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ジェンダーも貧富も国籍も多様性があるのは良いことだといろんな場面で言われるけれど、それはいつだって衝突の原因になる。いいことかと言われるとわからないけど、多様性は無知を減らす。日本ではジェンダーについて最近は話題が多いけど、貧富はどうなんだろう。わからないところでお腹を空かせた子どもたちがいっぱいいて、その人たちの声は小さいから話題にならない。その声を聞くことが無知を減らすことになる気がした。
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現代の多様な社会を生きていく上でとてもタメになったし、自然と考えさせられた
エッセイ調でとても読みやすいバイブルだと思う
第2弾が待ち遠しい
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本屋大賞 ノンフィクション本大賞を受賞し、多くの読者から高い評判をうけた作品であることに興味を持ち読み始めた。読み進めるにつれて作者から投げかけられたテーマの重大さにもかかわらず、ますます引き込まれ考えさせられ、ワクワクしている自分に気付かされる結果となった。主要テーマとなっている社会や集団の「多様性」と「均一性」の問題にしても、私の建前と本音の矛盾に気付かされてしまい苦笑してしまった。久しぶりに小説以外の図書を読み、様々な感銘を受けた。
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ちょっとクスッと笑えたり、深く考えさせられたり、とても感情があっちこっちに動いた。
日本でも「差別はいけないよ」「多様性を認めよう」という考え方は当たり前のようにあって、
私も理解していたつもりだったけど、実際に海外に住んでいる人が見ている景色は思っている以上にリアルで、
思っているのと体験することでは全然違うなと思った。
最初の方を読んでいるうちは、海外の人種差別的なものは思ってた以上にあるんだなと思って、読み進めていくうちに、著者の日本での体験でも差別的な経験をみて、
表面的には「少なくなってきているもの」でも、奥をのぞいてみるとすぐそばにあるという現実があり、
とても深く考えさせられた。
「カテゴリ」分けすることによって差別が生まれたり、仲間意識が生まれたりする。
それによって悲しむ人や涙を流す人がでてくるのであれば、
それならいっそのこと、カテゴリ分けせずに「人間」というものだけあって、ただただシンプルに「人間同士協力していこうよ」となればいいのに、、、と思ったりもした。
(そんな単純な話じゃないけど)
種類わけは時に便利で、役割分担ができていいんだけど、
それは、その種類分けの前に、前提に「みんな同じ人間なんだから助け合って行こうね」という気持ちがあってこそ、
平和に成り立つのかなと思った。
人が集まるとどうしても「種類分け」ができてしまって、
そこに「優劣」というジャッジまでついてくることがある。
本当に「人間」としての価値は優劣とかではなく、
存在そのものが素晴らしいのにな。
特に心に残った文章が二つある。
「僕は、人間は人をいじめるのが好きなんじゃないと思う。…罰するのが好きなんだ」
「表出する」ということと「存在する」ということはまた別ものなのだから。
別の角度からの学びもあった。
本文の中でも、著者と息子さんが色んなことについて話をしているけど、そんな関係性がまず素晴らしいなと思った。私も子供がいる身として、色んなことを、ジャッジのない価値観でニュートラルに会話をしていきたいなと思った。
本を読んでよかった。自分の知らない世界を体験することができた。そして、シンプルに「人間」を尊い存在として大切に、一人一人と向き合っていきたいなと思った。
今回の色々な問題ははっきりと白黒つけれるものではない。すぐに解決できるものでもない。
そもそも解決というような白黒はっきりさせるものではないのかもしれない。
色んな角度から、広い視野を持って、常に自分自身にも問い続けながら向き合っていきたいと思った。
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タイトルのイエロー、ホワイト、ブルー。これは何を示しているんだろう、労働者のこと?でも、イエローカラーなんてあったっけ?
そんな疑問から大分前から気になっていた本書ですが、文庫化してくれたのでようやく手に取りました。
タイトルは、中学生だった作者のお子さんがノートの隅に書いていた言葉とのこと。その意味は、もちろん労働者のことではなかったのですが、読めば納得で、この一冊をうまい具合に表現している言葉です。
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ダイバーシティという言葉を最近よく聞くけど、多様性?なんで英語にするの?
