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本当に面白かった。
東野さんの本格的な推理小説を黙々と読んだ。
事件そのものに隠れた色々な事実があり、
これで良かったのか?の思いを抱え、事件は違う方向に展開していく。
それに被害者家族、加害者家族の真実を知りたいの思いが絡む。
そしてようやく見えた真実は、関係者の関係を違うものへと変えていた。
読み応えがあり、読み終わった時には充実した思いが残った。
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テンポがいいし、伏線を回収するスピードがちょうど良く自分で推理できる余白を残してくれているため、読後の爽快感が最高です。
早く映像化が見てみたい!2021年のベスト3を更新しました!おすすめです。
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「白鳥とコウモリ」
標題が意味するのは。
▪︎あらすじ
人情味溢れる弁護士が何者かに殺された。自首してきた男は素直に罪を認めるが、辻褄が合わないことが徐々に現れる。この男は本当に真犯人なのか。残された遺族は何故父が殺されたのか納得が出来ない。犯罪者の家族となった息子も父が知る故、何故殺人を犯したのか理解出来ない。被害者の娘と加害者の息子が真実を知るために、事件の真相を探るミステリー。
現代版の罪と罰。同作は東野圭吾の作家生活35周年記念作品。作者自身が「今後の目標は、この作品を超えることです」とコメントするほどの力作である。確かに力の入れようが伝わる。最後まで気が抜けないストーリーであり、随所に伏線が張られていて回収される。
白夜行と手紙に続く作品と銘打たれているが、これらよりミステリー寄り。被害者の娘と加害者の息子が真実を知るために動くのだが、この通りにいかない。途中起きる展開により、彼らの立場に影響があるが、これがミステリー要素を強めている。また、2人は遂に時効済の殺人事件まで遡ることになるが、ここで殺された弁護士と自首した男の関係性が現れる。この人と人の繋がりは、桐原亮司と西本雪穂、武島直貴と剛志に通じるものがある。
最後の締めは好みの問題。個人的には違和感なし。腹落ちしなかったのは、恋愛感情が生まれる辺り。加害者と被害者がどう変わって行くのかがテーマだから落とし所としてはあり得るのだけど、必要かと言われると無くてもよい。何故、恋愛感情が生まれるのか理由がよく分からなかった。
しかしながら、全体的に読み応えあるミステリー。
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タイトルの意味は、3分の2位読み進めてやっと掴めた。そこからはサクサク読める。
読了後は、なんかしみじみしちゃう。
ドラマ化か映画化されそう。
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わりと分厚い本ですが、面白くあっという間に読み終わりました。
早々と犯人が自白して、どういう話になるのかと思いましたが、まさかそんな展開になるとは。
美令さんと和真君の関係切ないですね…
でもいつか乗り越えて2人で幸せになれたら良いな。と思いました。
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「白夜行」「手紙」ー新たなる最高傑作。東野版「罪と罰」
面白いの一言に尽きる!東野ファンは必ず読んだ方がいいし、そうでない方も大満足間違いなし!500ページの大作をわずか2日で読了できたのも東野圭吾の執筆力に尽きる。
殺された善良な弁護士。事件の被疑者を追うと、1984年の別の事件との関連がみえてきた。そして犯人の自供、解決。ここまではよくある殺人ミステリーの一幕だったのだが、そこでは終わらないのがこの作品。
被告人の供述に裏が取れていないところに着目し、同じ理由から被告人の息子と被害者の娘が呉越同舟ながら事件の真相に迫る。光と影、昼と夜、まるで白鳥とコウモリが一緒に空を飛ぼうって話だ。
前半だけでもかなり東野圭吾らしい心情描写に富んだミステリー作品である。中盤から後半にかけて真相が明らかになっていくにつれ、その心情描写も鋭くなってゆく。
そしてこの作品の核心が被告人家族と被害者家族の心情とそれを反映できない日本の裁判制度である。どちらの家族も辛い思いをするのに、その思いを汲めない日本の司法にやるせなさを感じる。とても考えさせられました。
個人的に東野圭吾作品の中でもトップ5に入るんじゃないかと思う。系統としては容疑者xの献身に近いかな?これだけの作品なので何かしらの文学賞を受賞することを願っている。
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被害者と加害者が手を組んで真相を解明していく物語。残り250ページくらいでだいたい分かってしまうけど、なぜなのかが最後にスッキリ全てが繋がった。
罪にもよるけれど、罪を犯した加害者家族も被害者家族もどちらも辛い立場は変わらないのは同じなのかなと思った。その人の性格にもよると思うけど、他者を思いやる精神がある人ならば、どちら側であろうとも苦しいし辛い現実しかない事には変わりない。
罪と罰。この違いはすごく曖昧で明確なものではないけど同じ扱いをしてはいけないのかなと考えさせられる話でした。
自分にはあり得ないという話は無いので、もしも、と考えても答えなんて出ないなと思いました。
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久しぶりに読んだ東野圭吾。
分厚い本だったが、続きが気になり一気に読んでしまった。安定の面白さ。
罪と罰の問題、複雑な気持ちになった。
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SL 2021.10.10-2021.10.13
緻密な警察ミステリ。
東京で起きた弁護士殺害事件。早々に犯人が逮捕され自供して裁判を待つばかりだったが。
そこから本格的な謎解きが始まった。
真犯人は意外だったし、過去の事件の真相も分からなかったけど、ただ、事件全体の構図は早い段階でそうじゃないかと。まあ、誰かを庇っているとしか思えないよね、この展開は。東野圭吾だし。
