電子書籍
読み応えあり。
2022/06/11 16:46
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:qima - この投稿者のレビュー一覧を見る
最初の本が出版されたときにも読みましたが、香港デモの話も加わった本書は間違いなく買いです。どのエピソードも読み応えありです。
紙の本
中国の今
2021/06/11 08:26
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なつめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
天安門事件以降の中国について、いろいろな角度から分析されていて、よかったです。ルポとしてわかりやすかったです。
投稿元:
レビューを見る
天安門の当事者が30年の時を経て、天安門と自分自身の歴史を今どう評価しているかをインタビューしたルポ。天安門の良し悪しや価値観を一方的に綴った作品とは一線を画す作品。天安門と香港や台湾の運動との結びつき(結びついていない側面)も描く。
投稿元:
レビューを見る
安田峰俊(1982年~)氏は、立命館大学文学部卒、広島大学大学院文学研究科博士前期課程修了のルポライター。立命館大学人文科学研究所客員協力研究員。大在学中に中国・深圳大学に交換留学した経験から身に付けた流暢な中国語を駆使した、中国関連の書籍や雑誌媒体、テレビ等での活動で注目されている。
本書は、2018年に発表され、大宅壮一ノンフィクション賞及び城山三郎賞を受賞した作品に、新章「〇七二一 香港動乱」を加えて、2021年に新書版で出版されたものである。
本書の題名の「八九六四」とは、1989年6月4日に、北京市の天安門広場に民主化を求めて集結していたデモ隊に対し、軍隊が武力行使し、多数の死傷者を出した「(六四)天安門事件」を指す。事件による死者数は数百人とも数万人とも言われる。
本書は、著者が、2011年以降、60人以上の中国人(当時、北京にいなかった人、それほど大変な目には遭わなかった人、事件に何も興味がなかった人なども含む)に取材を行い、なかでも印象深かった十数人の目から見た天安門事件の姿と、その後の生きざまを綴ったものである。
この事件は現代中国史の最大の汚点とされ、中国共産党は徹底した情報管理により(毎年その時期には、スマホ決済の送金機能で「六四」元や「八九.六四」元の金額指定が不可能になるほどだという)、事件を歴史から抹消しようとさえしている。特に、習近平体制となった2012年以降の中国は、「八九六四」以降で最も政治的に抑圧された雰囲気が強まり、スマホなどのデジタル・データや監視カメラを使った管理体制の強化も進み、著者によれば、今後、中国国内で本書のために行ったような取材は困難だろうという。
読了して、登場するそれぞれの人びとの話は大変興味深かったが、「八九六四」から30余年を経た今、最も関心が向くのは、香港と台湾の行方である。著者は、「『八九六四』の完全版を作るには、香港デモの取材と考察が絶対に必要だった。」として、本新書版に香港デモに関する新章を加えているのだが、香港国家安全維持法の施行により、香港デモが事実上崩壊したことは、(香港のデモ隊の前には、人民解放軍の戦車や兵士は現れなかったとはいえ)実質的な「八九六四」ともいえるものだ。「八九六四」のデモの参加者たちは、その後、様々な人生の選択肢を突き付けられて、逃れるか、忘れるか、寝返るか、あくまでも戦うか。。。各人たちの答を選ばざるを得なかったのだが、香港デモの参加者たちも今や同様の問いに直面している。また、いずれ台湾も同じ道を辿ることになるのかも知れない。(そうならないことを願うが)
民主主義の価値観を尊重するためにも、我々はこうした事件に強い関心を持ち続けなければならない。
(2021年5月了)
投稿元:
レビューを見る
天安門事件から香港デモへ...と副題にあり、興味を持って読みました。多くの人物が登場しますが、王丹氏やマー運転手が印象的でした。中国・北朝鮮・韓国・日本の同一性と相違性にたいへん興味関心があります...
投稿元:
レビューを見る
「完全版」となるにあたって2019年の香港動乱が追加蠡されたとのことで、再読。
中共の強権が強化されたことで香港社会、特に若者の生活空間の息苦しさは如実に増している。
今は半ば諦め不満は潜伏しているとしても、本土の経済が悪化し、縛りが緩んだ時にどのようになるのだろうか。