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脳科学者の中野信子さんと、「テルマエロマエ」などの漫画家ヤマザキマリさんの共著(ほとんどが対談)。誰かを生贄にして叩かないと気が済まない?現代のSNS社会が、脳科学と 古代イタリア・ローマの(ネロやフェデリーコ2世)歴史視点で語られた面白い作品。他人と自分を比較したり、個人行動ができない集団気質の日本人の心理について上手に分析されているのも面白かった。
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「異質者を排除する集団バイアス」に自覚的であることの大切さが、ずしりと胸に響きました。
そして「正義」の制裁を加えることに喜びを感じる、人の心のあり方について、魔女狩りを例にとりあげられていましたが、それは今でも当てはまることにはっとしました。
自分が排除する側にもされる側にもならないように、どのように振る舞っていくのがよいのかを考える、よい機会になりました。
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帯から期待した内容とは少し外れていました。
対談形式が読みにくいという訳ではないのですが、要領を得ない雑談のように思えました。
対談形式で思い出すのは、nendoの佐藤さんと漫画家の松井先生の本。お二方の思考やアイディアについてのお話は興味深く面白かったです。
今回のお二方は大変知識がある方とは思うのですが、それゆえに読者が置いてけぼりになる気がしました。というか私が知識不足ゆえ置いてけぼりになりました。
お二人はプライベートでも連絡のやりとりをすることと知識レベルが高く近いからかスムーズに応酬できていると思いますが、話していることが表層的に見えるというか、ツーカーの会話感がありました。
最後の方にはヤマザキマリさん個人のページ、後書きがあり、私はそちらの方が楽しめました。
特に後書きは、鑑賞したけれど自分の中にはない新しさ故に咀嚼し切れなかった映画『ノマドランド』に触れられていて、そんな見方があるのかと気付きになりました。
ヤマザキマリさんの映画の解釈が正解(というか誰か1人の解釈が正解と思っていないので)とは思いませんが、この本の内容からうまく繋がっていてなるほどなと思う解釈でした。
ちょこちょこ共感できる考えや意見が本著にあり、中でも共感したのは自分の考えを自分で言語化することをサボらないようにということ。
私はSNS廃人でとにかく情報収集を好むのですが、RTよくするしTwitterで見た情報を日常の会話で話すこともあります。
でもある日会社の人との会話で、これは誰と誰の会話だ?と思うことがありました。お互いが「伝聞」した内容を伝え合っていたからです。そこにお互い個人の意見はなく、「ネットで見た〜」「Twitterで見た〜」他人の意見を伝え合っていました。
そのときに違和感と恐怖感を抱き、自分の言葉で語る必要性を感じたのですが、RTと140字どころか数十文字でおさまる短文ツイートに慣れきっていて(こんな長ったらしい感想書く人間がいうこと?)自分の意見を書こうにも難しいなと気付かされることがありました。
購読記録になっていたブクログを、極力感想を書こうと努めるようになりました。下手の横好き。
そして、本著の中で書かれている正義感を振りかざして他人を追い詰める悪習、Twitterでよく見かけます。
善意に見せかけたものはインスタでも見ます。
人の興味を引きつける騒ぎやニュースが起きれば、個人特定されたりお気持ち表明ツイートをみんながし始めて自発的学級会が起きたりフォロワーが多い一般人がご意見版のように語ったりと一連の流れがもうびゃーっと起きます。
ネットという大海に投げ出されたものは全ての人がアクセスできることではありますが、誰彼構わず不躾にリプライしたり噛みついたりするものをたまに見かけると驚きますしショックを受けます。
善意の元に成り立つ理想イメージばかり輝いて先走り、機能が進化してもそれを使う人間は進化しないのかもと思わされます。
またインスタでは、悲しいことが起きた芸能人に対して「大丈夫ですか」「心配です」とコメントが群がるのを見たことがあります。
私もコメントをしないとはいえその事象を見にアクセスしてるわけでやな奴かもしれませんが、気遣いの皮を被ったリアクションを催促する野次馬に思えてしまうのです。
放っておいてほしいと思わないのかなと気になります。
かといって全てのコメントがそうでなく常日頃からコメントしてるようなファンの方のもあって…。
適切な距離感でSNSを通して人と関わる人もいれば、おかしな距離感をおかしいと思わず対面ではしない言葉遣いや態度で当たり散らす人もいて。
ネチケットの意識が普及するよりも早くSNSが一般層に広まった弊害かなと感じています。
