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「容疑者Xの献身」や「沈黙のパレード」といった傑作と比べると、「映画化されそうな長編」というより「ドラマの最終話やスペシャルドラマになりそうな中編」といった印象でした。
事件そのものの謎解きもつまらなくはないですが、ありきたりです。どちらかというと物語へ湯川教授がどう関わってくるのかという部分が本作の1番の見どころですかね。
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千葉県の房総で発見された男性の遺体。死因は銃殺。身元がわかって、自宅アパートに行ってみると、恋人と同居していたが、その恋人は行方不明になっていた。部屋を捜索すると、3冊の同じ作家の絵本があった。その絵本作家は、恋人と以前から交流があったのだが、その人も行方不明だった。そんな時、絵本の参考文献を見てみると、「湯川学」の文字が。捜査が進展しないまま、草薙は湯川を訪ねる。
ガリレオシリーズ第10作目。「湯川学」を語るならば、絶対読んだほうが良いくらい、湯川学の秘密が明らかになります。湯川の両親も登場します。
ガリレオシリーズというと、初めの方は科学を駆使したトリックが見所でしたが、近年では人間ドラマの方に傾いている印象があります。
今回の作品では、科学はなく、ほぼ人間ドラマでした。読んでいて、一瞬ですが、「新参者」シリーズを読んでいるのでは?とも思ってしまいました。それほど、ヒューマンサスペンスとして解釈できるので、科学を楽しみにしている方には、不評かなと思いました。
あらすじを見ずに読み始めたので、読み進むたびに色んな衝撃がはしりました。
初めの段階では、仲良さげな二人。二人の良いスタートが始まるかと思いきや、男は死亡、女は行方不明という展開、そして明らかになっていく男の裏の「顔」に驚くばかりでした。
中盤までは、草薙・内海コンビがメインでしたので、湯川は今回はサブ?なのかなと思っていました。
しかし、後半からは湯川メインとなって、華麗なる推理や明らかになる湯川の過去など「え?」と驚きの連続でした。
僅かな手掛かりをもとに一筋の光を求めるかのように捜査していくので、全てが明らかになった時の開放感は読者としてはたまらなかったです。
でも、真相の裏には、様々な人間の欲望が渦巻いていて、果たしてこれで良かったのか?という疑問はありました。
色んな人の掛け違いで招いた悲劇。悲劇として表現していいのかわかりませんが、愛する人のために尽くす人達が垣間見えました。
不意に出てきた湯川の秘密。衝撃がズンときましたが、次回は科学要素を重視した作品にしていただけたらなと個人的に思いました。
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面白さに定評のあるガリレオシリーズなので、久々に発売日に単行本をゲット。短編は科学的なトリックがメインになることが多いが、長編は人間ドラマや重いテーマを扱う印象が強いので期待していたが、今作は割と軽めだった。東野氏は多作で面白い作品が多いため、どうしても期待値のハードルが上がっていってしまう。これからも新作チェックは欠かさないが、「面白かったけど期待していたほどではない」という感想がいつからか増えていってしまった。
最近は、園香のような他人に流されやすい女子に「しっかりしろよ」と苛立ってしまうことが多い。客観的に考えるとそこまで酷くもなかったのだが。
余談だが、現在進行形でなくコロナが収束した後を思わせる書き方が良かった。
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よかったです。ガリレオシリーズはどれも楽しくスラスラ読めて、しかも僕は涙腺が緩いので実母とガリレオが抱き合ったシーンで泣きそうになりました
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ガリレオシリーズ第10弾。
最近はめっきり電子書籍派だったので、紙の本を本屋さんで発売日に買うなんて久しぶり過ぎて、何だかうきうきしました!
