紙の本
SFミステリー
2021/07/25 10:58
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投稿者:JUN - この投稿者のレビュー一覧を見る
専門用語がいっぱい出てくるが、
何も気にせず読めばいい。
頭脳明晰な人の特長(?)で、
三雲先生も、主人公の凌も
たくさん解説してくれるから。
雰囲気だけでも掴めるはず。
さて。
メインとなる
「宇宙での墜落死」は何故起きたのか。
無重力で墜落って??となるものの
ラストの種明かしで
「そう来たか!」と驚かされる。
先入観とか価値観が覆された。
また、人間関係の心理描写も上手く
一生懸命な舞衣と凌の涼しげな関係が
妙に心地よかった
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SFミステリの傑作。これはどう考えてもそうだから、言ってもネタバレにはならないと思うが、ゴリゴリの物理トリックによる不可能殺人物。クローズド・サークルと言うなら、これ以上のクローズド・サークルはないけれど。デジタル上の人格コピーと本体との関係をめぐる考察や、人はしを何故恐れるのかという問答などSFならではの思弁も展開されるが、お話の構造そのものは、ほぼミステリのもの。これは最近のSFの歪さの言うべきかも知れないが。
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懸賞で当たったニ泊三日の宇宙旅行。しかし、条件が「期間内に結婚予定であるカップル限定」ということである。従妹の麻衣に半ば強引に偽装結婚という形で宇宙へ行くことになった。宇宙ステーションに到着し、見学していた矢先、奇妙な事件に遭遇する。無重力状態なのに墜落で見るような傷跡や与圧服を着ている死体。謎を解くため、調査をする。
1999年に始まった日本SF新人賞。その第1作に受賞された作品です。
近未来を舞台にしたクローズドサークルもののミステリー小説です。昔、読んだかどうか曖昧で、今回徳間文庫から最新刊で発売されたということで、改めて読んでみました。
2000年当時は、遠い未来だと思っていた技術や物だったのに2021年現在、改めて読んでみると、アバターやAIといった、もう目の前に存在している技術や遠くない未来にある技術もあって、時の流れを感じました。
タイトルの「MGH」ですが、何かの略称ではなく、物理の分野に使われるものです。事件の鍵を握るキーワードになっているので、ここでは省略いたします。
舞台は宇宙ステーションです。作品で描く宇宙での雰囲気がどこかノスタルジックといいましょうか、自分が子供の頃にアニメで見た「未来都市」を彷彿させる感覚がありました。
そこで発生する、無重力なのに墜落死など現場ではあり得ない状況をどう解いていくのか。宇宙空間ならではのトリックで解決していく過程は、思わず「へ〜」と思ってしまいました。
なかなか、そのトリックが本当にできるのか疑問はありましたが、一味違くて楽しめました。
一応近未来の宇宙ということでSFですが、ミステリー色の方が強かったです。
ストーリーとしては、もう少し伏線を散りばめてもよかったとは思いましたが、基本的なミステリーの「型」に嵌りながら、宇宙空間という一味違った要素が加わって、面白かったです。
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トリックが明かされてもアホな私にはピンと来ず...分身が存在するミラーワールドは、リアルになりつつあるのかなと思った。
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三雲岳斗『M.G.H 楽園の鏡像』読了。
従妹の策略により"偽装"新婚旅行で宇宙ステーションにやってきた研究者が無重力空間での"墜落死"という不可能状況に挑む本格SFミステリ。
主人公は材料系ということで施設内の部材をやたらと気にしたり、さらにはそこから考察したり"材料屋"あるあるだよななどと。それにしても三雲岳斗は経歴上は文系のようだけれど、いろんな構造物の組成にあれやこれやと言及するのは材料メーカーないしは材料技術の人間っぽいんだよね。材料系のラノベなりなんなりを書いていただいてそちらの分野に優秀な若者を導いていただきたい。
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この著者の作品を読むのは三作目ぐらい。物語の舞台は多目的宇宙ステーション。そこで墜落死したとしか思えない死体の出現。これは事故か?それとも殺人なのか?という、設定を見ればわかるようにSFでありそしてミステリでもある作品。一種のクローズドサークルである宇宙ステーションという舞台もミステリファンである自分の琴線に触れたが、それ以外にも犯行のトリックやそれに至る動機までもきちんとミステリの常套を踏襲しており、SF作品としてだけではなくミステリ作品としても一定の水準を超えた上質な作品だった。
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トリックはピンとこなかったがキャラクターは好みで、メイン二人の恋愛がどうなるのかと最後までドキドキしました。動機が憎くて殺すのではないので、ちょっと珍しかったな。
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59点:「夜が遅い?なんで?」
主人公は探偵でないため、犯人には興味がないけど(下手に推理したら逆恨みされる)トリックは気になる(宇宙で墜落?)という縛りがいい。宇宙ステーションに使われている材質がどういうものか蘊蓄を言ってくれるのはSFっぽさを味わえていい。事件の被害者が特に共感できる人物ではなく、主人公にすぐさま危険が迫ってるわけでもないので、偽装新婚旅行のラブコメ展開を楽しめるか否かが最後まで読み切れるかどうかの資金石。
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宇宙空間で衝突(落下)事故っぽい死体、というのがすごくワクワクさせる。
が、トリック自体は宇宙ステーションの内部構造を把握していないと解けない気がするが、
そんなに情報あったかしら?