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すごく分厚くてまず怯む。2冊分くらいある…。
でも、どんどん話が進んでいって、どんどん読める。
「罪と罰」って難しいテーマだよなぁ。
面白かった。
***
幸せな日々は、もう手放さなければならない。
遺体で発見された善良な弁護士。
一人の男が殺害を自供し事件は解決――のはずだった。
「すべて、私がやりました。すべての事件の犯人は私です」
2017年東京、1984年愛知を繋ぐ、ある男の"告白"、その絶望――そして希望。
「罪と罰の問題はとても難しくて、簡単に答えを出せるものじゃない」
私たちは未知なる迷宮に引き込まれる――。
作家生活35周年記念作品
『白夜行』『手紙』……新たなる最高傑作、
東野圭吾版『罪と罰』。
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552ページの厚さをみて、一瞬怯みましたが一気読み必至の面白さでした。
さすが国民的人気作家の東野圭吾さんの最新作です。
今年のミステリーの大賞作品はこれで決まりではないでしょうか。
以下ネタバレ少しあります。お気をつけください。
誰からも恨みを買うはずのない港区で弁護士事務所をやっている白石健介55歳が港区の海岸で殺されているのが発見されます。
スマホの通話履歴から愛知県に住む倉木達郎66歳が浮かび、刑事の五代らが、愛知県へととび、捜査が始まり2、3か月に一度上京し一人息子の倉木和真のところで寝泊まりをしていたという倉木を怪しいとあたりをつけます。
しかし倉木はあっさりと自白。
白石に法律相談をして知り合い殺したと罪を認めます。
倉木はそして1984年の『東岡崎駅前金融業者殺害事件』の真犯人は自分であり、その時に捕まって留置場で自殺した福間淳二は誤認逮捕であり、その罪を償うために遺族である浅羽という母娘に遺産を遺す相談をしたら弁護士の白石に「死んでから償うのではなく、生きているうちに償うように」と反対されたので秘密をばらされると思い殺したといいます。
ここまでで、まだ100ページ弱。
ここから倉木の息子の和真や白石の一人娘の美令が倉木の自供がどうもそれぞれの父親像と違うということを不審に思い刑事たちとはまた別になんと二人が協力して調べようと動き始めます。
そして門前仲町で『あすなろ』という居酒屋を営んでいる浅羽母娘。娘の織恵は倉木に好意を持っていました。
それぞれのそれぞれを想う想いが交差してついに二つの事件の真相がみえたとき『白鳥とコウモリ』というタイトルにこめられた深い意味がわかり、もの凄い濃密な人間ドラマを読んだという思いを強く感じました。
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この小説を読み終えて一日考えた。
物語には、大きな三つの山があるように思えた。
今までの東野作品とは次元が違うと思う。
最初の山を登りつめた時、主人公の捜査一課刑事五代は、「事件はこれで全面解決したかのように思える。なぜ倉木は三十数年前に逮捕されなかったのか。自分たちは本当に迷宮入りを免れたのだろうか。もしかすると、新たな迷宮に引き込まれたのではないか」そんな思いを五代は懸命に振り払った。と書いている。
以上の文章は、東京都内、竹芝桟橋の近くで違法駐車されていた車の中から、白石健介弁護士が遺体となって発見されたことで生じた殺人事件が、困難な捜査ではあったが無事容疑者倉木達郎を逮捕し全面自供した後の想いだった。しかし、三十数年前の冤罪の告白は、白石健介弁護士に真実を釈明することを強要されたことが殺害の動機だ、と語った。勿論、倉木氏は、時効が成立しているため刑事上の責任は問われないことは分かっている。
そこで仮説を立てた。以下の通り…。
童話「みにくいアヒルの子」より
「自分はずっと以前からアヒルだと思っていた。しかし成長するうちに自分が仲間と姿形が違ってきたので、喧嘩もしたが虐められ仲間はずれにされた。その時のことを詫びるため弁護士になり、自分自身が誠実な弁護をして困っている人と、当時の仲間を助けたいと思ったが、弁護士になって裕福な暮らしを恨まれ、助けるつもりが助けられなくなった。殺されたのではなく罪滅ぼしのため、自殺に見せかけ命を絶った。しかし、相手はアヒルではなくコウモリだった。」以上
既に読了された方は、クククッと笑っているかもしれない。これが僕の冒頭の推理(妄想)です。見事にはずれました。
作中、脇役の刑事中町が、著名通りの引用していたのを読んでペンを落とした(笑)
二つ目の山は、法律が改正され被害者遺族が検事と共に被告人に意見や質問が出来る「被害者参加制度」を行使する。
被害者遺族 妻白石綾子、娘白石美令、特に美令は、被告人の供述は信じがたい。寧ろ嘘だと断じた。私は真実を知りたい。その一点について追及したい!
