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今までの3作に比べると文章も筋書きもわかりやすくなった印象。
早い段階で犯人の予想が立ってしまったけれど、それでも最後まで楽しめた。
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このシリーズも何作目になるのだろうか。最初の方はWOWOWのドラマで見たものだから、読み出したのは前前作ぐらいからである。今回は真琴と古手川の事件簿みたいに短編が続くが、徐々に光崎教授の過去に起こった事件に絡んで行き、殺害予告を起こしていた意外とも思える人物が炙り出される。いつものように軽快な文章は澱みなく読め読者には優しい作家である。しかし予算がないからと言って司法解剖もなされず病院においても死亡解剖などほとんどされない日本のお寒い状況、これで見逃されている殺人もあるのだろうなあ。
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【収録作品】一 老人の声/二 異邦人の声/三 息子の声/四 妊婦の声/五 子供の声
光崎教授の話は予想どおり、逆恨みというか言いがかり。
一話は犯人が余計なことを、と思う。二~四話は現代社会の世相を反映している。五話はひどすぎる。
犯人(に限らないけれど)は、自分を正当化する言い訳がほしかっただけなので、光崎教授の一喝は見事。
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本来ならば、司法解剖を受けるべき不審死も
今の日本では予算と人手の関係で事件性なしと判断されてしまっているそうだ。
それって何ごともなかったように、殺人犯を野に放っているのと同じことなのよね、、、怖いじゃないの。
捜査一課の刑事と法医学研究室助教のコンビが
死者の声を聴こうと奔走する姿が爽快です。
そして最後に水戸黄門の様に登場する光崎教授
マジかっこいい。
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シリーズ第4弾は連作短編集。これはこの形式じゃないと成り立たないストーリーで面白かった。解決までの展開が素晴らしい。光崎の過去が事件の発端になっているが、反省しても後悔しない姿勢に感銘を受けた。
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このシリーズを読んで初めて知った、解剖に絡むお金の問題。今回はテレビ出演した光崎教授の発言に対し書き込まれた、自然死に見せかけた殺人の犯行予告という形で話が始まる。自然死とされ司法解剖に回されないご遺体を何とか解剖し、声を聞こうと古手川刑事と助教授真琴が奮闘。老人、異邦人、息子、妊婦、子供。無念の遺体の叫びが浮き上がるたびやるせなくなった。光崎は本当に凄い。私は彼が犯人にかけた言葉より、吉住に最後にかけた言葉が重かった。被害者が子供のケースは本当に胸が痛い。
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シリーズ第4弾。
5話からなる短編集。
法医学とは。
解剖医とは。
警察も臨床医も解剖医も関わる人達がこうあってほしいという願いがこめられたシリーズ。
どうにかしてあちこちの膿を出し必要なところへ予算をつけてほしいものです。
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ヒポクラテス シリーズもの。
短編、真夏の事件。
それぞれの短編が、一つの大きな事件の犯人を追っている。シリーズの誓いや憂鬱の構成と同じ。
『老人の声』は、私も真琴と同様に経験者なので、真琴と同じタイミングで、真相わかった。
真夏ならではの事件。親の心理としてはわかる…
『息子の声』も酷い話。
そこまでして?って思う。
最後の事件の真相がわかると、本当に犯人のクズっぷりがわかる。
光崎が最後の方に犯人に放つ言葉。
まさに、それ。
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連作の短編集を読んでいる感じ。光崎教授宛てに来た自然死に見せかけて殺人をするという犯行予告。自然死か殺人か、事件性のある遺体を調べていくという展開はなかなか面白い。次から次へと不審死を探っていくけれど、自然死でも色々な出来事があったり人間模様があったり。今回はさほど驚くような展開はなかった感じか。何となく怪しい人物もすぐにわかる感じでちょっとラストは盛り上がりに欠けたか気がするが栂野&古手川コンビがいい感じではある。
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解剖医は、遺族の声より先に死者の声に耳を傾けるべき。
生きている人間は放っておいても喋る。
本作はヒポクラテスシリーズ4作目だったが、過去作読んだことなかったので、これを機に読んでみたくなった。
1.老人の声
浦和医大の光崎教授のテレビ出演のクレームに混じって、自然死にしか見えない殺人を侵すという予告がテレビ局に届いた。
その直後、老人が自宅で死亡した。解剖する必要があるのか?
