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みんなのレビュー150件

みんなの評価3.9

評価内訳

139 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

「死」の生物学的・進化論的意味を理解

2022/05/05 16:23

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Haserumio - この投稿者のレビュー一覧を見る

一読、結論部分(下記に引用)については予想していた通りであったので、ビッグ・サプライズはありませんでしたが、丁寧な説明が理解を助けてくれました(にしても、185~194頁は理解できず)。ヒトの体もまた昆虫や魚類などと同様に一つの「プログラム」であり、物質代謝ワールドから逃れることができないこと、なのに何故かヒトだけがもつ「意識」(知性と云ってもいいでしょうし、共感力と云ってもいいのでしょうが)がやはり死の恐怖を生み出すことを理解した次第です。

「もし細胞が老化して死なないとどうなるか、想像してみます。細胞の入れ替わりが起こらないので、どんどん古い細胞が溜まっていくことになります。そして時間とともに細胞の中身の構成成分は劣化していきます。」(147頁、due to 活性酸素)
「幹細胞に蓄積した傷は、徐々に細胞の機能を低下させ、新しい細胞を供給する能力が低下し、老化した細胞を元気のいい細胞と入れ替えることができなくなってきます。これは取りも直さず組織の機能を低下させ、やがてヒトを死へと導きます。つまり、「幹細胞の老化」が個体の老化を引き起こすのです。」(153頁、DNAの傷が幹細胞の老化を誘導し、ひいては個体を死に追いやることになる(160頁))
「生命が地球に誕生する確率を表すのに、こんなたとえがあります。「25メートルプールにバラバラに分解した腕時計の部品を沈め、ぐるぐるかき混ぜていたら自然に腕時計が完成し、しかも動き出す確率に等しい」- そのくらい低い確率ですが、ゼロではなかったのです。」(39~40頁)
「生き物にとって死とは、進化、つまり「変化」と「選択」を実現するためにあります。「死ぬ」ことで生物は誕生し、進化し、生き残ってくることができたのです。化学反応で何かの物質ができたとします。そこで反応が止まったら、単なる塊です。それが壊れてまた同じようなものを作り、更に同じことを何度も繰り返すことで多様さが生まれていきます。やがて自ら複製が可能な塊ができるようになり、その中でより効率良く複製できるものが主流となり、その延長線上に「生物」がいるのです。生き物が生まれるのは偶然ですが、死ぬのは必然なのです。壊れないと次ができません。これはまさに、本書で繰り返してきた「ターンオーバー」そのものです。-つまり、死は生命の連続性を維持する原動力なのです。」(202頁)
ヒトが死の「恐怖から逃れる方法はありません。この恐怖は、ヒトが「共感力」を身につけ、集団を大切にし、他者との繋がりによって生き残ってきた証なのです。」(203頁)
「何よりも私が問題だと考えるのは、AIは死なないということです。」(211頁)

本書を読み終えて、人間誰にでも平等に起きる「死」は、哲学的・社会学的な含意としては人間の傲慢さあるいは過ちを遮断する最後の砦であるのかもしれない、と思ったりもしました。また、「死は生命の連続性を維持する原動力」という立論は一応理解はできるのですが、ではそういう原理なりメカニズムがなぜ生まれたのか(そうではない世界もあり得たのではないか、それは後知恵というか解釈に過ぎないのではないか)という疑問が生じてもしまった評者です。

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紙の本

日頃考えることは少ないけれど、誰もがドキッとする“死”について、生物学の視点で解説

2022/04/20 14:25

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ぴんさん - この投稿者のレビュー一覧を見る

私たちは、何もないときには「なんとなくあと何十年ぐらいは大丈夫かな」と、死があまり現実味を帯びてないと思います。ただ新型コロナで、連日の死者何名だと報道されると、死を最終的な人生のゴールとした場合には、ゴールの方から近づいてきたようなイメージがあって、ちょうどこの本が心に入ってきます。著者は生物学者なので、人の死だけを書いているわけじゃなくて、生き物全般に共通して存在する死の原理、原則について書いています。老化や寿命にかかわる遺伝子の仕組みを研究している著者。人間と共通の遺伝子を持つ酵母菌で寿命を制限する遺伝子を発見し、若返りや寿命の解明に挑んでいます。本書は、これまでの死生観を変える1冊。

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2021/04/20 14:35

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2022/06/20 14:59

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2021/05/03 15:39

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2022/02/26 10:46

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2021/08/09 22:31

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2021/05/05 13:35

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2022/12/20 19:15

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2021/05/10 13:27

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2021/06/07 16:50

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2021/05/21 22:26

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2021/05/27 21:13

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2021/05/30 21:38

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2022/04/16 05:13

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