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将棋の世界をテーマにした短編集。棋士、師匠、将棋の記事を書く者、駒を作る駒師などあらゆる面から時に謎、時に無情、時に小さな希望などを描いている。なるほどと思ったものもあれば、やっぱり将棋のルールがわからないとわからないなぁというものもありなかなか難しかったが全体的には楽しめた。それにしても将棋をテーマにした話ってわりと重め(暗い)話が多いのは何故だろう。たまには明るい話を読んでみたいのだけれど…。
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よくもここまで取材したなという印象です。この作者は好きだけど将棋には全くという人はちょっと置いてけぼりになったのではないでしょうか。棋士の心理描写が凄いです。
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将棋についてはほぼ知らないので、実際の盤上の動きなど説明されてもまるで分らない。でもそんな状態の私でも、最初の「弱い者」の展開で心臓が痛くなるほど切なくなり、ぎゅっと芦沢さんの世界に取り込まれてしまった。表題作である2編目がまたたまらない。どうなるどうするどうするどうなるの末に!…。ほかにも、詰将棋の投稿作をめぐる話「ミイラ」、対局前検分で師匠の駒と採用を争うことになった駒師の話「恩返し」も好み。芦沢さんから想像していたのとは違う、必ずしも苦いばかりでない後味が逆に印象的だった。
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将棋をとりまく短編集
将棋のルールは全然わからないけど、将棋の世界の厳しさは伝わってきました。
盤上の向日葵も、また読み返したくなりました。
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将棋の対局ではないものがテーマの『恩返し』が一番面白かったのは、自分が将棋をわからないからなのだろうか。将棋を題材にしているのに将棋以外のところがモヤっとしてあまり楽しめなかった。
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2作続けて、将棋もの。ルールはわかるけれど、いきあたりばったりで打つことしかできないので、本当に棋士の方々の頭の中はまったく理解出来ない。年代がバラバラになっているので、魅力的なキャラクターがたくさんいるのに、繋がっているのかどうかわからないところも。もうちょっと続きが読みたいなぁと思いました。
2021/9/5読了
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「弱い者」
北上八段は石埜女流三段と一緒に被災者の避難所に将棋を教えに行った。将棋をしている間は皆が静かなので避難所での受けは良かった。指導将棋をしたり、被災者同士でトーナメントをしたりして、盛り上がった。トーナメントで優勝した少年と北上八段が対局し、北上八段はこの少年に可能性を見出す。しかし、少年は勝てる盤面で勝とうとしなかった。時間が過ぎていき、ボランティアに来ていた人達も帰る準備をしていた。どうするか迷っていると少年がいきなり投了した。
帰り際に石埜に聞かされた話では、あの少年は実は少女で、男の人に変なことをされたことをきっかけに避難所を移ったが、ここでも、ボランティアの人間に変なことをされているそうだ。その話を聞いた北上は避難所に引き返した。
「神の悪手」
奨励会で圧倒的な強さを誇る宮内に勝つためにどうするかをずっと考えていた。奨励会の上位2名入りするためには宮内に勝つ必要があった。そんな時ライバルでもある村尾が突然家にやってくる。俺は家にあげたくなくて村尾の家に行く。そして村尾から宮内対策の秘策を知らされる。
「ミイラ」
詰将棋の可能性、新しいルールの境地をひらく。
そして将棋のルールに対する不思議な所を突く。
「盤上の糸」
「恩返し」
これだけの作品を書くのにどれだけ将棋の勉強をして、取材したのだろう。将棋を通した人間性を描写している。
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神の悪手ではなく、人間が作り出した悪手である。悪手が全て悪いのではなく、その後どう振る舞うかが重要である。
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若干十四歳にしてプロ棋士になった、あの少年の話題は、テレビやネットで連日賑わっています。そもそも勝った負けたというけれど、将棋の駒は兵士で、八十一マスの戦場で争うボードゲームです。
同じく駒(ピース)を使うチェスとはルールで大きな違いがあります。将棋では、とった駒を駒台に置き再利用ができる点です。
言い換えれば、とった駒を殺さないで、味方に組み入れるのです。最終的な勝敗は、相手の玉又は王の逃げ道を封鎖し捕縛して敵将を屈服させて決まります。自分の駒台に玉又は王は置かないのです。
敢えて言うなら国盗合戦で戦国時代の物語のようです。
物語は五篇の短編集で、それぞれが独立した物語だが、前後して名前だけが繋がります。
目次は以下の通り、「弱い者」「神の悪手」「ミイラ」「盤上の糸」「恩返し」です。
一般に棋士とは、日本将棋連盟所属のプロ棋士を指し、三段までの棋力の者は奨励会といいます。
二十六歳の誕生日までに四段に昇級しなければ退会を命ぜられ、少年時代から研鑽し将棋一筋だった人たちにとっては、厳しい奨励会会員の規則がミステリーを生むのです。
読書は楽しい
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「将棋には、運が割り込む余地がない」(P28)
棋士や駒師など将棋に関わる人たちの人間模様が書かれた短編5つ。将棋の盤上がその人の人生を写し出す。
どの短編も面白かったけど、頭二つぐらい抜けて良かったのは表題作「神の悪手」。読む進めるページと比例して動悸が増した。
ミステリ要素がある作品たちだったので高速で読んでしまった。もったいない。
将棋が分からなくても読めます。面白いです。
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将棋に関わる人々を描いた短編集。アスリートにも似た己との孤独な戦いや迷いの数々、奥歯を噛み締める様を描いた「神の悪手」駒師と棋士、勝負にかけるそれぞれの葛藤を描いた「恩返し」
一夜にして白髪になるかの様な鬼気迫る作品だった。
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個人的に苦手な短編だが、けっこ楽しめた。すべて、将棋がらみの短編5つ。
「弱い者」「神の悪手」「ミイラ」
「盤上の糸」「恩返し」
一番最初の「弱い者」震災の避難所で性的虐待を受ける、将棋の才能に溢れた子供の話で、かなり社会的問題作でヘヴィーな内容だったので、ちょっと想像していたものと違って、へこたれそうになったが、「ミイラ」あたりから、テンポがよくなって、ササッと読了した。多分殺人犯になった奨励会三段の話、シェイカーズというか、映画”ヴィレッジ”(byシャラマン)の宗教バージョンのような島で特殊なルールの詰将棋を学んだ子供。事故のトラウマで認知障害をもつトップ棋士の話。駒師の話。こうして、一言で書いてしまうと、うまくないのだが、細かく書くのもネタバレでおもしろくない。面白い目線の文章がちらほらと刺さってくる、全体的にとても優しく良いんが悪くない、短編なのが残念。個人的にはミイラと駒師の話が一番印象にのこった。
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将棋をテーマとした短編集。時代を遡っていくので最後何かつながるのかな?と思ったけどわかりませんでした。
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26歳までにプロになれなければ退会――苛烈な競争が繰り広げられる棋士の養成機関・奨励会。
リーグ戦最終日前夜、岩城啓一の元に対局相手が訪ねてきて……
追い詰められた男が 将棋人生を賭けたアリバイ作りに挑む表題作ほか、運命に翻弄されながらも前に進もうとする人々の葛藤を、驚きの着想でミステリに昇華させた傑作短篇集。
(アマゾンより引用)
面白くはあったけど…
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まあまあおもろかった!将棋の世界のことはそこまでよお知らんけど、ほんま鬼のすみかみたいな感じなんやろうな・・・