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「怖い絵」の著者 中野京子さんが書かれた、短文、紹介文を集めたもの。軽い読み物として、とても面白かった。大学で教えられていた頃のことにも触れられていて、中野京子さんの授業、受けてみたいなあと思う。
私が初めて中野京子さんの名前を知ったのは、「怖い絵」ではなく、本書にも記載があったツヴァイクの「マリー・アントワネット」の訳者としてであった。「マリー・アントワネット」を読了し、随分時間が経ってから「怖い絵」を読み、とても面白い、と思って、この名前、見たことがある、と思って調べたのだった。
本書で触れられた絵画が全て掲載されていれば、大満足だったが、書面の都合上、出来なかったのだろう。
第三章 本を読む 本を書く の中の 私好みのエンタメ小説 Ⅲ伏線を確認する のクリスティーに触れたところで「地味な恋人を捨てて富豪の美女を選ぶのは野心家なら当然と思わせ、平凡を絵に描いた田舎の主婦が殺人のターゲットになるわけがないと信じさせ、あげくは一人称の語り手が犯人でもアンフェアと感じさせない…(クリスティー・ファンなら、どれもタイトルがすぐおわかりですね)」とあったが、「ナイルに死す」「予告殺人」「アクロイド殺し」で合っているのだろうか。2番目が全く自信がない。絶対これだ、と分かる人がいたら、教えてほしい。
「時の娘」「レッド・ドラコン」「インフェルノ」、未読なので、読んでみたくなった。
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美術から少し離れた日常生活のことや読書のことも含まれていて、中野さんの別の一面を垣間見れた気がする。愛読書というアガサ・クリスティー、自分も読んでみようかな。
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美術館巡りが、好きであった。
何も考えず、その絵の前で、立たずんでいただけ、こんな絵が、描けたらとか、…こんな絵だったら、自分にでも描けそうなんて(とても無理だけど(笑))大それた事を思いながら、通ったものである。
そんな事を主婦なのに 育児に追われて、美術館巡りは、遠のき、子供から手が離れたら、今度は、行く機会をわざわざ捻出して出掛ける気力が無くなった。
そんな時に、中野京子氏の本を手にして、絵画の見方も少し変わってしまった。
ナイチンゲールもそうである。
下級層の人々と共にクリミア戦争に旗を振り回しながらのイメージだったのに、上級層のお嬢様が、ボランティア活動でも、一番に危険な場所へ突入するなんて、予想にもしなかった。
この時代で、上級層女性のワークレディである。
又、宗教画についても、磔刑図の聖釘の本数などの記載も思いもしない点に目を向けていて面白い。
又、この本では、本からの絵の話に、興味が湧く。
のんびりと眺めていた絵画にも、色んな視点から見ての楽しみ方に、この本を読んで、又、美術館への足が向かいそうである。
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あ、面白い♪くすっと
笑えるし絵画に対する
深い造詣は流石の一言。
なんでこれまで著者の
本を読んでこなかった
んだろうと僅かに後悔。
イワン雷帝とその息子
の鬼気迫る表情は見た
瞬間息が止まりました。
書物でも写真でもなく
絵画だから表現出来る
リアリティというもの
をはじめて知りました。
仕事がらみの本に眠り
の精がくっついている
という話も同感。
数ページ読むと必ず瞼
が重くなるんですよね
・・・(笑