今回のガリレオシリーズは長編ですが、割りとサクっと読めるボリュームでした。
事件のトリックではなく、人間模様に重きを置いたストーリーです。
湯川先生らしい事件の解決の仕方で一件落着…というところに、湯川先生の過去が明かされます。続きはぜひ本作で。
湯川先生も歳を取り、物語の中でもしっかり月日が流れていることを感じますが、まだまだ湯川先生には現役で頑張っていただき、ガリレオシリーズを長く続けて欲しいものです。
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★3.5
ガリレオ最新版。内容的には読みやすくわかりやすいのでサクサク進む。2日間くらいで読み終わったし面白かった。ただ、他の人も言ってるように、ガリレオである必要性があったのかは疑問。特に物理が影響することもなく。でも個人的には面白かったので、読んで良かった
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一気読み。終盤は目頭が熱くなった。人間関係の書き方が相変わらず秀逸。湯川の言葉、人間は一人では生きていけない。これが全て。
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久々のガリレオシリーズの長編。話は孤児院から始まる。そこ出身の親子。出生の秘密。親子を支援する絵本作家。作家と繋がりのある湯川教授。草薙係長なじみの銀座クラブのオーナーママ。内海刑事は余り活躍できなかった。
読んでいて、さすがにガリレオでもその見立ては出来過ぎでは?と思っていたのだが、それにもちゃんと理由があったし、更に出生の秘密まで…。明らかにされないことがためになる真実もある。
それにしても読者を含め、皆相応に年取ってしまった。そしてこれもシンコロナ背景の小説であった。この時代感は正直あまり好きではない。5年後この背景の評価は馬鹿馬鹿しいまでに過剰だったorまだまだ甘かったのどちらになるのだろう。
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シリーズ第十弾と帯に書いているように、天才物理学者・湯川学も、著者としてキャラクターを始から作ることを思えば、書き易いのかもしれない。
プロローグ・おそらくこの中に小説の根幹をなすと言ってもよい文章があると思いながら、慎重に読み進めた。
湯川学と帝都大学で学友だった警視庁捜査一課・草薙と女性刑事・内海薫も健在だ。
初めに事件があり、捜査一課は全力で捜査するも、先が見えてこない。そんなとき湯川に条件付きで相談すると、捜査ポイントが見えてきて解決する。というお決まりのパターンは今回も同じだった。でも読者は、そのお決まりのパターンを読みたいと思うのだ。今回は、どんな活躍をするのか?ということと同時に安心感もあると思う。
しかし今までのシリーズで、湯川はプライベートを見せたことがない。一般人であり人の子という点で、何ら変わりがない。
草薙は、相談をするため湯川の両親が住む実家マンションを訪ねた。
以前に住んでいた家から、海が見えるマンションに引っ越していたのだ。元々一緒に住んでいなかったが…。
草薙は湯川の両親に挨拶をした。何も気付かなかったのか?
湯川は過去を吐露する「あそこにいた少年は、あの家(以前両親と一緒に住んでいた家)でとうに死んでしまっている。
だからあの家には、その少年の見えない死体が横たわっているに違いない」と思っていたと書いている。続けて「でも大間違いでした。それから何十年も経ち、様々な人の様々な生き方を見てきた今は、あの時の自分が愚かだったことがよくわかります。人は誰も一人で生きられない。今の僕があるのは多くの人たちのおかげです」と。
今更何を言うのか?事件とは関係がないが、「人間・湯川学」を垣間見た瞬間は興味深い作品だと思った。
何が幸せで、何が不幸なのかわからない。嘘も方便という言葉がある。嘘を信じ込まされていたと分かっても、希望を持って生きることが出来るなら良し、相手に信じる余裕を持たせた湯川先生もそのことに確信を得たからだろう。
「実におもしろい」←久しぶりに締めの言葉を書いてみた。
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★3.5
ガリレオシリーズ。
花屋で働く女性の彼氏が遺体で発見され、女性も行方不明。捜査上には二人の老婆の影。何の繋がりがあるのか、そして湯川の不可解な行動。湯川は何をしているのか…
騙された。知らない方がいい真実がある。そして、湯川の過去。唐突に知らされて、ちょっと処理しきれてない。
ネタバレ
冒頭の子供を養護施設に捨てた女が、祖母かと思っていたら、違うとは。さらに、dv被害の女と逃げていた老婆が、湯川の母で、湯川が養子だとは。いきなり、衝撃の事実。
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シリーズ第10弾。最新長編。
良かった‼︎
ミステリーの謎としては、正直いうと、伏線もあり、割と予想がつく部分もあるのですが…。そこは、さすがの東野さん、やっぱり、さりげないところで、グッとなるのです。
このシリーズ、私は全部読んでるのですが、今回読んでて改めて思ったのが、まずは読みやすいということと、警察内部での揉め事とか刑事同士の争いとかがないので(焦点は別なのもあるけど)素直に真っ直ぐ読めるというか…。
湯川の変人っぽいけど、実は人情味ある部分、その魅力がもちろん一番なのは言うまでもありません。
今回は、その湯川の秘密も明かされ、その秘密と事件とのシンクロが、心に残ります。
もしかしたら、私自身が歳をとって、母親でもあり、なおかつ子供も成人している今、読んだから、尚更感じるものは多かったかも…。母親っていうのは、なんというか…悲しいものだと思ったのでした。なんだか切なかった。
それにしても、女性に対してDVをする男っていうのは、つくづく最低だと思った!根拠のないプライドだけが高い男ほどDVするともあり、なるほどそうだろうなと思ったのでした。
ともかく、ガリレオシリーズ、やっぱり私は好きです‼︎
テレビや映画の印象で、配役がもう頭の中で出てきちゃうことだけ、ご愛嬌だわ…(^^;;
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今回の湯川の行動についてちょっと変だと思った途端、意外な事実が出てくる。
今回の痴話話のはての結果は女性の孫のような主人公への愛情が見せた賜物だと思う。
ちょっとガリレオ先生が出て来る物としてはしんみり。
意外な結末は湯川の私生活かも。
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房総沖で銃で撃たれた男性の遺体が発見される!?さらに死んだ男の恋人が行方不明?
