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飛ばし読み
成功する社会実装4つの原則
①最終的なインパクトと、そこに至る道筋を示している
②想定されるリスクに対処している
③規則などのガバナンスを適切に変えている
④関係者のセンスメイキングを行っている
これにつきるのかな。
作品紹介・あらすじ----------------------------
今必要なのは、「社会の変え方」のイノベーションだ。
電気の社会実装の歴史から、国のコンタクトトレーシングアプリ、電子署名、遠隔医療、加古川市の見守りカメラ、マネーフォワード、Uber、Airbnbまで。
世に広がるテクノロジーとそうでないものは、何が違うのか。数々の事例と、ソーシャルセクターの実践から見出した「社会実装」を成功させる方法。
ロジックモデル、因果ループ図、アウトカムの測定、パブリックアフェアーズ、ソフトローなど、実践のためのツールも多数紹介!
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冒頭からハッとさせられる内容だった。
インパクト、つまり最終的なゴールについては常に思い起こすようにしたい。
「今の日本に必要なのは、注目されがちな『テクノロジー」のイノベーションではなく、むしろ『社会の変え方』のイノベーションではないか」
序文からエンジニアとして心に刻んでおきたい一言。
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新しいテクノロジーを「便利だから」で普及させようとしてもうまくいかない。テクノロジーによって変わる”未来”をどういう手順で実装していく必要があるのか。本書はスタートアップなどの話に留まるものではなかった。
企業内で仕組みを変えていきたいときも、新しいシステムへ変更していきたいといった場面でもそのまま同じようなことが必要になる。一般的な交渉術の本としても役に立つ一冊。
何かと衝突が目立つ世の中、協調して物事をいい方向へ変えていきたい。
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読み始めたところですが、面白い。
自分がいま1番関心があるところに正にミートしている。
社会的課題の解決にいかに貢献するか、ヒトや社会とともに取り組むか。
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テクノロジーなどのイノベーションの文脈でよく「社会実装する」と表現される。イノベーションがなかなか普及しないからこそ、こういう言い方をしなくてはならない事情もあるがどうもこの「社会実装」という言葉は日本特有らしいのだ。
生活の質がある程度良くて、不便さを特に感じていない、お年寄りばかりの国ならではの日本らしいトホホな話である。地方のお年寄りに「何か不便はないか?」とヒアリングしても「特にない」と返ってくる。都会から来た、あるいは先進国から来た人なら便利さとの差分に「不便さ」を感じられるが、徐々に自給自足に最適化してきた人々にとってはテレビやインターネットを観なければ、自分の生活を「できる範囲」に最適化するのが自分のためにも最善策となる。
本書は、BtoBの言葉に置き換えると「テクノロジーで生み出した商品・サービスのキャズムを超えて業界のデファクトスタンダードを取るための本」とも言える。
商品開発段階については馬田さんの前著「逆説のスタートアップ思考」と合わせて読むと良い。上述の「地方のお年寄りが自分たちの問題や課題を認識していない」問題への対処としては「Sense Making」というキーワードで説いている。「相手にとって意味を成す状態にする(社会実装するという文脈では、その人が自分の課題を認識しその解決策まで共有する)」という意味だが、馬田さんの新著「解像度を上げる」にきっと詳述されているのだろう(僕は未読)。ちなみにこの本棚で馬田さんの言う「Sense Making」に近い意味として田中宏和さんが提唱された「Communitying」でタグ付けしてる。
参考:「Marketing」、さようなら。「Communitying」、こんにちは。
https://note.com/tanakahirokaz/n/nb6e84839362e
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世の中に送り出したい商品やサービスがある起業家や新規事業担当者は読むべき本。気づいている人が少ない「不満」や「不便」をビジネスに転換するために、市民や自治体、政府までを巻き込んでマーケットを創出する方法が書いてある。
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言葉の持つ力を実際の事例を用いつつ、語られておりとても納得感があった。経営する身としては、常に言葉を探していたので、このような本と巡り会えたのはよかった。
実践的な言葉の作り方もあったので試してみたい。
