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徹夜で一気読み。
ダメな父親、母親を本当に上手く描いている。
ダメなんだけど、こういう親は普通にいる。
ダメなんだけど、気づけば自分も同じように子どもに振る舞ってる。
子どものためにと思って精一杯やっているのに、子どものためになっていないことが多々ある。
幼い子どもを持つ身として、時々ふと思う。
明るく元気に育ってくれるのか…。
今はこんなに笑顔いっぱいに過ごしているけれど、ふとした事がきっかけで引きこもりになったりするのではないか。
いじめ被害に遭っていても、気づいてあげられないんじゃないか。気づいても解決してあげられないんじゃないか。正しく対応できないんじゃないか。
読んでいて、1ページたりとも他人事に思えなかった。まるで明日の我が身だ…。
子どもを見放すことだけでは、しないようにしたい。
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一気に読み終えました。
大澤家を見届けられた安心と同時に、現実のもっと多様な問題から、自分自身、目を逸らさずにいなければ、と強く感じました。
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ひきこもり問題についていろいろな情報を目にしたが、
ついに林真理子ほどの人が扱うテーマになったのかと感慨深い思いがした。
どんなふうな話になるのか、と期待してしまったが
やはりここまでだったかと申し訳ないが期待から外れた。
元々林真理子さんの話はファッション誌に連載されるようなポップな文体。そして時々、ファッションや生活様式に私には理解できないコンプレックスが表現される。
昔からそこが苦手で、好んで読むことは少なかった。が、今回はテーマがテーマだけに、骨太く書いてくださるのではと思ってしまったのだったが、
やはり、ポップなままであった。
話はひきこもりが中心なだけに明るくはない。
が、書かれていることのようにたやすく終わりを迎えられることでもない。
いじめが原因、というパターンは現実に多いだろうが、ここまで引きこもった本人が自分の気持ちをオープンにするのだろうかとも思うし、実際その事例はまだ軽い方なのではないかと思う。
8050と言いながら、話のメインは裁判だ。そこでクライマックスを迎えて、本筋から離れている気さえする。
実際はもっと深く、分かりづらく、解決方法は見つからないはず。
ただ、これは物語。と思えばこういう流れになるのはアリだし、さっと興味深く読めた。ただ、現実はこんなにポップではないと思う。
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初めての林真理子作品。
面白かった。
一気読みした。
涙した。
そして、子を持つ親として、この主人公のように、子どもに寄り添える親でありたいと思った。
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8050問題(80歳の年金暮らしに50歳の引きこもりがパラサイトするという社会)を題材に親子の絆を描いた作品。短編小説で引きこもりを扱ったものはいくつか読んだ事あったが、ここまでガッツリ、リアリティある作品は初めてだった。とても読みやすくスラスラ読めるのが特徴で単行本で400ページ弱でしたが、一気読みでした。
冒頭は社会問題だけに俯瞰的に他人事のように感じていたが、実際にあった元上級官僚が引きこもりの息子を殺害した事件を取り上げたりと、もしかしたら明日は我が身なのではという恐怖感も途中から味わえた。
トリックや伏線といったテクニックよりも構成、読みやすさを重視しているようで、とても良作だった。
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一気に読み終えた。引きこもりの子どもを抱える家族のそれぞれの気持ちがよくわかった。
いつの時代にもイジメはあるのにイジメは無いものとする学校の姿勢にがっかりしたし、今も同じように悩んでいる人がたくさんいるのだろうなと思った。
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心温まる家族の物語だった。序中盤のどろどろとした家庭崩壊の展開から終盤にかけてのカタルシスが大きい。特に翔太が入院後に裁判をしたいと決意するシーンが良かった。
中盤から登場した高井弁護士があまりにも頼りになりすぎて、何か裏があるのではと邪推しながら読んでいたこともあり、特に何もなくハッピーエンドとわかったときには喜びつつも若干の肩透かしを食らった。
読む前はタイトルからして引きこもり問題の話かと思っていたが、読んだ後はいじめにおける裁判の話という印象が強い。引きこもりの息子が更正するという話ではあるのだが、引きこもりの理由がいじめというわかりやすいもので、その7年前のいじめを訴えることができるということが主題になっているように感じたからだ。もちろんそれ自体が悪いというわけではなく物語として展開がわかりやすいからいいのだが、実際の引きこもりはどういった原因はいじめが多いのか、他にどういったものがあるのか考えるきっかけになった。
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良い。
8050問題の話中心かと思いきや、裁判の話が中心。思いがけなく面白い。
現代の課題、8050、引きこもり、いじめ。ほっとけない。
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題名的に、介護のお話かと思っていたがそうではなく、引きこもりの息子がこのまま引きこもったままだと8050問題になるというお話だった。