一方、加害者側家族の息子倉木和真も父がそんな供述をしたなんて信じられないとの思いから、事件の真相究明に乗り出す。二つ目の山は頂上が見えにくい山でした。辿り着いたところは、断崖絶壁でしかも背中を押され奈落の底に落ちた。止めどない絶望に苛まれたが納得してしまった。
いよいよ三つ目の山は厳しい山、これで全てが終わるかのようだったが、それでも物語は続く、驚愕の真実と献身で心が震えた。
実におもしろい、そして読書は楽しい。
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いやあ、これは参った。ある殺人の犯人が捕まった。自供から34年前の事件の犯人であることも自供される。ところが息子の和真からすると非常に父親の性格からしてらしからぬ行動に思えて仕方がない。一方被害者の娘の美令も殺害の動機がどう見ても父親が原因とは思えない。ただ警察、弁護側ともに犯人は確定と見ているが、刑事五代はどうも息子、娘の2人から言われた違和感が拭えない状況で彼らからの相談を受けていた。二人が別々に原因を探って行った時に34年前の事件の絡みが見えてくる。そこで見たものは意外な事実であった。そこでは34年前の犯人とそれを知った人物が今回の事件を起こしたことが発覚する。父親は余命いくばくもないところで全ての罪を被ってこの世を去るつもりであったが、最後に判明!ただ今回の理由があまりに人間的すぎてやはり読んだ後にはすっきりと、へえそうだったか!との2通りが同時に味わうことになったのは久々によかった。 まず今年の一番かも。
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やはり、さすがわ圭吾さん。満遍なく人物描写が繰り広げられて、グイグイと引き込まれていきます。
最後は予想だにしない切なさですかね。
オススメ⭕️
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遺体で発見された善良な弁護士が遺体で発見された。そして、倉田という男が殺害を自供した。まだあと500ページもあるのに、どんなお話になるんだろう?警察、被害者遺族、加害者家族がそれぞれの思惑、立場から事件を追っていく。先が気になって、何だかあっという間に読んでしまった。おまけに30年前の名古屋での殺人も自供しながら・・・。相変わらずグイグイと読ませる筆力には恐れ入ります。「白鳥とコウモリ」の意味と、ラストの救いがよかった。是非手を取って歩き出す日が来て欲しい。
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図書館で半年待ち。まだ待ってる人いると思うし、早く読まなきゃ。で、あいかわらず読んでると、それでそれで?とどんどん読み進めたくなる。
弁護士殺人の犯人はすぐ見つかる。そして過去に被疑者自殺で終了した殺人の犯行も認めはじめる。それから裁判準備となる。
加害者の息子、被害者の娘、自分の父がそんなことを言うだろうか?するだろうか?と小さな違和感を感じ、真実を知りたくて調べ始める。そして出会う二人。関わる刑事の執念もすごい。
そして暴かれた真実。立場が反転する二人。
やりきれない話なのだが、この二人のおかげで最後にすがすがしくもややこしそうな未来が見える。
常滑に行ってみたくなった。
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「手紙」「白夜行」・・・・・新たなる最高傑作
この帯に惹かれ、即買い。
500ページを超える大作ながら、一気読みで2日ほどで読了。
善良な弁護士が港区海岸に停められた車の中で、刺殺された状態で発見される。捜査に当たる捜査一課の五代たちだったが、80ページ当たりであっさり犯人が捕まる。