最近印象的だったことが、ツールドフランス2021でカードを掲げた観客に選手が追突して玉突き事故を起こした件。
大会主催者側はその観客を訴えるとしてましたが本人が数日後名乗り出たことで訴えることはしないとしたそうで、それについて、「私たちは大げさに広まってしまったこの事態を緩和させたい。何よりも大事なのは、沿道の観客が今後気を付けなければならないというメッセージが一般に広まったことだ」と大会主催者側が語ったそうです。(https://www.designstoriesinc.com/europe/tourdefrance2021/ こちらの記事よりコメント引用)
なんと理性的で成熟したコメントと感動しました。
これが日本であれば、それでは気がおさまらない普段その大会をみていないような人が騒ぎ立てて個人特定までしそうで恐ろしいです。
交通事故を起こした会社に似た社名のところに電話が殺到して業務妨害となったことも、なんだかその嫌な日本人の性格をあらわすエピソードだなと思いました。
どこから手をつけていいのか、群衆の流れは大きな潮流となり操作できないとも思えるし、また声をあげようとする人を異分子として抹殺しそうな雰囲気も感じさせる今の日本。
かといって流され続け、思考も停止する訳にはいかないのでせめて自分はあらがおうと想像力を磨くことを諦めず意識していきたいな。
いつもこんなん。
他人に影響を与えられるほどの人物じゃないので、自分頑張らなきゃに帰結します。
P184 後ろから4行目。
「再現なく」となってますが「際限なく」なのかなと気になりました。
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知性溢れた方同士の会話を覗き見した気分。実に知的で羨ましい、、。こういう対話ができたらなあ。中野さん、ヤマザキさんとお話ししてみたいです。そのために磨きをかけとかないと。
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話題作だったので読んでみました。
著者ひとりひとりの章である1章と5章は面白く読みましたが、間の2.3.4章の対談部分は、知っている、分かっている、を前提とした読者を意識しない二人だけの会話が続くので分かりづらかったです。話もあちこち飛ぶしね。
古代ローマ史についてある程度の知識がないと楽しさ半減かも。今の世の中にはプチネロがあふれかえっている、と言われてもネロがどんな人か知らなければ前後の文脈で想像しながら理解するしかないし、フェデリーコ2世も頻繁に登場するけど、私には元々のイメージがないから二人が盛り上がっていても置いて行かれてしまったよ・・・
ただ、中世ヨーロッパの魔女狩りを例に、「正義」の名のもとに他者にどこまでも残酷に制裁を下す現代のSNS上の攻撃(→人類進歩ナシ)や、日本特有の「出る杭は打たれる文化」、ある意味宗教よりも厳しく縛られている日本の「世間体感」の話などは面白かったです。
また、努力を誉めるのではなく、頭がいい、といった能力について褒められると自信はかえって失われてしまったり、噓をつくことがわかっているというのも印象的。
最後にヤマザキさんが言っていた、想像力の欠如がいつでも人々を野蛮化させ、人間としての全体的な社会組織そのものの崩壊も招き入れかねない、地球という惑星とうまく折り合いをつけて生きていきたいのなら、そういった危機感をもっと日頃から感じるべき、という言葉はしっかり胸に刻みました。
多様性を認める世の中、ぜんぜんできてないねーと暗い気持ちになってしまいました。
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脳科学的な話や分析は そんなに多くない。
歴史上の出来事と今のコロナ禍の状況を 関連付けた内容。歴史の勉強にもなった。
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うーん。
2人の頭の中が悲観的&シビアすぎて未来に希望なんて持てないな…と不快だし気持ちが暗くなった。
脳科学はいずれ精神性の領域と融合していかないと限界があるという印象。
ちょっと、最後まで読むに耐えなかった。久しぶりに。
ペルソナという著者の本と2冊購入しているけれど、あちらもこんな感じ?!と思うと、ちょっとげんなり。
本を書けるような人なのかな?と思った。
限界を感じるし、数値や研究したものしか信じない人なのだろうなー、と行き詰まりを感じる。
あくまで個人的な感想です…。
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本書で書き留めておきたい言葉
「危機的な状況がおこれば、はみ出し者は生贄に捧げられてしまう、ヒトはそういうことをしてしまう生き物だから、知性でそれを押しとどめる必要がある」
