紙の本
大人のための受験現代文その2
2023/03/04 17:02
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投稿者:こぶーふ - この投稿者のレビュー一覧を見る
受験国語の神様、出口先生の一冊です。私もかつてはお世話になりました。東大に続く京大販です。受験についてはその有用性の議論が昔から続いておりますが、経験者としては、やはり良問を出題する大学は、勉強して入る価値があると思います。京大もその一つであり、昔から問題の構成を変えていないところにも、大学側の自信を感じます。
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逆説とは、一見誰もが真実とは逆だと感じることを提示して見せ、深く考えると実はそれがある種の真実を表しているとする論理的な技法である。
それはレトリックともいって、表現技法の中でも特に高度で、効果的なものである。わかりやすい例を挙げよう。
「急がば回れ」
急いでいるときは誰でも近道をしようとするものだが、回り道をせよとは、一見真実とは逆に見えるではないか。ところが、よく考えると、慌てるよりも、慎重に事を運ぶ方がかえって早道であるという、ある種の真実を表現している。
なぜ、このような回りくどい表現が必要なのか?
「急いでいるときは慎重にしなさい」と言われたなら、あまりにも正しいので、「そんなこと、わざわざ言われなくても分かっている」と、その言葉は通り過ぎて、胸に留まることはない。ところが、「急いでいるときは回り道をしなさい」と言われれば、一瞬「えっ」となる。この「えっ」という一呼吸が大切で、その後に「慎重にした方がかえって早道だよ」と言われたなら、「なるほど」と納得する。
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古都京都に設立された京都大学入試で出題された現代文
「常識にとらわれない自由な発想を持ち、虚心坦懐に学問に向き合う誠実さを持ち、世俗の権力から離れたところで、広い視野を持って思考できる人材」を渇望し続けた大学。京大には権力や最先端の流行とは離れたところで、静かに、自由な発想を持って学問に勤しむ風土がある。これは古都京都に存在していることも影響しているであろう。
「東大に次ぐ大学なのではなく、東大とは違った大学」として認識すべきであろう。
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福沢諭吉の『学問のすゝめ』が太刀打ちできなかった。近代文語文は読みにくかった。でも、解説も踏まえて理解してみると、良い内容だと思ったので、また時間のあるときに挑戦したい。東大の方よりも行間を読む感覚が強いと思った。
東大は「反権力・西洋的なものの最先端を追いグローバルな世界を見ている」し、
京大は「権力から離れたところで静かに、じっくりと学問に勤しむ自由な風土」らしい。