程度しか考えてなかった。
人種差別や人権問題、貧困、いじめなど、世界の様々な所で今起きている問題が沢山あって、ただ私が知らないだけなのだと知りました。
日本という国がどれだけ恵ませれているか、私が生まれた平凡な家庭がどれだけ良いか改めて思いました
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自分で誰かの靴を履いてみること
今、ちょっと自分が恥ずかしい。人種差別や貧困などを見えない、遠い国の話のようにしか認識できていなかった無関心はもちろん、周りの人に対して決めつけていた無知が恥ずかしい。誰かの靴を履いてみる、これほど心にすっと入ってくる言葉があったのかと驚いた。しかもこの答えを出したのは中学生。私も今更だけど、知ろうとすることで少しでも成長したいと思える一冊。
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前から読みたかった本書が文庫化されて早速。
英国の「地べた」は、ドロドロしたものもあるところ、ブレイディさんの筆で軽快に読めてしまう。中学に上がったばかり(日本では小学校高学年)の息子くんは、それまでの彼の周りの世界にはなかった差別感情やレイシズムに触れ、アイデンティティに揺れ動く。それを的確に言葉にし、母ちゃんに話せるところが素晴らしい!それを受け止めて話せる母ちゃんも素晴らしい!
中国人の生徒会長のエピソードが、息子くんが自分の頭で考えていることが一番表れていて印象的。
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この著者は文章が上手い。
小説と言っても通用するくらい、主人公の少年(自分の息子)との距離を絶妙に取り、母としての情感を感じさせながら、基本的には彼の考えを尊重して書いている。
べたべたはしていないが、仲のいい親子。
わからないことはわかるまで、言葉を尽して説明しようとする親。
「正義は暴走する」
「多様性はややこしいからないほうが楽」だけど、「楽ばっかりしていると無知になる」
「暴力は言葉でもふるえるんです」
現在のイギリスの閉塞感は、未来の日本のものなのかもしれない。
多様性をうたいながらマイノリティへの差別が甚だしい。
性的虐待と言えるような行為をされている少女がいるとする。
日本だとプライバシーに踏み込めないことも多いと思うが、イギリスでは敢えてオープンにそのことを子どもたちに教える。
”教えなければ波風は立たない。が、この国の教育はあえて波風を立ててでも少数の少女たちを保護することを選ぶ。”
イギリスの学校教育では「演劇」がある。
それは表情やボディランゲージがコミュニケーションに必要だからだ。
”(DV、依存症などの問題を抱えた家庭の子ども)は表情に乏しかったり、上手く感情を伝えられないことが多かった。他人に自分の感情を伝えられない子どもは、他人の感情を読み取ることもできない。(中略)問題行動が見られる子どもはこうしたコミュニケーション面での発育が不十分な場合が多い。”
何度も読んで、自分の行動の規範にしようと思った。
子どもたちが思春期だったとき、この本を一緒に読んで語りあえたらよかったなあ。
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ピュアで聡明な息子と、パンクでクールな母ちゃんが、絶妙な距離感で共に成長し合う、理想の子育て。
子を育て、子に育てられるということが「子育て」であるというのが適切な見解であると感じずにはいられないような、お互いの「気付き」が見える素敵な親子。
彼らをのせて地球が回ってるなら、世の中捨てたもんじゃないな、と希望すら感じる。
格差社会、差別、分断化、多様性……
生活している地にしっかりと足をつけ、問題に向き合い、自分なりに思考を巡らせ、解決の糸口を見出していく。
自分は日々のくり返しばかりで、普段目を向けられていない問題が、多々あることを認識した。
難しい課題もスッと提起し、グッと提示する。
その見解に何度でもハッとさせられる。心に響く。
これこそが今、現代社会に必要な教科書のように思う。ありとあらゆる人に届けたい本。
文庫化にあたって添えられた解説がとにかく素晴らしいので、単行本で読了された方も是非読んでみてほしい。
心を込めて言葉を紡ぐことで、文字で花束を添えているかのよう。
このような愛溢れる読解に手を引いて頂けるのは、とても幸福に思う。
まさに一生モノの課題図書!