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成熟社会において、新技術の導入により、不利益を被る人も多くなったり、相対的にメリットが小さくなったりしていて、昔に比べて社会実装が難しくなっている。行政や既存業界のルールへのアプローチで対比的なUberとAirbnb の事例が参考になった。社会実装が進まない一番の原因は市場にデマンドが無かった、これに尽きる、というのは確かに当然かもしれないが耳が痛すぎる。「社会課題の有無確認の上、インパクトを定め、ガバナンス形成して、リスクを緩和しながら目的地までの向かい方を規定し、ステークホルダーとセンスメイキングする。」
やはり新しい概念の社会実装を考える場合は、受け入れてもらうための「段取り力」が必須。個人の業務レベルでも段取り力については強い苦手意識があるので、これも刺さった。
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テクノロジーの社会実装に関する解像度が上がる
この本で一番学びになったフレーズ
”一般的に、新古典派経済学では、最も優れた技術や商品が広く受け入れられるとされます。ですが実際の経済ではそうしたことは起こっていません。そこで経路依存性という概念が登場します。経路依存性では、小さな出来事やスタート地点、偶然が結果に対して大きな影響を持ち、その積み重ねによってバランスの取れる点へと収束することが示唆されます。言い換えると、人や組織の決定は、過去の決定によって制約を受ける、ということです。”
これがあるから、新興国の方がテクノロジー的に優れていることが起きうるのだと思う。新しい国のGDPが急速に伸びる背景がここにあるような気がした。
本書自体は、日本の現状分析から実際に社会に導入していくまでを丁寧に書かれているので、実装レイヤーの解像度を上げたい人におすすめ
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かつてホワイトスペースだったスマートフォンやウェブの領域はすでに一部のグローバル企業によって寡占状態にあります。しかも寡占している企業群は、GAFAMなどの世界の時価総額ランキングでトップを走っている企業群です。数十年前まではスタートアップに適していたデジタル領域が、「少し前まではスタートアップと呼ばれていた大企業」による寡占やロビイング、競争環境を作らせないための早期の事業買収によって、むしろイノベーションが起こりづらくなっています。
馬田隆明. 未来を実装するテクノロジーで社会を変革する4つの原則 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.622-626). Kindle 版.
さらに電気モーターの場合、蒸気機関と違ってエネルギー消費量の多い機械を動力源の近くに置く必要もなくなりました。その結果、従来の蒸気エンジンを中心に考える工場と比べて、全く異なる配置の工場設計ができるようになりました。これによって「流れ作業方式」と呼ばれる大量生産のやり方が確立したのです。ヘンリー・フォードは「機械を作業順に置くことができるようになり、作業の効率が2倍になった」と述べています
馬田隆明. 未来を実装するテクノロジーで社会を変革する4つの原則 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.745-749). Kindle 版.
電気という技術の社会実装の取り組みの中で、「配置のしやすさ」「危険性の低さ」「明るさ」「遠くで作って配電できる便利さ」といった電気の秘めたるポテンシャルが徐々に見えてきました。そしてそのポテンシャルを最大限活かすには、工場の設計そのものを変えていかなければならなかったのです。電気という新たな技術に合わせて工場の統治(ガバナンス)の在り方を変えること、さらにこれまでと異なるビジネスモデル(大量生産など)へと変化を遂げることによって、電気の真価がようやく発揮されました。
馬田隆明. 未来を実装するテクノロジーで社会を変革する4つの原則 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.769-774). Kindle 版.
テクノロジーの社会実装とは、テクノロジーの力によって社会を変えようとする営みであると同時に、社会の仕組みを変えることによってテクノロジーが活用される社会を作り出す営みです。
馬田隆明. 未来を実装するテクノロジーで社会を変革する4つの原則 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.865-867). Kindle 版.
マット・リドレーは『繁栄(11)』の中で「人々の進歩は新たに生まれた時間によって測られる」と述べています。
馬田隆明. 未来を実装するテクノロジーで社会を変革する4つの原則 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.898-900). Kindle 版.
課題が少ないのは、単に理想に近づいたからだけではありません。さらなる理想を描きづらくなったのも、課題が少ない一つの要因です。
馬田隆明. 未来を実装するテクノロジーで社会を変革する4つの原則 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.931-932). Kindle 版.
