電子書籍
コレ真実ならば
2022/11/23 14:11
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
恐ろしいです。自分の生きて来た人生が、何だったのか、騙されていたのかと思ってしまいます。しかも、その男との間に子供がいるのですから。戸籍があっても……こんなことありうるのですね
電子書籍
反芻すると味がよく出る作品
2021/12/30 12:34
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:うっしー - この投稿者のレビュー一覧を見る
私にとって楽しむ小説、というより、考えさせられる小説だった。
最初は、「ある男」が誰なのか、を図を描きながら追いかけた。
読み返したときには、城戸がなぜ「ある男」探しにのめり込んだのか、小見浦は一体全体何を考えているのか、里枝の長男の悠太は悲しみをどう乗り越えようとしているのか、など、周りの人たちの心情が気になった。
あちこちで社会的な問題への目線も問われ、反芻すると味がよく出る作品だ。
投稿元:
レビューを見る
本心に引き続き、2冊目で読んだ『ある男』
なんだか勿体ぶってて回りくどくて、読むのすごく時間がかかった。
当事者じゃない城戸が複雑にしちゃってて、家族の悠人くんが彼なりに深く考えてるけど、シンプルで、ぐっとくる。
投稿元:
レビューを見る
自分の人生を脱ぎ捨ててしまいたい──そう思ったことはありませんか?
どうやっても剥がしきれないレッテルから逃れる方法があるとしたら、あなたはそれを選びますか?
私ならたぶん歩かない人生を読み、人を測るための自分の中の物差しについて考えさせられました。
「幸せは自分の心が決める」という価値観の底知れなさに震えます。
投稿元:
レビューを見る
【愛したはずの夫は、まったくの別人だった――】弁護士の城戸は、かつての依頼者・里枝から「ある男」についての奇妙な相談を受ける。人間存在の根源に迫る、読売文学賞受賞作!
投稿元:
レビューを見る
別人になりすますというので思い出すのは,「火車」と「幻夜」なんだけれども,どちらもずいぶん手の込んだ工作をしていて,そこが面白いところでもあった.
本作は,そのあたりはメインとせずに,なりかわっていた男の人となりや心情を推測しながら,その男が誰だったのかを調べていく.自分ではどうしようもないことで差別を受けるとしたなら,幸福を感じるにはどうすればいいのだろう(3勝4敗主義かな).やっぱり平野啓一郎は難しい.
投稿元:
レビューを見る
離婚をして、子供を連れ実家に戻ってきた理枝。
やがて、『大祐』と恋に落ち再婚。
全てはうまく行っていた…はずだった。
ある日、突然、大祐が事故で亡くなり…
判明した悲しい事実…『大祐』は『大祐』ではなかった。
この本の中に、たっぶりと社会問題が詰め込まれてる。
すごいな…と思ってしまった。
これは映画でも必見ですな。
投稿元:
レビューを見る
相手を信頼してる自分がいればそれでいいんだ、と思いたい。みんな言わないだけで、いろんなことを抱えてるんだし。
真の悲観主義者は明るい!にものすごく共感。真ではなく、たいていは悲観的風だからこそ、卑下してよりよいものもの求めてしまうのかも。
投稿元:
レビューを見る
「親ガチャ」という言葉を想起せざるを得ない小説だった。「人間は生まれながらにして平等」ではなく、出自によって、未来への可能性を限定的なものにされ分断されている。
◆以下印象に残った部分◆
p154 「アイデンティティを一つの何かに括り付けられて、そこを他人に握りしめられるってのは堪らない」
p265「国家は、この一人の国民の人生の不幸に対して、不作為だった。にも拘らず、国家がその法秩序からの逸脱を理由に、彼を死刑によって排除し、宛らに、現実があるべき姿をしているかのように取りすます態度を、城戸は間違っていると思っていた。立法と行政の失敗を、司法が、逸脱者の存在自体をなかったことにすることで帳消しにするというのは欺瞞以外のなにものでもない」
p287 小説をなぜ読むのか、みんな自分の苦悩を自分だけでは処理できないだろう?誰か心情を仮託する他人を求めてる
p313 他人を通して自分と向き合うってことが大事なんではないか。他者の傷の物語に、これこそ自分だ!って感動することでしか慰められない孤独がある
三勝四敗主義 今の世の中は一敗でもすると、他の三勝は帳消しにされてしまうようなところがありますからね
投稿元:
レビューを見る
国籍・性別・出身・血縁関係など、自分で選べない事がどれだけその人の人生の輪郭を決めているのだろうかと考えた。
投稿元:
レビューを見る
1つの作品の中にこんなに数々の社会問題が詰め込まれた考えさせられる内容。
過去は変えられないが戸籍を変えることで違う人の人生を生きる、、が、根本は変えられないというのも奥深い。ただ、過去を知っていたらそれでも愛せるのか?と自分に置き換えてみるとなんとも複雑な気持ちになるのもまたしかり。
本当に奥深い、ただ実際社会にはこういった様々な問題があるのも事実。
とても考えさせられる内容でした。
投稿元:
レビューを見る
平野啓一郎氏の小説は「マチネの終わりに」に続きまだ2冊目ですが、現在に繋がる過去について、過去が変わると現在やそれに繋がる未来は変えられるのかと言った主題が今回も根底にあると思った。
最終的には「愛に過去は必要なのだろうか?」と読者に語りかける形で締めくくられている。
別人になってまで過去を変えたい人、それを知らずに関わる人。過去を変えなければ本当に幸せにはなれなかったのか、本当の過去を知ってたら愛せたかどうか、少なくとも知らない時は確かに幸せだった、でも。。など答えはないが、自分ならどうかと考えさせられた。
主人公の息子が父の死やその過去を知って成長していく姿には心を打たれたし、弁護士の城戸が「在日」である事など現在日本が抱える社会問題についても考えるきっかけになったのも良い。
「ある男」に関わった城戸やその家族、本物の谷口大佑や美涼など登場人物の人間模様や心情の表現も巧みで、未来がどうなっていくのだろうと、想像させるところもまたとても面白いと思った。
投稿元:
レビューを見る
率直な感想としては、感動しました。
今まで読んできた平野啓一郎作品のなかで、1番の感動作だと思います。この作品は、様々な社会問題を軸に描かれていて、「戸籍問題」「夫婦問題」「差別問題」「家族問題」等、そのどれもが一般社会の誰もが経験する深刻な問題であって、どう乗り越えていくか、どう立ち向かうのか、その葛藤がこの作品を通して、読者に訴えているような気がします。是非読んで考えてみてください。
投稿元:
レビューを見る
途中まではミステリー要素も多く引き込まれていった。終盤のヘイトや在日のエピソードが無駄に長くて飽きてきた。
投稿元:
レビューを見る
「人生、良いことだらけじゃないから、いつも″三勝四敗″くらいでいいかなって思ってるんです。」ー「四勝三敗でしょう?三勝四敗だと負け越してるよ。」ー「ううん、三勝四敗でいいんです。わたし、こう見えても、ものすごい悲観主義者なんです。ー真の悲観主義者は明るい!っていうのが、私の持論なんです。そもそも、良いことを全然期待しないから、ちょっと良いことがあるだけで、すごく嬉しいんですよ。」
「今の世の中は、一敗でもすると、他の三勝は帳消しにされてしまうようなところがありますからね。」
「未来のヴァリエーションって、きっと、無限にあるんでしょう。でも、当の本人はなかなかそれに気づけないのかもしれない。僕の人生だって、ここから誰かにバトンタッチしたら、僕よりうまく、この先を生きていくのかもしれないし。」