しかし、殺人を自供した倉木の供述は一切裏が取れず、自供のみで送検しようとする検察の裏で、父の犯した罪の真実を探す息子と殺害された弁護士の娘は立場を超え、協力して真相に迫る。
今回の殺人の裏には既に時効になった1984年の殺人事件が絡んでおり、加害者と被害者の他に1984年の事件で逮捕され、拘置所で自殺した遺族の関係が複雑に描かれる。
最近はシリーズものだったり、軽めの作品が多かったので、久しぶりに東野圭吾の「贖罪」をテーマとした重厚な作品を堪能出来た。
タイトルの「白鳥とコウモリ」のとても意味が深く、殺人を扱いながらも、登場人物がそれぞれを思いやる気持ちがとても切ない。
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集めた白いピースをはめたら、黒いパズルが出来上がったような感覚。
正義と悪、罪と罰、黒と白、白鳥とコウモリ、反対に存在しているようにみえるけれど、全て表裏一体で、私たちはそのどちらにもなり得ることを忘れてはいけないと思う。
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大作にも関わらず流石は東野圭吾、という作品。面白かったー。
「白夜行」「手紙」---新たなる最高傑作。作家生活35周年記念作品。
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「容疑者」があっさりと罪を認めてすべてを告白する。しかも30年前の事件の罪まで。
自供に齟齬はなくなにもかもつじつまが合う。これじゃ、もうあっさりと事件が解決してしまうではないか。
いやいやいやいや、そんなはずがない。そんなはずはないじゃないか、東野圭吾だぞ。
ってことで、本当には何が起こり、何が起こらなかったのか、否が応でも期待が高まっていく。さすがのリーダビリティ、容疑者の息子と被害者の娘と一緒に「納得できない」まま一気に走り抜ける。
うぅむ、とうなり、あぁあ、と嘆く。
罪とは、償いとは。本当の贖罪とは誰のためのものなのか。
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いやあ!素晴らしい作品だった!何時も読者の心を捉えてくれる著者に敬服です。題名も味があって良かった。誤認逮捕、犯人隠避、30年後の殺人事件と、その犯人の虚偽の自供、等々そして最後での心温まる話、ほっこりする。
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・罪と罰の話し
・自分が罰せられることより、家族が迫害されるかもしれない恐怖の方が苦痛かもしれない。これがどういうことかを500ページかけて教えてくれている小説以上の物語。
五代努 捜査一課刑事
山田裕太
白石健介 弁護士、殺害
綾子 妻
美令 娘
佐久間梓 弁護士
倉木達郎 三河安城在住。
和真 息子。高円寺
堀部孝弘 弁護士
雨宮雅也 和真同僚
浅羽織恵 あすなろ
洋子 母
福間淳二 父。拘置所で自殺
安西弘毅 織恵の元夫
灰谷昭造 金融。1984殺害。
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分厚い本だけど、先が気になりどんどん読み進めた。事件の被害者と加害者、それぞれの家族の心情がわかりやすく、捜査の進め方や弁護士の思惑など不自然さは全くなく、さすが東野圭吾と思った。出てくる地名が自分に馴染み深いところだったのも親近感がわいた。
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心情がじんと伝わってきて胸に染み渡り、
そして真相を知る度に息苦しくなり、深呼吸しながら読んだ。
淡々とした静かで深い絶望を味わう…
中盤は物足りなさを感じたが、読者と共に1歩1歩丁寧に進むよく出来た物語だと思った。
いやー、流石です。