしたやつが勝ち より女の子をモノ扱いできるやつが勝ち より楽をしていい目を見たやつが勝ち
・もう全世界から謝って欲しい この世はクソ
・はぇーーーキャラ‼︎ どーーでもよくなーーい‼︎?
・「なにを書くか」より「なにを書かないか」なんじゃない?
・するすると 大人になっていくな
・世界中で自分に関係のないことなんてない
さあーて。
今巻も珠玉の名言がてんこ盛りでしたぞ。
森元JOC会長の女性差別発言騒動もあり、医学部不正入試をここで持ってくるたぁイイね!を100回押したいくらい。
男も自分たちで決めつけている男らしさから降りたらもっと楽になれるんじゃないかな。下駄を履かせてもらって、2分の1の確率でたまたま持ち得ただけの性をもって女性を踏みつけて生き続けるのもしんどいでしょ?弱音も吐けない、先輩に腹バンされても部活をやめられない、男に二言はない、男たるもの……すべてが呪い。
というのを笠町くんは悟ったわけです。
そしたら「人間らしくなれた」
この笠町くんのエピソードと、朝の父親(存在感のない)の話と、医学部不正入試で絶望に心が折れてる女の子の話は、実はつながっているのだよ。
違国日記。
本当に内容が深いなぁ。
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自分でも気付かぬうちに開いていた心のきずに
そっと塗り薬を塗布してくれてるみたいな
どうしてこうも泣けるんでしょうかと思いながら
毎話読んでいます
出てくる言葉をもっと知りたくて
朝みたいに辞書で検索しながら
ゆっくり読んでいます
こんなに読み終わるのに時間をかける漫画は
違国日記だけだなあ
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フィフティ・ピープルが出てきたとTwitterで知り、一巻からまとめ読み。没入。蛹の中でモゴモゴしているような読後感。
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〉わたしの父はいったい「誰」だったのだろう
〉「男社会の洗礼」
〉おれはそこから降りる。もうその土俵には乗らないと決めたら急にいろんなことが楽になった。
〉「母の日記には真実だけが書いてあると思うか」と彼女はきっと答えないと知っていても訊きたかったがそうできなかった。
なんでもないことのように訊けばよかったができなかった。
〉でも生きている私にはどんなにくだらないことでも悩む権利があった。
〉わたしたちにはどんなにくだらないことでも生きている限り悩む権利があった。
〉たとえば10年後に誰かが
「そういや朝、コンコースのところで歌ったよね、あれいつだっけ?」
きっとそれだけでもわたしは世界を変えたのだ。
>「I witness you」
亡き母の日記を読み進めていく朝。
思春期らしい悩みと戦いながらも季節はめぐり、大人たちを置き去りにして成長していく、第7巻。
朝の周囲は皆、「世界」と戦っている。
男社会の洗礼だったり、受験の女性差別だったり、父の呪縛だったり、社会と関わることだったり。
朝もまだそうとは知らないまま両親の呪縛に囚われているが、今は自分の内面だけを見つめている。
ただ、朝のクラスメイトや部活の先輩など出てきて、少し描写される世界が広がったように見える。朝の視点が広がったのだろうか。
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読み進めていると、なぜかわからないうちにじわじわと泣きそうになった。でも別に泣くような話ではないはずなのに…と思って、自分でも不思議だった。
今までの巻とは違って、性別に関するネタがたくさん盛り込まれている?気がして、私はそれらを許さないと思っているけれど、そう表明してくれるキャラクターに何か少し救われたなと思った。
34話後半から胸がぎゅっとなって、そこから35話終わりまでの爽快感がすごくよかった。
一巻の帯に「人生の本棚に入れたい本」という言葉があったことを思い出した。
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「朝の父親」にまつわるエピソードがメインに関わってくる第7巻。これまであまりにも語られてこなかったので、すっかり存在すら失念していたけれど、いなかったわけではないし朝の成長に少なくない影響を及ぼした人であったはず。そこに目が向き始めたということは、朝がまた成長の一歩を踏み出しているということなんでしょうね。槙生の、姉や朝に対する感慨もわかります。このお話はどう着地を迎えるのかなぁ。
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キャラ…これ中高生あるあるだと思う!本当に厄介。キャラのせいでしたい事出来なかったし、出来たこともある。〇〇はいい子だから、頭いいから、運動神経悪いから、優しいから、怖いから、結局呪縛は自分で解くしかない…かな…?あの時の自分は出来なかったけれど
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あー刺さるー
随所でグサグサと刺さってくるー
この感覚が苦しくもあり楽しくもあるからどんどん読んじゃう
最近は朝が少しずつ大人になっていってるのを槙生ちゃんみたいな気持ちで見てる