紙の本
かこさんの遺言
2021/09/18 23:01
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投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
だるまちゃんやからすのパン屋さんシリーズでしられる、かこさとしさん。私はどろぼうがっこうシリーズが好きですが、いずれにしても、真正面から戦争を取り上げた作品はなかったように思います。
今年出されたこの絵本は、かこさんが60年以上前に自身の戦中の体験を紙芝居として残していたものだそうです。
長女の鈴木万里さんがコロナ禍で自宅を整理していて見つけたといいます。
1944年秋、18歳だったかこさんが見た銃後の社会が、淡々と、しかし悔恨の念が、クレヨン画で描かれています。声高に訴えはしませんが、心にじんわり伝わります。
夏ではなく、秋であることも、戦争が夏だけのテーマでないことを教えてくれます。
子どもへの読み聞かせにもいいと思います。
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8月15日終戦記念日にこの本の存在を知りました。
もう何の迷いもなくお迎えした「秋」をご紹介します。
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3年前92歳で亡くなった「#だるまちゃんシリーズ」で親しまれている、かこさとしさんご自身の戦争体験をもとに描かれた未発表作品です。
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コロナのステイホームで発見され、構想から68年を経て世に出るオリジナル作品。
もともとは紙芝居だったようです、絵本作家としてデビューする前のもの、何度か絵本化を試みるもできなかったとのことです。
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かこさんが憎んだ「戦争」を子供達に伝えたい一心で、いつもとは違うタッチで描かれています。
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コロナやオリンピックや……今世界が1つになる時と言われているこの時期に、天国からのかこさんのプレゼントですね!
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戦争への怒り、憎しみ、哀しみ……かこさんの思いすべてが伝わってきます。
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ページをめくると、そこには「秋」が!
クレヨンで描かれかこさんの思いがここにあります。
澄み切った爽やかな空の色
そこに揺れるコスモスのピンク
暗い影をおとした戦争の黒
これは是非ともページをめくって見て頂きたい!
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平和を願うかこさんの思いを、子供達に伝えたいと思うかこさんの思いをしっかり心に刻みました。
かこさんありがとう!
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#講談社
#かこさとし秋
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最初に、
表紙、裏表紙を見て、覚悟を決めて読み始める。
かこさとしさんの長女鈴木万里のあとがきと、新聞記事を読んで再度グッとくる。
戦争で得をする人はいったい誰なのかと…
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かこさとしさんの新作です。
読み聞かせ初の戦争ものとして選びました。秋、日常の風景、若き感情。途中で言葉を詰まらせてしまいました。
かこさん本当に色々な絵本ありがとうございました。
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昭和19年晩秋、青く晴れわたった皇居上空。 米軍のB29に体当たり攻撃を敢行した日本軍戦闘機の操縦士が、機体から離脱するも、落下傘が開かず墜落死。この痛ましい惨劇を目撃した<かこさとし氏(1926-2018)>が、夥しい犠牲者を悼み平和の尊さへの想いをこめた、手書きの紙芝居<秋>をもとに、〝子どもたちへ、今こそ伝える戦争〟として改訂出版された絵本です。
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図書館本。読み聞かせ用に借りてきましたが、息子達にはまだ早すぎるかな‥怖がるかなと思い、まずは自分だけで読みました。加古里子さんの断固として戦争に反対する強い強い思いを受け取りました。必ず息子たちに語りたい。語らなければならないと切に思いました。
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かこさとしさんの生前に出版されなかった戦争の絵本
かこさんは生涯を通して秋が大好きでした
しかし、昭和19年の秋はとても嫌な秋でした。
当時18歳、高校生だったかこさんも兵器工場で働き、勉強など出来ない毎日でした
衣食は十分にゆきわたらず、各家庭ではカボチャを作ることを奨励されていました
かこさんは盲腸で入院し、チョビひげ先生、おでこ先生の手術をうけしばらく入院となりました
病室では怖い看護師(?)のおばさんに世話をしてもらっていたのです
いよいよおでこ先生にも召集令状がきました
・その他、飛行機から真っ直ぐに地上に落ちた兵隊さんのことなど、自ら体験されたことを、人を殺していく“戦争”への怒りと、戦争のない秋の美しさを
〇戦争の下描きの線の太さと、朴訥とした秋の美しさ
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「かこさんに、こんな作品あったっけ?」と軽く手にとったこと、
その軽さが自分の人間の軽さに思えた「戦争」のお話です。
表紙を「ちゃんと」見れば、わかるのにね。
「秋」というタイトルをつけられたこと、
語り尽くせぬかこさんの想いが感じられます。
内表紙の手書きタイトル「秋」が、ものすごく印象的。
構想68年、発掘くださった長子、鈴木万里さんに感謝です。
絵本とcafeゴルディロックス さんで、読ませていただきました。
はからずもこの日ここで読んだ別の絵本も、「戦争で得をする人は誰なのか」というテーマでした。この問いに、誰か答えてほしい。
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秋が一番好きな季節、訳は、と続く明るい導入から、
筆者が高二、戦時中の暗い秋の話へ。
平和への思いが込められた一冊。
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季節の中では著者が一番好きだという"秋"を、とてもきらいでとてもいやな"秋"になってしまった、昭和19年の出来事が描かれた絵本。クレヨンでかかれた硬い感じの絵が、当時の生活などの苦しさを表していると感じた。
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私も季節の中では秋が一番好き。
でも昭和19年の秋は、かこさんにとって、とてもいやな秋だったそう。
「翌年、日本は負けて戦争は終わりました。
それからくる年ごと、
さまざまな秋がめぐってきました。
つらかったり、さみしかったり、
くやしかったり、切なかったりしましたが、
ただひとつ、
戦争のない秋の美しさがつづきました。」
高学年への読み聞かせに。
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名作を見つけ出してくださった、かこさんの娘さんに感謝です。戦争を自分ごととして捉えるきっかけになるのではと感じた。自分含め戦争を知らない世代に読んでほしいし、自分に子どもができたら読ませたい。
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2018年に亡くなったかこさとしさんの未発表作。
2020年、コロナでステイホームの最中に長女の鈴木万理さんが見つけた。
かこさんは秋が特に好きな季節だという。
でも、その秋をとても嫌いになったときがあった。
その理由は昭和19年、18歳の時…。
語られる出来事は、令和の時代に安穏と暮らしている私には想像しかしようのなく、つらく耐え難い。
一見何が書いてあるのか分かりにくい、表紙の絵の意味に触れたとき、涙がこぼれた。
辛いからこそ笑っていた戦時中の市井の方たちに敬意を覚えながら、その方たちに死と悲しみをもたらす戦争というものの正体ってなんだろうと思う。
今でも世界中で戦争や紛争が続いている。
止められない。
やめられない。
人にはそれぞれに守りたいものがある。
ゆずれないものがある。
守りたいものを守るために武器などいらない世の中に早くなってほしい。