「人間にはさまざまな解釈やものごとのとらえ方があるのだということを認めさえすれば、今後生きていくうえで全てを受け入れ、毅然と前に進んでいくことができるはず」
「地球という惑星の、大気圏の中で生きているという意味では、どんな動物たちもみな同じ仲間。群れとして生きるうえでの安心の基準はそれだけで十分」
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ちょうどこの本を読み終わった今、ツイッターである種のつるし上げが起きていて、まさに「正義の振りかざし」ってこういうことだとリアルタイムで実感してます。
今の時代は誰でも「正義」を振りかざしやすい環境であると知ることができて良かったと思っているところです。
印象に深かったのは日本ではツイッター利用者が多いこと。それは匿名性があるから。外国だとFacebookなど実名が多い。
それは国の風土や歴史からそういう傾向にあるという部分。
もちろん、お国柄なのでそもそも外国との比較はナンセンスですがそこまで陰湿な炎上は他国では起きにくく、日本では起きやすい。
そしてその日本に住んでる私自身も巻き込まれやすいし、炎上に加担してしまうこともある。そう思うとSNSの使い方は気を付けないとな…と思わずにはいられませんでした。
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<目次>
はじめに 中野信子
第1章なぜ人は他人の目が怖いのか 中野信子
第2章対談あなたのためという毒親
第3章対談日本人の生贄探し
第4章対談生の美意識の力
第5章想像してみてほしい
おわりに ヤマザキマリ
p161 相手に自分を理解してもらうより、自分が未知の
相手を知って、理解することに真の充足を覚えられる
人
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集団の中で多様性を許容せず、異質な存在を排除しようと常に生贄を探している、それをせずにはいられない。日本は強烈にその傾向があると思う。正義を振りかざし、他者を攻撃することで喜びを得る。下品である。
日本人は他国の人間よりスパイト行動(自分が損してでも他人を貶める行動)が顕著であるそうだ。それが協調を保つための同調圧力だとしても、息苦しいことだ。皆が意識を変え、妬みを憧れに、生贄にするよりも仲良くするよう変えていけば国の様相も変わるだろうと中野氏はいう。そうなることを願わずにはいられない。
以下メモ
・正義中毒になると痛みを訴える声は、ズルをするための訴えに聞こえる。苦痛に思う想像力が働かない。
・人間は他者に承認されないと生きていけない脳を持っている。孤独に慣れ、自分自身を評価する脳になっていない。
・日本における“世間体”は戒律。自分より群れ(社会)を優先せよという感覚。
・メンタルの訓練として自分に考えを言語化すること。他人の言説に安直に乗っからないこと。
・孤独とは単純に「群れない」ことではなく他人と価値観を共有できない、存在を認めてもらえないこと。
・正義とは他者の苦しみに無意識で手を差し伸べてこと意味をなす。
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コロナ禍で発生した正義論、日本人ならではの生贄を作る性質、古代ローマでも同様な関係があったとする斬新な切り口で語るエッセイ
ヤマザキ氏の夫からみた、海外からみた日本の姿も描かれていて新鮮だった
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前半面白かったが失速?迷走?した感じ。
一冊分語り合うことは出来なかった模様…
でも、考察のきっかけになる面白い視点多数。対談形式の割に、ちゃんと論が展開されていて読み応え⭕️
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#生贄探し #中野信子 #ヤマザキマリ #講談社α文庫
こわ〜いタイトルですが日本社会を客観的に見るのに良い本でした。正義と名の下に攻撃的になるのは心理学的にも歴史的にも事実なのですね。こわいこわい。自分もそうならないようにしないと!!と蛍光ペンでいっぱい線を引きたくなる一冊でした。
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最近の論壇で欠かせない存在のお二人。ネットで暴走する正義中毒などの行動を脳科学とイタリア文化の視点で語る。
最近良い意味で目立つ出る杭のお二人。脳科学の視点から人間の行動を語る。特にネットの進展、Twitterなど匿名で生け贄を探し叩く。ヒトの集団としての行動の特性なと、協調性、妬み、世間体など。
有意義な一冊でした。