最後はハッピーエンドでよかった。
翔太の引きこもりの原因が、学校でのいじめにあり、裁判を起こすことにより、翔太が自分を取り戻していく。
いい弁護士さんに出会えたり、証言してくれる人たちも出てくれて、7年前のことだが、いじめがあったことが証明され、翔太が勝つ。
裁判所で、加害者リクトは、のらりくらりと質問をはぐらかしていくが、最後に、弁護士の高井先生に「あなたは、自分のやっていることが悪いことだって、わかっていたんですよね。隠さなきゃいけないほど悪いことだって」と言われる。
痛恨の一言。
本だとわかっていても、ほんと酷い!!と感情移入してしまっていたので、先生言ってくれてありがとう!と思った。
翔太が由依の結婚式に出席し、由依が選挙に出馬する、この兄弟いろいろあったけど、仲が戻ってよかった。最初由依ちゃん怖いわーと思ったけど、やはり弟のこと心配してたんだな。
現実には、この本のように、明確な要因があるわけではなく引きこもっている人もいるだろうし、明確な原因があっても、それを取り除くことができずにいる人もいるだろう。
フィクションであっても、希望が持てる内容でよかった。
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「8050問題」これは目の前に迫っている。福祉に携わる仕事をしている身として、小説とはいえ触れておきたいと思い購入した。
とても面白く、一気に読んでしまう中毒性もある。だが、正直に言えば8050問題については触れるだけ、影が見えるだけという印象が拭えない。実際に物語の軸は、主人公が8050問題に危機感を覚え、引きこもりの息子と向き合うというストーリーである。もう少し近年の社会の縮図や社会福祉についての話が組み込まれると思ったがあまりそのような描写はなかった。
しかし、小説としてはとても面白く、自分の将来についてもよく考えさせられた。
『どこかに入院させてよ。そして一生出られないようにしてよ』
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8050問題。
これから身近に起きる問題だと思う。
いじめはいつの時代にもあるもの。やられた方は何年経ってもその傷はいえない。
この本を読んで、人に対してはどんな時もないがしろにせず思いやりを持つことの大切さを改めて自分自身に言い聞かせた。
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2021/05/05予約 134
町の歯科医の大澤正樹の息子、翔太は有名中学に合格し、医師を目指すよう正樹から言われていた。中学校でいじめにあい、七年間も部屋に引きこもっている。
弁護士の以下のようなセリフで
「いじめの加害者はどのみち加害者です。加害者はいつまでたってもバカ。
目を閉じれば嫌なことを忘れられる。でも被害者は違う。
ずっとそのことを考え続け、自分を問いただし、賢人となっていく。
今バカと賢人を会わせないほうがいい。」
わかるけど、あまりバカと言う(書く)のもどうかと思う。
ところが、この父親が、加害者ではないにしろ、いじめに気付かなかったり、いじめのきっかけに実は父親の教えが関わっていたことに思いが至っていなかったことに気付き始める。
「バカ」だった父親が息子は「賢人」だったことに気づく。
翔太の姉、由依だったら、嫌な父親だと思うだろうな、と思う。弟が男であるだけで、医者になるよう言いつけ、姉を構わなかったこと。
姉は自分で道を切り開いていったが、弟だけ、こんなに手もお金も愛情もかけてもらえて、と言うひねくれた気持ちになってもおかしくない。
裁判のあと、翔太が急に前向きになり、一生車椅子は嫌だから、と前向きになったり、由依が議員に立候補するなど、ありえない程の急展開に驚くが、フィクションなので、そんな感じかな。
でも翔太は、裁判を起こしてもらえる親がいて、恵まれている。
7ヶ月待った甲斐のある本かと言うと、どうだろう。
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へんに話を
ひねったり返したり落としたりせず
ひきこもりやいじめの問題を
まっすぐ正面から
家族の再生の物語として
描き切っているのがよかった。
簡素な言葉だからこそ
当事者たちの心情が伝わってきて
とくに父親には最後まで
イライラハラハラさせられた。
読みやすくて面白かった。
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タイトルから、読み終わった時に暗く絶望的な気持ちになるのではないかと勝手に想像して、少し怖くて読むのを先延ばしにしていた本です。
そんなことはありませんでした。
著者が丁寧に描く、登場人物の言葉のやり取りや心の変化、そして社会の現状、引き込まれて読みました。
グイグイと読み進めてしまった分、気持ちが先走ったり、自分の考えを重ねたりした時に、文をちゃんと読み取っていないことも多かったのではないかと思うので、もう一度読もうと思っています。
過去を忘れたフリをしたり考えないようにしたりしてそれで前に進めることとそうでないことがある、未来の不安をただの漠然としたものとして感じながらも放置してしまいそうになる、
物語ではなく自分の問題と感じました。
現状をしっかりと掴まえて、必要な時に相手を思いやる距離感を持ちつつ家族や人と向き合いたい。
現実に対処する力強さと粘りを持ちたい、と前向きに思わせてくれた小説です。
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読みやすいので、あっという間に読み終えた。
ジェットコースターのように流れる展開に置いてきぼりにされた感じ。
感情移入とかはなく、よかったねと終わってしまった。