老人宅に同居している夫婦の言動に懸念を抱いた古手川刑事は司法解剖を決める。その結果熱中症ということがわかったが、これは殺人なのか事故なのか?
2.異邦人の声
技能実習生が休憩中に倒れて亡くなった。肝臓がんと処理されそうになったが、解剖の結果、殴打の跡が見つかった。
3.息子の声
山道で自損事故かと思われる遺体が発見された。
問題なさそうに思われたが、両親がいち早く荼毘にふしたいと、懇願のような雰囲気があり、怪しい。
死んだ息子には高額な保険がかけられていた。しかし解剖をする理由が見つからなかった。そこで刑事の古手川は自らを実験台として同様の事故を起こしてみると遺体とは状況が異なる。この結果を受けて解剖に回されることになった。
その結果農薬による毒殺ということがわかった。両親の犯行であった
4.妊婦の声
西川口の路上で、女が嘔吐、下腹部から流血して死亡したが、熱中症として処理されるところだった。
しかし、実際は粗悪な堕胎薬の服薬によるものだった。
なんで妊婦ってサブタイトルにつけてしまったのか?
5.子供の声
光崎教授がいる浦和医大の産婦人科で、婦人科教授の吉住の生後5日の赤ん坊が死んだ。
吉住の家族は解剖に反対したが、吉住の妻が光崎のかつての上司 蜷川教授の娘ということがわかり事態は急転、祖母の介護者 宍戸がかつての事件の関係者だった。
結末は宍戸が蜷川と光崎への復讐のために計画したものだった。
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過去の1つの事件を背景に、いくつかの事件を短編にして絡めた構成。
見過ごしてしまうかもしれない部分から、巧妙?に事件を解明していくプロセスは全容が分かると案外単純だが、解剖に持っていくまでの遺族側と警察・解剖医とのやり取りが興味深い。
不器用ながらブレない芯を持っている登場人物には好感が持てる。
生きている人の声は何もしなくても聞こえるけれど、亡くなった人の最後の声は、耳を傾けないと聞こえない。
そうだ。そうだよね。
こういう医師も必要。法医学の地位が世の中でもっと確固たるものになるといいな。
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章ごとにまとまってるので読みやすい。
犯人はすぐわかったけど、
教授の言うとおり、
そこを攻撃してはならない。
恨みがつのるとヒトも鬼となる。
その鬼を生んで、
無垢な者の命が失われたからこその悔恨。
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読みやすい短編集でスルスル最後まで読み終える。あの人怪しいよな〜と予想した人がアレで滅多に推理の当たらない私としてはとても嬉しい!!
シリーズ物は安定感があって良い。
そしてら光崎は相変わらずカッコいい。
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連作短編集。
光崎教授の出番は少ないのに、すごい存在感です。
「自然死にしか見えない殺人事件」とあったので、解剖まで持っていけば死因の解明をしてくれていましたが、解剖の承諾を得る過程で古手川刑事と真琴先生の奮闘が短編ならではのスピード感で書かれています。
弱者が虐げられている事件が多く後味がいいものではありませんが、死者の声を聞く法医学教室の先生方には頑張ってもらいたいです。
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シリーズ第3作。文庫化されたので購入。エキノコックスという日本だと北海道などに生息する寄生虫が肝臓がんを引き起こし、それがパンデミックに発展するのではということになり調査が行われていく。その中に都議会関係の人間たちという共通点があり、それをたどっていくことにより真相が突き止められた。あくまでも架空の人物とはいえ同情もわかない人間たちだったのですっきりした。