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【メモ】
1 公用文の分類
法令に準ずる文書である「公用文Ⅰ」と、報道発表資料や白書などの「公用文Ⅱ」の表記は、法令文のルールで書く。広報文は公用文のルールに縛られない。
2 言語コミュニケーションに必要な4要素
①正確さ
②分かりやすさ…伝えることを絞る、遠回しな書き方は避ける、専門用語や外来語をむやみに使わない。広報文は中学校卒業程度の日本語力で理解できるように書く。一文の長さは65字以内、漢字使用率45%以内が理想。
③ふさわしさ
④経緯と親しさ
3 表記の原則
●兆・億・万は漢字で書くが、千・百は漢字では書かない。
●概数(数十年、四、五十人)は漢字で書く。熟語、ことわざも漢字。一つ、二つ、三つなど、助数詞の前につく場合も漢字にすること。
●一箇所…縦書きでは「一箇所」。横書きでは1か所(かは必ずひらがなにする。必要に応じて箇のままでもよい)。
●広報文では、縦書きでも算用数字。数字の全角半角は、一文字は全角ニ文字以上は半角。ただし、ウェブサイトではall半角の場合が多い。
●広報文では「〇〇未満」は避け、「〇〇以上」にする。間違えやすいため。
●カッコの中で文が終わる場合は、カッコ内に句点を打つ。文の終わりに括弧があるときには、文末と括弧内の文末に打つ。ただし、二つ以上の文、または文章全体の註釈であれば、最後の文と括弧の間に句点を打つ。
例)
・当事業は一時休止を決定した。ただし、年内にも再開を予定している(日程については、未定である。)。
・当事業は一時休止を決定した。ただし、年内にも再開を予定している。(別紙として、決定に至った経緯に関する資料を付した。)
ただし、これが広報文になると、カッコ内に句点を打たなくなるので注意。
例)
・当事業は一時休止を決定しました。ただし、年内にも再開を予定しています(日程については、未定です)。
●広報文では、箇条書きの文末にマルは打たない。文中には打つ。
・24時間、安心。防災情報をお届けします
4 漢字使用の原則
●常用漢字表にない漢字はひらがなにする。文化庁の常用漢字表のPDFをダウンロードし、デスクトップに保存しておくとよい。
・意外と知らない、常用漢字上NGな言葉
概ね→おおむね、経つ→たつ、以て→もって、斡旋→あっせん、活かす→生かす、拓く→ひらく、想い→思い、捺印→押印、誹謗→中傷・悪口、罹災→被災、脆弱→もろい、絆→きずな、牽引→けん引、口腔→口くう、綴る→つづる、招聘→招へい
こと、とき、ところ、ため、とおり、ゆえ、などはひらがなで書く。
5 送り仮名の付け方
複合名詞には、公用文独特の送り仮名省略ルールがある。これは広報文ルールと異なるため、使い分けが必要。
●「送り仮名の付け方」「法令における漢字使用等について」に掲載されているもののうち、代表的なもの(前:公用文、後:広報文)
預り金↔預かり金、入替え↔入れ替え、受入れ↔受け入れ、請負↔請負(両者同じ)、打合せ↔打ち合せ、��上↔売り上げ、買入れ↔買い入れ、貸出し↔貸し出し、切替え↔切り替え、組合せ↔組み合わせ、差押え↔差し押さえ、下請↔下請(両者同じ)、締切り↔締め切り、立替え↔立て替え、手続↔手続き、問合せ↔問い合わせ、届出↔届け出、取消し↔取り消し、話合い↔話し合い、申込(み)↔申し込み、元請↔元請け
6 及びと並びに、又はと若しくは
大並び、小及びの原則。
ニ種類をandでつなぐときは及び。三種類をandでつなぐときは、○、●及び▲。
三つ以上の物事のうち、結び付きに大小がある場合、 小さな結び付きには「及び」を、大きな結び付きには 「並びに」を使う。そのため、「及び」を使っていない文では、「並びに」を単独では使わない。
「洋菓子及び和菓子並びにコーヒー、紅茶及び緑茶」であれば、
①洋菓子&和菓子 + ②コーヒー&紅茶&緑茶
大又は、小若しくはの原則。
「人を殺したものは、死刑又は無期若しくは三年以上の懲役に処する」は、
①死刑 or ②懲役刑(無期or三年以上)
広報文では、及び、並びに、又は、若しくは、を使わず、箇条書きへの書き換えを勧めている。
例)
洋菓子及び和菓子並びにコーヒー、紅茶及び緑茶
⇒以下の(2種類の)茶菓子と(3種類の)飲み物があります。
①茶菓子:洋菓子、和菓子
②飲み物: コーヒー、紅茶、緑茶
7 接続詞
・広報文で使わないほうがよい接続詞
→そして、それから、とにかく、いずれにしても、それで、だから
・使うほうがよい接続詞
→なぜならば、例えば、具体的には、つまり、したがって、このように
8 文を簡単にしよう
・一文は60字程度にまで収める。一文には1トピックだけ収め、接続助詞や中止法を多用しない。三つ以上の物事を並べるときは箇条書きを利用する。
・あってもなくてもよい語は削る。また、不要に重複する言葉は避ける。
・受身形をむやみに使わない。
・二重否定を避ける。
・日本語は、次の順で書くことが基本。①いつ②どこめ③誰が④何を⑤どうした
・係る語とそれを受ける語は近くに置く。指示語も、指示する語の近くに置く。
・wordでは、文章校正のメニューから読みやすさを評価してくれる機能がある。
・広報文では、〜について、〜の件、〜に関するお知らせ、は避ける。表題には具体的なキーワードを書く。
・結論から書くのが大切。起承転結ではなく序・本・論型の文章を。最も重要なこと(結論、結果)→詳しい説明(理由、経緯)→より詳しい説明の順。