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【著者の台湾ものの決定版と言うべき感動巨篇】三十代前半独身、声優になる夢に破れた未來は、祖母が生まれた台湾へ渡り、ひと癖もふた癖もある台湾の人たちと祖母の故郷を目指す。
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祖母が生まれたのは日本の統治下にあった台湾。入院した祖母に代わりに台湾へ行き当時の面影を探す未來。知らなかった台湾の歴史に触れながらそこで生活する人たちの思いにも触れていく。
未來の祖母は生まれた家を懐かしみ帰りたいと言う。私の母も帰りたいのは生まれた家。年を取るとみんなが生まれたところへ帰りたくなるのだろうか
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祖母の生地台南への旅、吹雪の時代を生きた人と、雪解後に育った若者との出会いの中で知る日本統治と国民党時代の日々。台湾の歴史と人々の思いに触れられる一冊
六月の雪は汽水に咲く欖李花(ランリーファ)
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76日本人の知らない台湾の近代史。とってもフレンドリーで温かい人たちの国で起こっていた様々な出来事に心打たれます。おばあちゃんが長生きして主人公が幸せになりますよう、祈るような作品でした。
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文庫本であるが、比較的厚く最初は少しためらわれたが作者乃南アサの文の読みやすさに助けられ、スラスラ読めました。
近くて遠い国、台湾。私などはその実体や歴史的事実を殆ど分かっていないが、これを読んだら前よりはそれなりに分かってきました。
台湾の複雑さ、そこに住む人たちの心情描写は、流石に上手。
私も台湾を旅行する機会があればなあ、と思いました。
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台湾にはまだ行ったことがないのだが、まるで旅している気分になれた。そして、行きたくなった。
主人公よりは、基本的な歴史を理解していたが、その時代を生きてきたからこその、人間性、苦しみ、など歴史の裏に存在するそれぞれの立場での思いや気持ちなどが、この小説を通して、より理解でき、身近に感じられた。
最後に衝撃的な事実を知らされるが、だからこそ、この物語の深みも余計に感じられる余韻が残ったのだと思う。
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主人公の未來と一緒に台湾の歴史、日本の統治下にあった時期前後の混乱を勉強しました。
表情の乏しい台湾人、豊かな台湾人、何が彼らをそうしたのか⁈
祖母の故郷台湾を一人で訪れた未來が出会った台湾の人々、食べ物、景色、歴史遺産が観光ガイドの様に物語を紡いでくれました。
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一緒に暮らすおばあちゃんが階段から落ちて入院した。その時に、おばあちゃんは昔台湾の台南で生まれ育ったことを未来に話していた。台南の家に帰りたいと言ったおばあちゃんの言葉に動かされ未来は思い出の場所台南へ1週間旅に出る。
台南では日本語を話せる人に出会い助けられながら、さまざまな日本時代の場所を巡る。戦争に勝って日本は台湾を植民地にして、日本人がたくさん移住し台湾人と共存した時代。その時台湾人は日本語を話していた。しかし、日本が戦争に負け台湾を去らなければならず、ほぼ全てのものを置き去りにして日本に帰っていった。その後に中国人が台湾を占領した時代もあった。
いまなお、日本時代の面影が多く残る台南に不思議な縁を感じながら、未来は祖母のためにたくさん写真をとり日本に帰る。
2020/08/02 12:08
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祖母の故郷、台湾を訪れることによって、異なる文化や生活習慣、さらには根深く現地の人々に残された歴史の爪痕を知ることになる主人公。入院している祖母のモノローグと、主人公の進行形の旅の様子が交錯して描かれ、時に双方の誰かの性格や人生が近似する様が面白く描写されていた。
蒋介石統治時代の悲しい歴史は、初めて知ることとなった。日本統治時代は日本語を強要され、日本軍が引き上げてからの時代は中国語を母国語とすることになる。母国語を自由に話せないなんて、現代の日本人には考えられないことである。
祖母の容態は楽観できないが、主人公が現況から一歩踏み出していこうとする矢先、悲しい事故が起きる。六月の雪をバックに写真を撮った4人の姿は、永遠には続かないのだ。目の前の現実を飲み込み、さらに一歩進んでいこうとする主人公の姿が爽やかだった。
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台湾について私も主人公の未来と同じ程度しか知らなかった。台湾にいつかは行きたい!と思える小説。特に台南。
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戻れない。
たとえ、どんなに望んでも。
戻れない。
どの時代にも、いつの私にも。
あるのは今。そして、今から先だけだ。
杉山未來
しかし、過去にはなりますが、それが心に生きている問は、出来事も人も死にません。
林賢成
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祖母の産まれ故郷 台湾へ向かった主人公。
初めて知った台湾の過去。そして現在。
そこで出会った人々。
暖かい思い、つらい思い。そして別れ
それでも前へ進もうとする主人公を応援したくなる
私自身、台湾のことをまったく知らなかったけれど
訪れてみたくなる1冊でした。
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こんなに近いのに
台湾のことを全然知らなかった
観光地としてではなく、
台湾の歴史をもっと知りたい
洪春霞ちゃん
言葉は乱暴だけど涙もろくて
一生懸命未來に協力してくれて
登場人物の中で1番好きでした
なのに・・・
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祖母の骨折をきっかけに台湾を訪れることになった孫娘を通して、台湾と日本との歴史的関係を紐解いていく。
台湾は親日派の人が多い、それは戦前戦中の日本の統治のため、と言われるが、終戦後の台湾の複雑な政治背景が多分に影響しているということがわかる。
すでに第二次大戦が終わり、今年で77年もの歳月が経ち、戦争が歴史上の一つの出来事になってしまっているが、生き続ける体験者、文化的影響は残っていると感じた。
小説としてはやや散漫な部分もあるが、台湾の知られざる一面を認識する一冊となった。
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祖母が台湾で生まれたと初めて孫の未來に話した日、祖母が階段から足を滑らせ入院した。
自分がついていながらという申し訳なさと後悔に苛まれる未來。
ふと、祖母が台湾の家に帰りたいと言っていたことを思い、自分が行って探してみようと台湾を訪れる。
父の元教え子の台湾人を頼りに、祖母の生まれ育った台南へ。
そこで出会った親切な台湾人の人たち。
そして、未來が知らなかった台湾の歴史。
何もかもが未来にとっては衝撃だった。
そこから未來も新たな夢を描き始める。
台南を訪れてみたくなる。
2023.6.4