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村上春樹の音楽批評で読んだ3冊目。ジャズ、クラシックの好きな演奏家・作品を絞ってかなり深く分析した本「意味がなければスイングはない」と、小澤征爾という一人の音楽家と対峙した対談本、そして今回。
前の2冊に比べて今回は浅く広く。
「スイング…」と共通するのはいわゆる大名曲の大名盤は避けられ、小さなもの、ひっそりとしたものへの好み。それは100円とか$1で買ったという嬉しそうな記述が、一冊の本に何回も出てくるところにも表れている。
音楽が染み付いている人だけあって、先入観なく虚心に聴き分ける感覚はすごく、押し付けがましさはまるで無いが、なるほど見習いたいという気にさせる。
以前、平成に没した昭和の「大」知識人批評家の音楽論を読んで気分が悪くなったことがあって、その理由は音楽を聴いているというよりその音楽家への評論を土台にしたいかにも観念的で晦渋な評論だったこと。昭和インテリの典型的批評で音楽そのものは置き去りになっていた。
まず音楽をまず虚心に聴くという意味で、この昭和インテリの聴き方とは対極。音楽が身近に聴ける世代の変化とはいえ隔世の感がある。(ネットでサブスクでより簡単に聴け過ぎるところから出発した世代はどうなるのだろう?)
「スイング…」のシューベルトでかなり辛辣な感想を述べられたリヒテルがここでは好意的。てっきり苦手な音楽家の一人だと思っていた。
面白いのはストコフスキー、マルケヴィッチ、若き日のマゼールという一部に絶賛され多くの批評家が眉を潜めたアクの強い音楽家が好まれていること。
さらにフルトヴェングラーは伴奏の一枚のみ。オペラもマイナーな一曲。ワーグナー、ブルックナーは入らない。
これもひっそりとしたものへの好みなのか、大作はあまり好みではないのか、あるいは一冊の本としてそういう演出を取っているのか。
「スイング…」と比べて一番見方が変わったのではと思わされるのは小澤征爾。最も登場枚数が多く(たぶん)、批判的な言及は殆ど無い。「スイング」ではプーランクのマイナーな?曲で取り上げられ、その立派さが残念な意味で語られていたのにw。
これは明らかに何度か直に会って話し合った影響だろう。やはり人間は直接会うことによって感じ方も変わる生き物なのだww。
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村上春樹さんの、おうちにあるLPレコードの内訳は、
ジャズが7割、
クラシックが2割、
ロック・ポピュラーが1割。
小澤征爾さんがたくさんあって、若い。
村上春樹さんのクラシックレコードに対する愛情を感じた。
私はApple musicのサブスクで音楽を聴いている。
検索すると出てくるので
聴きながら読んだ。
邦楽ロックが好きだが、
たまにはクラシックもいいなぁと思う。
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絶滅危惧動作図鑑を読んだ後で、レコードを選ぶ、レコードをかける動作をした最後を思い出せません。絶滅する動作は工夫を重ねてきた動作の傾向があるようです。新着やランキングで曲を聴いているばかりで、中古屋さんに入る、ジャケットを眺める、プレーヤーのお手入れをするといった勘どころを鍛える動作はスマホを持った時からなくなったなあとあらためて気付きました。
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いくら村上春樹ファンでも、クラシックに詳しくないと楽しめません。マニアックな雰囲気だけ楽しみました。
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3.0 ほとんど聴いたことないが、文の力で読ませてしまう。少しずつでも聴いてみようかなと思うエッセイ。
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100曲のクラシック曲について4~6枚づつ、村上春樹氏所蔵のLPレコードを紹介するというもの。1940~1960年代のものがほとんどで、モノラルも多い。名前を知っていても聴いたことがない演奏家が頻出する。ほうほうって感じかな。まあ、クラシックが好きだから面白いんだけどね。
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紹介されているクラシックをコツコツ聴きながら読了しました。世の中にはまだまだ知らない(当たり前だけれど)素敵な音楽があります。知っていると人生が少しだけ豊かになると思います。きっと。