他の作品でもそうだけど、真犯人を庇って罪を被るって、そんなに感動を呼ぶかな。愚かじゃないかな。
加害者、被害者の家族を否応なく巻き込んでしまうことがほんとに辛い。世間は残酷だ。
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なんのシリーズでもない作品では久々満足!な一冊でした。
早々に解決したのでこれで終わり?と思いきや、そこから過去の事件まで遡って繋がっていくなんて。
登場人物がそれぞれ魅力的だけど、タイトル通りメインは被害者、加害者の子供たちなのかな。
そして最後はそれが入れ代わるってほんとすごい。
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ある弁護士が殺された。その人は、「人情派」という言葉が似合うくらい、加害者に手厚くサポートをしている。
捜査を続けていくうちにある一人の人物が浮上し、罪を認めた。これで解決したと思いきや、調べていくうちに様々なことが明らかになっていく。
改めて、東野さんのミステリーの幅広さに圧倒されました。科学の知識を駆使したり、エンタメ系のライトなミステリーはたまた重厚感のある本格派だったりと色々な「顔」を持っていて、読み手としては大いに楽しませてもらっています。
今回の作品は、科学もなく、エンタメでもなく、本格派ミステリーでした。それぞれの人が抱える罪と罰に自分だったらどう向き合えばいいのか考えさせられました。
500ページという単行本では、ボリュームのある量でしたが、「どんな展開になっていくんだろう」という興味が常に頭に引っ付いていて、気づいたら沼にハマった感覚があり、迷宮にいる感覚でもありました。
題名の「白鳥とコウモリ」ですが、後半になってわかるのですが、言葉選びが秀逸で、深い言葉だなと思いました。
大まかに分けると、事件の捜査とその後の2つのパートに分かれています。
前半では、主に警察側の視点で、弁護士の殺人事件を捜査しています。東京の下町を舞台にしているので、どこか「第二の新参者の誕生?」という想像をしていました。
しかし、意外と前半部分で犯人が逮捕されるので、正直その段階ではちょっと肩透かし感はありました。ページ数としては短いものの、調べていくうちに意外な真実が明らかになっていくので、色んな想像を膨らみ、奥行き感のある物語が待っているのでは?と勝手に想像してしまいました。
残りのページはどうなるの?と思っていましたが、そこからがこの作品の醍醐味かなと思いました。
「その後」のパートでは、犯人が逮捕された後の事件の関係者の視点をメインにしています。被害者の娘や加害者の息子が、それぞれ事件の全貌を解明しようと奔走します。
事件は解決しているかと思いきや、加害者の証言に違和感を感じた2人。検察や弁護士に止められながらも、調査をしていきます。
逮捕から裁判までの準備期間の間にどう事件が明らかになっていくのかが描かれています。
警察も登場しますが、主に脇役として登場します。
事件がどう展開していくのかという楽しみもありますが、同時に関係者たちの苦悩といった心理描写も描かれています。
世間からのバッシングや同情といった数多くの「声」に苦悩しながらも、事件の真相が知りたいという信念を貫こうとする姿に段々とその世界観に惹き込まれました。
記者の理不尽なやり方や司法の立場から見た仕事のやり方も描かれていて、苛立ちもありましたが、これが現実なんだとも感じました。結局全てが明らかになるということは難しいということを身につまされました。
そして、2人が掴んだ新たな真実に色んな要素が段々とつながっていく過程は、驚きとともに後悔のような感情にもなりました。まるでオセロが常にひっくり返るかのようでした。
「知りたくなかった」とか「読む前のあの頃には戻れないな」といった関係者ではないのにそういった思いが芽生えしまいました。それほど衝撃的で、重厚感がありました。
事件の関係者だけでなく、自分を含む全ての人にも響く「罪と罰」がこの作品には含まれていました。
安易に情報や言葉を拡散するだけでなく、拡散したことへの責任や誰かを傷ついているのでは?という自覚を持つことも
大切であると思いました。
これからどう一歩踏み出していくのか。色々と考えさせられました。
まだ発売されたばかりですが、今後映像化するのでは?と思うくらい、衝撃さ、重厚感、メッセージ性があるように感じ、むしろ映像化して欲しいなと思いました。
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こういうのも因果応報だろうか。罪を犯したらそれで全て判断されるというのがおかしい。更生を認めない社会は生きづらい。SNSは諸刃の剣。それを武器にして人を貶めたがる人たちはよほど暇で、惨めな境遇にいるのだろう。
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この本を手に取った瞬間、「分厚い‥(汗)」
500ページを超える長編、気合いを入れて読み始める。
序盤に、自分が殺人事件の犯人であると自供。
さあ、これからどんな展開になるのか。
中盤までは長い長いプロローグのよう。
その後は、ググッスピードが加速して、オセロゲームのように白黒が次々と反転していく。
「殺人は加害者被害者どちらの家族も苦しめる」
重いテーマである。やるせなさが残る。
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ほぼノンストップで一気読み。
東野圭吾さんの作品で、これほど一気に読んだのは、遥か昔の「白夜行」以来か。それほど巧みなストーリー展開で圧倒された。
ずっとわからなかったタイトルの意味が、だいぶ後半にわかって膝を打った。
次々とヒット作を生み出す著者に今回も感服しかない。
おそらく映像化されると思うので楽しみに待ちたい。
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東野圭吾バージョンの罪と罰。
分かりやすいのに深い。意外な犯人もそうだけど、周辺の家族の影響がよく書かれていて読み応えがあった。
毎回、考えさせられる。
真犯人の心情もヤバい。そういう事も本当にあり得そうで怖い。