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大火事に転売、音羽屋の横槍――五鈴屋の面々は気が休まるひまもない。けれど幸は常に原点を振り返り、見つめ直して進むべき道を選んでいく。
同じ太物仲間との結束や、大切にしてきた顧客などこれまでの積み重ねが要所要所で商売を助けてくれるという展開は、とてもまっとうで清々しい気持ちになるなあ。
ふたりの女形が"玉響の出番"をみせたシーンは美しかった。"錦上花を添える"。
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久しぶりに不幸な話しが続くかと思ったが、最後に何とか非常に明るい未来が見えてきたようで嬉しい。
江戸が大火に見舞われるが、店も良い関係のところも無事でホッとする。一方、因縁の妹の所は悲惨な目に遭うが、その巻き返しで五鈴屋に酷い仕打ちをしてくる。本当に腹立たしくなってくるが、何とか乗り越えられただけで無く、新たな取り組みを「幸」に考え付かせる。長年、謎だった顧客からも仕事を頂き新しい仲間達と成功に導いた。その仲間達の「幸」への恩返しの案が最後に出てきた。ハードルは高そうだが、上手く行けば次回作は店の大発展・最終話なのだが・・?
何度も裏切られてきたので楽観は出来ないが、次回が楽しみだ。
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今回も素晴らしかったな。五十鈴屋にもいい仲間ができたし、相変わらずの幸の知恵には感嘆です。あ〜次も楽しみだなぁ!
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こちらはコロナが収まりませんが、そちらも大火が続いたり、大変そうですね。
と思わず幸さんにお便りしたくなります。
相変わらず次々と艱難辛苦が降り注ぎ、
「次はなに?」
と身構えたくなるが、本篇の〆はさわやか。希望が見える。ホッとした。
しかし、昔の相撲の様子が興味深かった。
そんなにまで人々を熱狂させるのに、女は見られなかったのね。
念願の嫁入りを果たしたお梅さんを始め、奉公人たちのキャラが相変わらずで微笑ましい。
菊栄さんのカッコよさも際立つ。
しかしやはり幸のすっとした佇まいや生き方には、大きなパワーがもらえる。
来年の2月が待ち遠しい。
オマケ
読み終えた勢いで初めてファンレターを出したところ、お返事が届きました。ますます大好き、髙田郁さん。
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2021/08/09リクエスト10
P272
神仏の仕打ちがどれほど理不尽でもひとは抗えない。生き残ったものは歯を食いしばり立ち上がるしかない。立ち上がって歩き続けるしかない。
神仏が三度、小屋を焼くなら、三度
建て直し、芝居であの空に虹をかけるまでのこと
涙が出そう。
どうして私ばかりと思うことが多かった。
でも、そうじゃない。
幸は素晴らしい人柄で、周りの人もその人柄に惹かれ集まり、人に助けられた人生をおくっている。どちらかと言うと、周りに幸あれ、のような人だから。
妹に、大切に知恵を絞りつつ守ってきた商売を邪魔され意地悪なことをされても、血の繋がりがあるから、
邪険にもしない。
奉公人もそれを皆心得ている。
そして、別の角度から、別の知恵を絞り商う。
目先の徳、自分だけの徳を目指さない。
それが次の浅草呉服太物仲間につながるのだろう。
歌舞伎だけでなく相撲にまで進出する今回の快進撃。
お梅どんのお嫁入りもやっと叶い、いい感じ。
次には何が起こるのか、心配ですが、とても楽しみにしてます。
いろいろなことが起こる人生、でもこの本のおかげで少し楽しく生きられます。
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奉公人のお梅どんと型彫師の梅松さんの祝言から始まる今作は、めでたいこと続きかと思いきや、相変わらず山あり谷ありで、いろんな災いは襲ってくるが、めげずに「買うての幸い、売っての幸せ」「三方よし」の精神で我欲だけではなく、皆の幸せと未来を見据えた決断は見事に花を咲かせ、すっと胸をすく思い。
次作はもっと大輪が咲きそうで、今から楽しみ!
それにしても何があってもいつも変わらないおおらかな性格のお梅どんときっぷのいい菊栄さんには毎回救われる。大坂から2人が来てくれてほんとよかった!