失踪事件を捜査をしているうちに警察は何故か湯川学に辿り着いてしまった?
待望のガリレオシリーズ最新刊!
本作で取り上げられたテーマはDV、介護、捨て子・・・
冒頭で語られる昭和の時代の悲しい話・・・
この話が何処でどんな風に繋がってくるのか?どれが誰?気になって気になっての一気読みとなってしまいます。
本作のテーマの一つでもあるDVについて考えました。
人はどうして人に暴力を振るうのか?
まともな家庭であれば暴力を振るう事は禁止されています。社会生活においても禁止されています。
しかし妻や子供や親を殴る人はいる訳で、DV人のこの暴力は何処でどう習得するのか、そのメカニズムについて知りたくなりました。
湯川先生のおっしゃる通り虐待は遺伝するかもしれません。『人からされた嫌な事は他の人にしない』という事よりも『自分がされた嫌なことを吐口となる人に向けてしまう』・・・
一人一人が負の連鎖のストッパーである事を心がけて生きていくことが大事なのではないかなぁと思いました。
いつもの事ながら東野圭吾の作品を読んでいると『死んでも良い人はいる』し、『問われなくても良い罪がある』のではないかと考えてしまいます。
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ガリレオシリーズとしては、珍しくいつもの無理筋の物理系トリックがなくてよかった。読み落としがなければ、湯川先生が教授に、草薙刑事が係長にそれぞれ出世して登場するのは初めてではないだろうか。草薙と内海薫刑事の関係は、バディから上司部下の関係に変わってきたような感がある。シリーズを読み続けてきたから違和感がないが、本作で初めてガリレオシリーズに触れる人にとっては、殆ど書かれてない主役たちのキャラクターや背景は理解できるのだろうかとふと思ったのだが、あまり関係ないのかな。
ストーリーは、頼りにしていた母を亡くし天涯孤独になった女性がどうしようもない男に引っかかりDVにあうが、その男が銃殺体で発見される。誰が?その女性に関わる人々の思いも含めて、真相は二転三転していく。東野圭吾特有の自然体で流麗な文章にのせて話の中に引きずり込まれていく。湯川先生の生い立ちも初めて明かされる。
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『透明な螺旋』東野圭吾氏
①切なさ(事件の動機)⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
②湯川学の魅力 ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
③真実よりも嘘を貫きとおすことの倫理
⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
<物語>
男性の遺体が海中で見つかります。男性と同居している女性が事件の翌日から行方不明になりました。
警察は、その女性を重要参考人として追うこととします。
しかし、女性には事件当日に「アリバイ」があり、事件は振り出しに戻ってしまいます。
男性を殺害した人間とその動機は何なのでしょうか?
<テーマ>
タイトルの「螺旋」は、おそらくDNAを指しているのではないでしょうか?
血縁関係がある対象者をDNA鑑定した場合、対象者のDNAは螺旋のごとく近似します。
しかしながら、血縁関係がない対象者の場合は、それぞれが独立し、螺旋(重なり)の状態にはなりません。タイトルのとおり、透明(目にみえない)な螺旋とも解釈できます。
人間は、血縁関係のない相手、ただし気にかけている相手のために、どこまで捧げることができるのか?
この物語は、血縁関係がある・なしがテーマのひとつとなります。
<読みどころ>
1)東野圭吾さんの「湯川学」シリーズであること。
2)湯川さんの出自が判明すること。
3)殺人事件の動機に、親・子・孫という3世代の想いが関わっていること。
4)出産するも、事情があり育児ができない状況が事件の入口であること。
5)DV被害を受けている人を救済する必要があったこと。
実社会でも4)、乳児が遺体で見つかるという事件が発生しています。また、5)のDVも、4)と同様に凄惨な事件へつながるケースも発生しています。
私は、東野圭吾さんがこの2つの事象を織り込んだ意図に対して、思いをはせたのでした。
<読み終えて>
殺人事件は複数ではなくひとつだけです。犯人も早い段階で明るくなります。そのため、犯人の動機に対する描写に対して相当のボリュームが割かれているという印象を持ちました。
時代設定が、戦後(昭和)から始まり、平成そして令和と3つの年代にわたっていることも見逃せません。なぜならば、この3つの年代で起こった出来事が事件へとつながっていくからです。
東野圭吾さんを読み続ける理由、それは事件を犯したひとの「動機」です。ただの怒り、突発的な衝動という動機はほぼ皆無です。愛するがゆえに殺めてしまったという物語も少なくありません。
読み終えたとき、自然と冷たいものが頬に流れてしまうことも少なくありません。
だから、わたくしは、また、東野さんの物語を手にとってしまうかもしれません。