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02月-23。3.0点。
両親・弟と別れ、叔父の家に預けられた主人公。渋谷のラーメン屋でバイトし家出する。すぐに資金は尽き、渋谷の波に飲まれていき。。
ありそうなストーリー。渋谷で友達もでき、友達の同居相手の家に転がり込むが、歯車がかみ合わなくなっていく。
ラストが少し唐突な感じ。余韻なのかな。
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リアルな展開で続きが気になり、
一気に読み終えた。個人的に、締めの部分が何となく弱い気もします。描写や時間の流れがリアルで、こういう体験もしている子達もいるってことだなと思いました。
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親が出奔死親戚の家に預けられ、そこで邪魔者扱いされる真由。
継父からの性的虐待から逃れ、JKビジネスをしながら、客の東大生の家に居候するリオナ。
付き合っている男が友達を連れて家に入り浸るようになり、シングルマザーの母親が家を出て行ってしまったミト。
行き場の無い少女達が渋谷で危ない目に遭いながら暮らす日々。
声を掛けてくる男たちは少女達から搾取する事しか考えていない。
何が悲しいかって、これは小説の中の話だけではなく、現実にもっと酷いことだってうじゃうじゃあるってことだ。
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いよいよ日本もつけが回ってきたのか。
みんなが中流という夢が覚めてみれば、こんななんだよという小説。
『OUT』の貧困は女性たちが中年でバイタリティーがあり、まだしも希望をにじませた。
負の時代はまだ若かった。
ここでは若き女性といっても、高校生くらいの十代が生きていくのに、貧困と破綻のスパイラル。
必死さがすさまじい状態なので少しも希望がない、でも絵空事ではない。
と、桐野さんの小説は激しくて、ひたひた押し寄せてくるものに脱力感だ。
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テレビでこの本が紹介され、あらすじが気になって読んだ。
最初から最後まで辛い物語だった。
だけど、現実的にあるような内容で、
大人たちに利用され搾取される少女たちの姿は、
行き場のない少女たちが集まり、共感し、
そこから抜け出したいのに抜け出せないジレンマがあると思った。
余談だけど、
近所の兄弟がうちの子と庭で遊んでいた時、
お昼になって『お母さんがご飯作ってるだろうからご飯食べてからまた遊びにおいで』と言って返したことがある。
その後は来なかった。
いつも兄弟一緒だったが、お母さんに好きな人がいて離婚した。
兄弟は父親に引き取られたが、父親にも好きな人が出来てうまくいかず、兄は高校中退した。
たまたま見つけたお母さんのSNSには、再婚相手との子供を楽しそうに投稿していた。
この『路上のX』の作品と重なり、胸が苦しくなって何度もその兄弟を思った。
この作品は決して想像だけではなく、現実して起こりうるノンフィクションじゃないかと思った。
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桐野夏生の作品は久しぶりに読んだ。高校生が主人公のものは確かもう一つあったと思うんだが、これは家に帰れない(というか家庭がない)女の子たちが生き延びるために必死に戦う話。女の子たちの生き様にハラハラして、とにかく危ない目に合わずに最後まで小説終わりますようにと願いながら読んだ。フィクションとはわかっていても、主人公が心に残って生き続ける感覚があって、そこが桐野夏生の物語の美しさなのかなと思う。
桐野夏生の描く女はいろいろだけど、だいたい出てくるのがハードボイルドな生き様の女。人を頼れない、いろいろあるから頼りたくない、孤独だけどそれを受け入れて生きていく。それしかできないし、それが自分だから。傷ついても傷ついたことも言えずに、大丈夫大丈夫と言い聞かせながらでも。同じような子たちと助け合って頑張って、生きていく。
これ読んだ後に、朝日新聞で受験がどうとかの記事を目にした。そんなことより、ジャーナリズムを通して、必死で生き延びようともがいてる子たちのことがもっともっと社会で認知されて、守られるように大人たちが頑張る方が大事だ。私も、ご飯作ってあげたいと思った。今日もがんばったね、大変だよねっていって、ご飯作ってくれる大人もいないような環境で育つ子たちが少しでも減るといい。私にも娘も息子もいて、特に息子の1人はいろいろ大変な子だけど、ご飯作ってあげられるだけ本当に幸せな環境だと思う。子供は自分では何一つ選べないから。生まれてくる親も、家庭も、何もかも、与えられた場所でしか生きることができないからこそ、大人が守っていかないといけない。
こういう本は中学高校生の必読書にするといい。悪い奴らや無関心な奴らがたくさんいること(大人の私もその1人かもしれない)を知らしめるべく。子供や若い子を搾取する世界を受け入れないという意味で、反社会的になるべきと。
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最初から最後まで絶望しかない。救いがない。
最後は光が見えて欲しいと願ったが…
「X」の意味を調べた。
・映画などの年齢制限で18歳未満の観覧禁止。
・未知の人間や事物を示すのに用いられる。
本書のような高校生が実は未知数にいると言う事なのだろう。食い物にされている。悔しい。ゾッとする。傍観している私たち大人も加害者だ…無知だった自分を恥じたい。
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内容がエグかった…………
皆が考えるべき重要な問題。
誰もが幸せになんて、無責任なこと簡単に言えないね