親子で読むのもオススメです。
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リサイクルした制服を持って帰るティムと、それを眺める母と息子の描写がすごく素敵だった。
9章の地雷だらけの多様性ワールドでは、少しもやもやしていろいろ考えた。
他人の地雷をずかずかと踏みながら、こちらはそういうつもりで聞いてないのに、なんだその態度は!と最初はイラっとした。
でもみんな地雷を踏もうと思って踏んでるんじゃないよな。そもそも地雷って、地雷があると思って見ようとする人、地雷があるとそもそも知らない人がいると思う。地雷が深くに埋まっていた場合、気が付くことはすごく難しい。
作者も「マルチカルチュラルな社会で生きることは、ときとしてクラゲがぷかぷか浮いている海を泳ぐことに似ている。」と書いている。
地雷を踏んで痛い思いをしながら、身をもって学んでいくしかないのかな。全部の地雷を避けることは不可能なんだろう、きっと。
でも痛みを恐れてそこにとどまることは思考停止だ。痛くても地雷原を歩いていかなくては。
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ここに書かれている内容自体は、読まなくても予想がつくかもしれない。日本とは比較にならないほど多様性がむき出しの世界でも、子供は、ヒトは、なんとか生きていくものだ、とか。予定調和の読書体験という意味で、エンターテインメント的なエッセイかもしれない。
それでも、文章のリズムはすばらしいし、エッジが効いている表現もあちこちにあり、著者の力量が感じられる。
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本書で一番印象に残っているのは「ダニエルからひどいことを言われた黒人の子とか、坂の上の公営団地に住んでいる 子たちとかは、いじめに参加してない。やっているのはみんな、何も言われたことも、 されたこともない、関係ない子たちだよ。それが一番気持ち悪い」(中略)「僕は、人間は人をいじめるのが好きなんじゃないと思う。 ......罰するのが好きなんだ」という息子さんの言葉。現代のネットで正義を振りかざしている人を見事に喝破していて気持ちいい。
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Amazonの紹介より
「人種も貧富の差もごちゃまぜの元底辺中学校に通い始めたぼく。人種差別丸出しの移民の子、アフリカからきたばかりの少女やジェンダーに悩むサッカー小僧……。まるで世界の縮図のようなこの学校では、いろいろあって当たり前、でも、みんなぼくの大切な友だちなんだ――。優等生のぼくとパンクな母ちゃんは、ともに考え、ともに悩み、毎日を乗り越えていく。最後はホロリと涙のこぼれる感動のリアルストーリー」
タイトルの「イエローでホワイトで、ちょっとブルー」。読む前は意味不明だったのですが、読んでみると、人種といった深い問題が詰まっていて、考えさせられました。
息子の成長物語だけでなく、母親の成長物語としても読めました。差別や批判といった暗い問題を前向きに捉え、乗り越えていく姿勢が見習う所もありました。
特に印象的だったのは、「エンパシーとは何か」。エンパシーは共感や感情移入という意味で、息子は「自分で誰かの靴を履いてみること」。
思わず、「ホー」と思ってしまいました。この他にも、意表をつく言葉や行動に大人から見ても凄いなと思いました。
1年半の物語なのに色んな要素が詰まっていて、今後大人になった時、どんな姿になるのか楽しみです。
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やっと読めた!
エンパシー、他人の靴を履くこと。
多様性と分断。
親子の会話から考えることができた。
びっくりしたのは、イギリスの学校の教育が面白いってこと。日本ももっと教育頑張ろうよ、教育、知ることで人はできるんだ。
知ろうとする気持ちを生むのもまた教育。
日本に彼のような男の子は一体どれだけいるのだろうか、少ないとしたら、それはなぜか。
中学生、小学生といじめの問題とか深ぼってみたいかもな
日本の未来はブルーだと思ってしまった。