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中盤から続きが気になりすぎて一気に読んでしまった。AIロボットクララの優しさに心を打たれ、それゆえに最後のシーンが切なかった。今後AIロボットはどのように実用化されていくのだろう、と考えさせられる。
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これがリアルに近未来かもと少し恐ろしくなる。何かが隠されているように話が進む感じが「私を離さないで」っぽい。クララが愛おしい。
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クララが大学に行くジョジーを送った後、廃品置き場で元店長と出会うシーンが感動的でした。将に、カズオ・イシグロの世界です。
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「クララとお日さま」は、カズオ・イシグロのノーベル賞受賞後の最初の作品。人工知能を持ったロボット、ゲノム編集というSF的な背景であるものの、新しい科学技術に対峙する人間の不安や期待とともに、AIロボットと子供たちのEmotionalで、時にSpiritualな関係を描いた美しい小説でした。
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人間が大人になるにつれ失われていく「ピュア」な感情を、ずっと「ピュア」な温かい想いを持つロボットである主人公クララが、周囲の人たちにピュアのお裾分けをしていくような物語だと思いました。
言い換えると、自分の中のピュアな部分を周囲の登場人物にも、そして読者にも思い出させてくれる役割を主人公のクララは担っています。
とても愛おしく優しいけれど、社会的人類学的にもちゃんと切り込んだ良作だと思います。
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美しい言葉が穏やかに紡がれているのに、ゾッとする怖さがある筆致は、さすがカズオイシグロだなぁ。きれいなお話なのに胸がざわつく。これといってドラマチックな展開があるわけではないのにずーんと心に残る。
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カズオ・イシグロ作品で、既読は『日の名残り』と『わたしを離さないで』。特に後者がお気に入りの作品で、今作『クララとお日さま』も同様の文体・手法(=物語上の特殊設定や世界観を直接的に説明せず、それらを"当然に"受け入れている登場人物の視点で語ることによって、読者に間接的にイメージさせる。)で描かれていたので、「隠された設定は何なのか」と、常に次の展開を楽しみに読み進めることが出来た。
結果的には私が期待していたものは出てこなかったが、カズオ・イシグロの「深い哀愁を湛えた優しい世界」には浸ることが出来たので、とりあえずは満足。
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なんだか後から切なさが滲み出てくるのは確かなんです。なんだろう、これは。
どう考えたらいいのかとか、これでいいのかとか思うところもあって、もう一度読み返したくなっている。そう、これは人工親友クララが見た世界、クララが語る物語。
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近未来の世界、近々AIロボットと暮らす日も
私達の身近になりつつある。
其れを体現した、カズオ.イシグロの本作は
人間よりも人間らしい素直で誠実なクララの
ジョジー達家族えの思慮深い愛が繊細に描かれて
いる。
お日さまに力をもらい、その力をジョジーに祈り
ながら景色を眺めるクララの姿はとても美しい。
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ジョジーやクリスになんと言われても、『ここ』にいることを幸せだと、いつも言うクララは私たち人間にも必要で、だが、いつもはできない能力であるように思う。
「なつかしがらなくて済むって、素晴らしいことだと思う。」
本文より
メラニアさんという家政婦も、日本では馴染みのない立場であるが、イギリスの家庭では一般的な景色なのだろうか。乱暴な言葉だけど、確実にジョジーのことを想っていることは伝わった。
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前にAIのベンチャー企業を起こした先輩が、「どの家にも一台のロボットがあり、そのロボットは代々受け継がれて、その家族の歴史を見る生き証人となる。ロボットが言う。『その木には君のおじいさんもよく登っていた。落ちて怪我をして大変だったこともあった』そんな日がきっと来る」というようなことを言っていたのを思い出した。
なので、最後受け継がれはしなかった、というのがなんとも悲しく、AFは使い捨てなのか、、という無念さは残った。
カズオ・イシグロといえば、やはり「信用できない語り手」である。クララの語る思いや感情、意見が、あまりに人間らしいので、AFにも人間と同じように心があるような錯覚をしてしまう。
でも、それらはやはり元はといえば予めプログラムされ、制御されたものなのだ。だから、最後に不要になって廃品となっても、人間を恨むことなく、役目を全うした達成感に浸ることが出来たのかもしれない。
でも。ディープラーニングが、いずれ人間のコントロールを超えた所まで発展していくと考えるなら、クララが抱いていた感情は、最終的には外から学習したものではなくて、クララ自身の内部から作り出されたものなのではないか。そうすると、もはや人間の心と何が違うのだろう…?とぐるぐると考えてしまう。
他にも格差社会、親子の親密さ、過干渉、環境破壊など、テーマはたくさん盛り込まれてたわけだけど、やっぱりAFに心はあるのか、それが一番悩ましいというか、考え込んでしまうところだなあ。
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古風な雰囲気のメルヘンのような装画を愛でてからページをめくると、そこに描かれているのは技術が高度に発達した未来世界。
人工知能ロボットのクララは、ジョジーの人工親友(AF)となり、ジョジーのため全身全霊で尽くす。
無償の愛、思慮深さ、優しさ、誠実さ、謹み深さ、自己犠牲、人間が考え得る美徳を全て兼ね備えたクララ。
語り手である子どもの姿のクララが愛しくて魅了される。
クララがお日さまを神格化し敬い祈りを捧げる姿は、人間の信仰そのものだ。余りに人間に似ている。ジョジーの病気改善のためにお日さまと取引する深い祈りの行為は、人間がする神頼みと同じだ。
ラスト、素晴らしい人生だったと幸せな想い出を抱きしめている姿が切ない。
AFを創造したのは人間だが、クララは人間をとうに越えている。善そのもの。
私たちはクララの中に何をみるのだろう。
哀しみだろうか。
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とっても読み応えのある作品。読み終わった後に「これはどういう意味なのか?」と考えるのがめちゃめちゃ楽しい。翻訳も読みやすい。
舞台は、50~100年後の未来かな?
かなりはっきりとした格差社会であることがわかる。
今よりさらに技術が発達し、あらゆるものはコピー可能、と考えられ始めている。「人の心」も例外ではない。
AF(人工親友)もそうした技術の結晶。
AFが流行している社会ということは、人同士の関わりが薄い、ということかなぁと思った。
クララは買われた先で友情を育み、家族の根深い問題をほぐすことにも大奮闘する。
AF、すごい!と思いきや、
最後にクララが辿り着いた場所が本当に切なくてつらい…はっきり書かれていないけど、人間の身勝手さ、残酷さが表れているように感じた。
舞台設定や社会制度については、徐々に種明かしされる。読みながら「そういうことだったのか!」となる感覚が面白い。全部が説明されているわけではないので、読者の想像の余地もたっぷりある。
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一読目。さすがの訳と言いたいところだがなんか上手く訳せてない感がすごい…違和感があった。原著読んでみないと。
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こんなにも優しく、それでいて儚い気持ちにさせてくれる小説にはじめて出会いました。
ジョジーと友情を育んだクララ
2人を見ているとは誰しも記憶の奥に眠っている、今はもうはっきりしない、けれど大切な、ともだちとの思い出をなんとなく漂わせてくれます。
心を学び育むことができる
そこに人間とロボットの違いはないのでは?
クララを見てるとそんな気持ちになります。
それだけに2人の友情はとても美しくあるし
最後のシーンには一種の清々しさと、寂しさを感じずにはいられません。