たとえばエムペサが普及した当時のケニアでは、街へ出稼ぎに来ている人たちが多く、そうした人たちはまだ銀行口座を持っていませんでした。また出稼ぎであるがゆえに、街で稼いだお金を村の家族に送金するニーズもあったようです。しかし既存の銀行での新規口座開設の手続きが煩雑だったり、銀行間の送金手数料が高いといった課題がありました。一方、現金を持ち帰ろうとすると帰省の際に大金を持ち運ぶ必要がありますが、当時のケニアはまだ盗難のリスクが高く、大金を手で運ぶのは危険です。そんな中で携帯電話が普及し始め、モバイル決済はそうした様々な課題を解決するものとして劇的なスピードで受け入れられました。
馬田隆明. 未来を実装するテクノロジーで社会を変革する4つの原則 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.972-978). Kindle 版.
中国では銀行口座自動振替の仕組みが未普及で、光熱費や水道料金を毎月支払わなければならないといった面倒臭さがありました。それをモバイル決済による簡便な決済で解決できたことが普及の一つの要因だったと言われています(12)。その後、QRコードを使ったオフラインでのモバイル決済が普及し、モバイル決済を前提としたサイクルシェアなどの便利なサービスが次々に出現したことで、モバイル決済の地位は盤石となりました。
馬田隆明. 未来を実装するテクノロジーで社会を変革する4つの原則 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.978-983). Kindle 版.
一般的に、新古典派経済学では、最も優れた技術や商品が広く受け入れられるとされます。ですが実際の経済ではそうしたことは起こっていません。そこで経路依存性という概念が登場します。経路依存性では、小さな出来事やスタート地点、偶然が結果に対して大きな影響を持ち、その積み重ねによってバランスの取れる点へと収束することが示唆されます。言い換えると、人や組織の決定は、過去の決定によって制約を受ける、ということです。
馬田隆明. 未来を実装するテクノロジーで社会を変革する4つの原則 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.1043-1047). Kindle 版.
D×V×F>R
D、V、F、Rはそれぞれ、Dissatisfaction(不満)、Vision(ビジョン)、FirstStep(最初の一歩)、ResistancetoChange(変化への抵抗)の頭文字です。つまり変化が起こるためには、不満足とビジョン、そして最初の一歩の掛け算が、変化への抵抗を超えなければならない、というのがこのモデルです。
馬田隆明. 未来を実装するテクノロジーで社会を変革する4つの原則 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.1879-1882). Kindle 版.
理想となるインパクトが単なる夢物語ではないという点も重要です。そこに至るまでの現実的な道筋を見せることも、とても大切なステップです。インパクトを示すだけで、その解決策を提案できなければ、単に問題があることを示すだけになってしまいます。
馬田隆明. 未来を実装するテクノロジーで社会を変革する4つの原則 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.1968-1970). Kindle 版.
アウトプットによって起こる望ましい変化のことをアウトカムと呼びます。基本的にはアウトプットまではサービス提供者の視点、アウトカムはサービス受益者や社会の視点で語られます。
馬田隆明. 未来を実装するテクノロジーで社会を変革する4つの原則 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.2032-2033). Kindle 版.
多くの人の共感や合意を得られるインパクトを考えるうえで、実感を持ちやすく、わくわくするような未来を描くことも意識しましょう。
馬田隆明. 未来を実装するテクノロジーで社会を変革する4つの原則 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.2178-2179). Kindle 版.
インパクトを具体化する一つの手段として、時間制限や数字を付けるというものもあります。「すべての家のすべての机に1台のコンピュータを」というマイクロソフトの創業時のミッションはわかりやすく想像しやすい未来です。ケネディ大統領が1961年に述べた「1960年代が終わる前に、人類は月へ行く」という言葉も、具体的な時間制限がある、人をわくわくさせるようなインパクトの表現だと言えます。
馬田隆明. 未来を実装するテクノロジーで社会を変革する4つの原則 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.2193-2197). Kindle 版.
