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投稿者:とめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
人間の仕様書の解読欲求は素人の私にもある。膝を抱えて身体をまるめた恰好で精子の中に収まっているホムンクルスや遺伝理論の政治利用の逸話を通して、最も環境に適応した変異体の流行している現代において遺伝子を改めて考える機会を与えてくれる書。
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まだ遺伝子という概念が存在していなかったダーウィンの時代から、1900年代後半に至るまでの遺伝学の通史。メンデルのエンドウの研究やワトソン・クリックのDNA二重らせんモデルなど、これまでポツンポツンと理解していたエピソードが、線として繋がり語られていく。上質な講義を聴いているかのようだった。
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遺伝子はもともと得体のしれない科学であった。進化の研究が進むにつれて、遺伝子の存在が明らかになり、そこから遺伝子を利用した研究へと切り替わっていった。遺伝は父と母から半分ずつ受け取り、それが発現するかはわからない。時たまおきる突然変異が進化へと繋がっていく。遺伝子によってタンパク質が作られる。プラスミドに入れて、他の生物に注入できるようになって、遺伝子を改変することが可能になり、くすりなどかつくられるよになった。
遺伝を明らかにしたのはメンデルなどの細かい実験の賜物であった。遺伝子を完全に操ることは他のどの科学よりも生物の根源に関わってくるのだと感じた。
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プロローグが読み物として非常に魅力的で、引き込まれる。
その後もたまに本編の間に挿入される、著者の家族のエピソードに惹かれる。
本編は、面白いけど、ところどころ難しい。
遺伝子というものの発見・理解・活用の歴史だけど、後半の科学者の競争の部分はヒューマンドラマで、それを理解するために、何が争点になってどんな微妙な競争だったかは、科学的な説明がないと判らないので、その解説は不可欠だろうけど、そこが難しくて斜め読みになり、結局よく判らないという。
下巻がどんな内容か気になるけど、この先はさらに難しい話になるのでは?と思うとやや腰が引ける。
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「遺伝子」なかなか難しい題材だが、科学的な部分と人類史との関わり合いの部分ととても分かりやすくてスムーズに読むことが出来た。科学的な部分では遺伝子・DNA・RNA・ゲノムなど、聞いたことはあるけど・・・な言葉もなんとなくイメージできどうそれが進歩してきたのかも興味深かった。また人類史との関わりについては遺伝子の研究が断種という考えからヒトラーにつながっていくところが衝撃的だったし科学者を理性的にさせるほど研究が恐ろしい結果につながりかねないということを知った。
遺伝情報の発現は必要性のためではなく、スイッチを何かが推すことによって起こる。多様性はバグではなく必要な進化の過程だと思えた。
下巻が楽しみ。
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人間が遺伝子を見つけ、遺伝子を解析して、遺伝子を創造するまでの物語。非常に面白く、職業柄プログラミングとの接点もあり楽しく読めた。