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開店記念の日に祝言。次の一年はどんな年になるのだろうか。良いことも辛いことも過ぎてゆき、また開店記念の日がやって来る。気掛かりは新しい商談につながり、新しい販売方法につながっていく。
そして再び呉服を扱う日がやってくるのだろうか。
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「風待ち」っていい響きだなぁと思いました。万端の準備をして、順風を待つ。なんて前向きなんだろう。
前巻で浴衣を当ててきた五鈴屋ですが、流行で終わらせないために打ってきた策で、しれっと伏線回収されてビックリしました。
天災は人の都合などお構いなしに襲いかかり、今作中でも相次ぐ大火や長雨からの綿不足と、しんどい展開です。
そんななか、仲間を頼り、助け合って藍染を広めていくのが清々しい。太物仲間の人たちがいい人すぎる。
次巻どんな「風」が吹くのか、すでに待ち遠しいところです。
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五十鈴屋の快進撃が続き、気持ちの良い
11 巻だった。
結が悪者になっているが、聖人君子ばかり
しかこの話には出てこないので正直
妹の結が人間らしく、私は嫌いになれない。
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シリーズ第十一弾。
藍染め浴衣地で江戸っ子達の支持を集め、着実に地盤を固めつつある五鈴屋。
江戸の街を大火が襲ったり、相変わらず「音羽屋」が卑劣な嫌がらせを仕掛けてきたりしていますが、今までに比べるとダメージが軽く見えるのは、“仲間”の存在が大きい気がします。
五鈴屋の従業員の結束が固いのは以前からですが、前巻から江戸にやってきた菊栄さんとお梅どんが、五鈴屋の雰囲気を明るくしてくれていますよね。菊栄さんの商いも五鈴屋と共に拡がっていってほしいです。何気に惣次さんが菊栄さんをサポートしているのも心強いです。新婚のお梅どんも“お梅ワールド”全開で皆を笑顔にしてくれる、ええキャラです。
そして、何といっても「浅草太物仲間」が真っ当な商人の方々ばかりですごく良い関係だということ。
“出る杭は打たれる”感じだった「呉服仲間」とは全然違いますね。
この「浅草太物仲間」の各店が一丸となって、“火の用心”の浴衣地に続き、相撲柄の浴衣地を一斉に売り出す場面は前巻の“花火の浴衣地”以上に胸が熱くなりました。同業他店に妬まれてばかりだった五鈴屋をみてきたので、他店と助け合ったり、仲間全店が大繁昌で喜びを分かち合うのって素敵だなぁ・・としみじみ。
どうか、この素敵な仲間を壊すような出来事がおこりませんように・・。
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えげつない妨害工作はあったものの、最後は大勝利に終わる。
次回以降の展開が楽しみな幕切れだったな。
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湯上りの身拭いにすぎなかった「湯帷子」を、夕涼みや寛ぎ着としての「浴衣」に
──そんな思いから売り出した五鈴屋の藍染め浴衣地は、江戸中の支持を集めた。
店主の幸は「一時の流行りで終らせないためにはどうすべきか」を考え続ける。
折しも宝暦十年、辰の年。かねてよりの予言通り、江戸の街を災禍が襲う。
困難を極める状況の中で、「買うての幸い、売っての幸せ」を貫くため、幸のくだす決断とは何か。
大海に出るために、風を信じて帆を上げる五鈴屋の主従と仲間たちの奮闘を描く、シリーズ第十一弾! !
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商いの三方よしを心掛ける幸。
彼女の想いがようやく本流に乗れる日が近づいてくるのか?
そう思わざるを得ないほど、商いに関しては順調に進んだ本巻。
だけどなあ、髙田さんのことだからまた一波乱起きそうなきがしてならないし、絶縁状態の妹、結との関係もこのままなのか?
その辺りが気になりつつ、また来年の2月を待ちましょう。
あとずっと気がかりなのは、九代目候補の賢輔との関係。
お願いだから、幸と一緒になるとかいう設定は絶対にやめて欲しい。
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江戸と言えば……というものがたくさん詰まった1作。逆風をバネにして商いの世界を勝ちに行く!
んだが。いつものスパイスがないというか。前作から引き続き、ちょっと物足りないかなぁ……
物足りないと思わせながらも最後まで読ませるのはさすがだ。
幸はどこを目指すんだろう。どこへたどり着くんだろう。
賢坊の存在感がじわじわ増しているのも、ゴールが気になるところです。
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地道に実直に商いの精進を重ねていく姿が少しずつ幸せを引き寄せていく様に心があたたかくなった。特に浅草太物仲間の結束には胸が熱くなった。
半年に一度、商いが厳しいといわれる2月と8月に刊行される本シリーズだが、これが出る度に自分の心持ちも改めさせてくれる。