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一家離散によって幸せな生活を失った女子高生の真由。義父の虐待から逃れ、街で身を売るリオナ。2人は運命的に出会い、共に生きる決意をする。暴力と格闘する少女たちの肉声の物語。
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一番行ってほしいことを言ってくれない人たち
真由の心を最後に折った母親。
一緒に住もうの一言が出ない、大人のエゴに本書の生々しさ、救いの無さがよく表現されている。
無性の愛を信じられなくなったら、子どもたちはどう生きていけばいいのだろうか。
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久々に桐生夏生作品が読みたいと思って
手に取った本。
リアルフィクション。
行き場のない女子高生たちの現実。
親に捨てられた(そう思っている)女の子たちの現状。
自分の体をお金に変えるしか生きる術がない彼女たち。
ずっと苦しい話が続くんだけど
読む手が止まらなかった。
それは桐生さんの文才。
最後の真由の荒れ方が1番苦しかった。
怒りの裏にあるのは
どうしようもない寂しさや、苦しさ。
「落とし前をつけなよ」
この全てを悟っているリオナのセリフも、
リオナのこれまでの経験を物語っていて
切なかった。
どうしても家庭環境が良くないと
子どもは荒れる傾向にある。
だって
1番身近な大人に傷つけられたり
信じられなかったりするんだから。
もっと事前に
手を差し伸べてあげられる瞬間を
なるべく見逃さない様に
愛情だけは忘れずに。
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読んでいる間ずっとヒリヒリとした辛さがある小説だった。親や社会に見捨てられ、搾取する大人に集られながら生きるしかない少女たちの現実を小説に結晶化させている。
真由やリオナ、ミトを「愚かしい」「少しくらい我慢したらどうだ?」と責めることはとても簡単だ。実際この小説を読んでもその程度の感想しか抱けない大人はゴマンといるだろう。だが、作者の筆はそんな大人こそ愚かで説教したい気持ちを我慢できないだけと巧みに逃げ道を塞いでいるーー「説教しかしない大人より金をくれる男のほうがマシ」とはある人物の言葉だ。何と言っても、彼女たちはまだせいぜい17歳の子どもなのだ。作中彼女らの年齢が何度も具体的に表されるのは、ただの状況説明ではないだろう。
真由やリオナが事あるごとに心中で吐き捨てる男への呪詛が身に迫らない女が一人でもいるだろうか。男は嫌い、怖い、何をするか分からない、蔑みながら買い叩こうとする、力ずくで言いなりにできると足元を見てくる……学校で、満員電車で、人混みで、職場で、飲み会で何度も体験させられる性被害を思い起こす人も多いだろう。果たして「普通の女」と彼女らと一体どれほどの違いがあるだろう。作中、彼女らをほんの僅かでも助けようとするのは全て女という目配りの細やかさに胸を抉られる。
真由やリオナのような家出少女への支援を行う社団法人Colaboを取材した作者は「現実は小説より残酷ね」と嘆息したという。そのエピソードを綴った、代表の仁藤夢乃さんの解説も是非読んでほしい。そして、そのColaboが誹謗中傷に晒されている現実をよく考えてほしい。真由やリオナを面倒そうに睨みつけ厄介者と蔑んだ作中の大人たちのようになるか、弱い者に少しでも連帯するか、この小説を読んだ人はやるべきことが分かるはずだ。
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主人公の真由は両親の借金逃れ?により叔父の家に預けられたが、そこには居場所がなく渋谷の街に出てバイトをしながら生活をする。 渋谷で身を売るレオナと真由が出会い、暴力や身体を張った危険な行動を描く小説。 最後は真由の両親の真相には親の身勝手さが子供を犠牲にし、その人生を破滅に向かわせるところには胸が痛みます。泣けて来ます。社会問題をリアルに描いた作品で。ものすごくしんどい内容なのですが、グイグイ読まされました。
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テレビで作者のインタビューを見て読んだのは1年くらい前だけど、今だに内容を覚えているくらい印象に残った。
現代の女子中高生を取り巻くいろいろな問題がテーマになっているが、社会問題もはらんでいると感じた。
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主人公の女の子たち(真由、リオナ、ミト)がどうなるのかハラハラしながら一気読み。三人のたどる道はあまりに過酷で、容赦がない。
社会問題としてトー横に集まる若者が度々取り上げられている。ひと昔前の非行少女たちと事情がちがうのは、彼女たち自身には落ち度はほとんどない場合が多いという点かもしれない。背後には貧困があり、子をきちんと養育できない家庭があまりに増えているという厳しい現実がある。
それでも桐野夏生の小説らしく、彼女たちは自らの境遇に抗い、果敢に行動する。両親が突然行方不明になってしまい、何とか自分で生きようとした真由は、バイト先で性被害に遭って深く傷つくが、警察に被害を訴えようとするし、リオナはパパ活で危ない思いをしながら真由とミトのために金を稼ごうとする。
逆に彼女たちから見た親世代、親せきたちがいかに無責任で冷たく頼りにならないか。また、女子高生を食い物にしようとする大人たちが街にいかにあふれているか、読んでいて嫌悪感でいっぱいになる。
ラストも決してハッピーではないけど、現実はもっと救いのない女の子たちがたくさんいるのだろう。
桐野夏生の小説を読むと、物語の面白さ、文章の平易さわかりやすさと社会的な鋭い問題提起とが両立しているところがいつも本当にすごいなと思う。