・Frequentlydiscussed頻繁に議論される
・Ambitious大志のある
・Specific特定する
・Transparent透明性がある
馬田隆明. 未来を実装するテクノロジーで社会を変革する4つの原則 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.2251-2254). Kindle 版.
マクロではそうした市場の変化を見たうえで、足元では短期的に市場で利益が出せる事業を行いました。短期の視点で言えば、リサーチするよりも実際のビジネスをしたほうが洞察が得られやすいからです。そして利益が出れば事業を長く続けることができます。なので、短期的に利益が上がりうるところで事業を始めて、事業をしながら業界に対する洞察を得て、徐々にあるべき社会やインパクトの解像度を上げていきました
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複雑性の高い市場に挑むためには、起業家の個人にどのような資質が求められるでしょうか?まずは物事を単純化して捉えず、複雑なものを複雑なままに見ることだと思います。そうすることで、本質的な課題を俯瞰的に捉えられるようになると思います。そしてこうした複雑性の高い市場は、事前にはどうなるかが読めないので、やりながら経験学習するような事業だと思っています。なので、経験から学べる起業家というのは重要だと思っています。
馬田隆明. 未来を実装するテクノロジーで社会を変革する4つの原則 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.2506-2510). Kindle 版.
たとえば、シェアリングエコノミーや空飛ぶ車などを考えてみましょう。こうした新興領域では、何かしらの事故が起こることは避けられません。しかし、どこかで大きな事故が起こってしまうと、新たな産業領域全体が世論によって潰されてしまうかもしれません。イノベーティブな領域は多くの場合、まだ小さく、社会からの反発があれば簡単に潰されてしまうので、なおさらそうしたリスクがあります。そこでそうした新興産業において、事故が起こりづらくなるような制度をうまく作り、それを事業者に強制すれば、大きな事故が起きないような仕組みを作ることができます。その産業領域を適切に守りつつ、健全に成長させるようにするのです。これも一つの制度の使い方です。
馬田隆明. 未来を実装するテクノロジーで社会を変革する4つの原則 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.3044-3050). Kindle 版.
では規制はどうでしょう。ビジネス活動は規制によって制約されるというイメージが強いのではないでしょうか。もちろんそうした面もありますが、逆に制度によってビジネスが拡大することもあります。
馬田隆明. 未来を実装するテクノロジーで社会を変革する4つの原則 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.3186-3188). Kindle 版.
日本にたぐいまれな技術力があるから、健康診断制度があるわけではありません。むしろそうした法制度があるから、つまり、そうしたガバナンスが行われているから、電子内視鏡のニーズがあり、技術力が発展してきたと捉えるほうが適切でしょう
馬田隆明. 未来を実装するテクノロジーで社会を変革する4つの原則 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.3219-3221). Kindle 版.
中古販売されたテスラの車から機能が削除されたという例もあります。最初に買った人がつけていた自動走行機能のソフトウェアオプションが、アップデート時になくなったのです。削除するだけではなく、逆に機能を追加することも可能です。2020年の秋に配布されたテスラの自動走行機能のバージョンアップのためのベータ版は、「専門性を持っており、注意深い」少数の運転手にのみ配布されたようです。具体的な選ばれ方は不明ですが、たとえば走行ログから危険運転がないかどうか、といった過去の行動に基づいて機能を提供することで、より安全に使ってくれそうな人から機能を開放していくことは、ソフトウェアを使えば可能です。
馬田隆明. 未来を実装するテクノロジーで社会を変革する4つの原則 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.3288-3294). Kindle 版.
鉄道というテクノロジーとその普及を契機に、社会全体で統一された時間という概念を導入することで、鉄道にとどまらない社会的なインパクトを出すことができたのが標準時です。
馬田隆明. 未来を実装するテクノロジーで社会を変革する4つの原則 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.3359-3360). Kindle 版.
センスメイキングとは、ステークホルダーが「理にかなっている」「意味を成す」「わかった」と感じることによって、人々が動き出すプロセス
馬田隆明. 未来を実装するテクノロジーで社会を変革する4つの原則 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.4314-4315). Kindle 版.