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短編集。
う~ん、読み終わっても特に印象に残らなかった。
ただ最後の話はちょっとグッと来た。
決して同じ立場ではないけど、ラストの2行は自分のようだと思った。
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6つの短編。
どれも読みごたえあり。いつもなら、好きなものが2,3編というところだが、今回はあえて気に入らなかったものはと聞かれれば「ばにらさま」かな。
著者の訃報、本当に残念です。
この短編からも様々な年代を見渡すことができ、そしてこの先も同年代として、年齢を重ねるごとにたくさんの共感できる小説に出会えると思っていたのに・・・
心からご冥福をお祈りいたします。
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これが遺作だなんてどうしても受け入れたくなくて、読んでしまったら本当にお別れな気がしてしまい、積まれたこの本になかなか手が伸びなくて、読むのに時間がかかってしまった。
あぁ、そうだ。
わたし、若い時、この人の作品が好きだった。
そのことを思い出した。
この六つの短編を読んでそれをもう一度おもいだしたし、若くない今も好きだなとおもう。
個人的には菓子苑がお気に入り。
山本さんは、中央公論文芸賞受賞のお言葉の中で『ただ腕を伸ばして届く範囲にある絵の具で作品を描くような仕事の仕方をしてきてしまった』と仰っていたが、山本さんの手にした絵の具は単純な色ではなかったし、描いた作品も決して凡庸なものではなく、かといって私を突き放すような偉大なものでもなく、包み込んで赦してくれるような、それでいて叱ってくれるような、とにかく素晴らしい『絵』でした。
最後の作品をこんなにも早く手にしなければいけなかったことがくやしい。
山本さんが残してくれた作品は消えてなくなったりしないから、わたしはこれからもプラナリアや恋愛中毒を何度も読み返して、山本文緒という作家を決して殺すことなく生かし続けてみせるよ。
読者が忘れなければ、いつまでだって生きていられる。今はただそう自分に言い聞かせてる。
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短編集。
立場を知らないと、側から見ると悪い印象を持つ相手が違いますね。
菓子宛・子供おばさんがよかった。
p88体を鍛えて、能力を磨いて、社会の中で価値ある人間として生きてゆく。そのためには睡眠時間などいくらでも削ると言うのだろうか。そして何を獲得してゆくのか。生きている実感なのか、他人からの賛辞なのか、家族との豊かな生活なのか、はたまた享楽と言われるもの全てなのか。
p97大人はみんな知っている。人生のパートナーはこの世で一人きりではないことを。賃貸マンションのように、条件さえ緩めれば、好きになれる相手はいくらでも存在する。問題は親密さを保つ努力や、相手のことを慮る想像力だ。それに加えてひと匙の縁。それが胡桃の言う運命だとしても、小 恋人同士の関係維持はそれだけでは保たれない。それに彼女はただ、自分褒め称え、わがままを聞いてくれ、会いたいときにはそばにいて、会いたくないときには目の前から消えてくれる便利な男を探しているだけだ。
p105「〜アイルランドでは腹が立った時に、ポケットに入れてある小石を右から左に移すと怒りが収まるっていう言い伝えがあるって言って」
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恋愛がらみ(?)の短編集。
どれも設定が変わっていて、不思議な読後感。
読み終わる頃に、やっと登場人物の関係性に気付いたものもあった。
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p74「陳腐な考えだ。恋愛も出産も、人間が己を陳腐な存在であることに気づかせるためにあるのだろうか」
p97「運命。運命。運命。男と寝ると胡桃はすぐ運命と口にした... 好きになれる相手はいくらでも存在する。問題は親密さを保つ努力や、相手のことを慮る想像力だ。それに加えてひと匙の縁」
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山本文緒さんの、最新刊にして遺作となったこの小説を読んで、もっともっと長く山本さんの作品を読みたかった、としみじみ思った。
シンプルに読み物として面白い作品をたくさん生み出し続けていたことに対する敬意とともに。
帯の「痛くて、切なくて、引きずり込まれる!」が、まさに、の感想。その3要素は私の好きな小説のタイプに当てはまるので、嫌いなわけがない。
6つの物語のうちいくつかは、ミステリではないもののいわゆるミスリードを誘うものがあり、気づいた時の「やられた」感がとても爽快。
表題作の「ばにらさま」は白くて可愛らしい歳上の彼女が出来た主人公目線なのだけど、ネットを通して彼女の裏側が明かされていくという哀切を感じる物語。
他の5つもそれぞれに切ない要素があってとても良くて、とくに好きな作品を選べない。どれもとても良い。
他人からは幸せに見えていたり、何の問題もなく生きているように見える人たちにも、それぞれの悩みや苦しみがある。そしてそれを取り繕って過ごす人間について描かれていて、昔からずっと山本文緒さんの作品といえばそれが醍醐味だったと改めて感じた。自分にも思い当たる面があるからこそ、グサッときたりする。
まだ読んでいない山本さんの作品も、大切に読んでいこうと決めた。
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アラサー女子に刺さる。いるいる、あるあるの嵐。
後半は私小説なのかな?と思うような、でも書かれているのがもっと前だからそんなことはないんだろうけれど、寂しくなったな。
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短編集ですが、ばにらさま・わたしは大丈夫・菓子苑は二度読みしたくなりました‼️
物語が後半になるにつれ、ほっこりするような、、、なんとも言えない感覚に襲われました
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構成が凝っていて、どの作品もある一文を読むと景色が変わる。
景色が変わった状態です読み返すと、味がある。
どの作品も結末が書かれていないので、読者によって感じ方はさまざま。
私には素敵な余韻を残してくれた作品に感じた。
ハッピーエンドの捉え方は人それぞれ。
登場人物達の幸せを願わずにはいられない。
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話の途中、「えっ?」と驚く瞬間(仕掛け)があって、そこからぐるりと印象が変わるのが面白かったです。
最後の『子供おばさん』と最初の『ばにらさま』は、終わり方に少し光が見えて良かったけれど、全体的に寂寥感が漂うお話でした(捉え方によってはホラーかもしれない)。
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表紙のタカノ綾の絵、どっかで見たことがあるなあと思ったら、20年も前にポストカードを買ってたのを思い出した。少しエロくて、だけどいやらしさのないエロさだった。
山本さんが書いた女性達の関係性は往々にして奇妙な雰囲気が多い。それは例えば母娘でも、友人でも、ましやライバルでも。一見親密そうな関係だが、互い妙に小競り合ったり、または距離を持って接したりしている。また自分自身との向き合い方も器用じゃないから、どのキャラクターも私にとって愛しい女性と思いました。
ばにらさまは6つの短編が書かれており、それぞれちょっと癖のある女がいる。ばにらさまの中の瑞希ちゃんはなんとなくこんなイメージだろう。20/20の無花果さんはもしかしてこんなイメージだろうと想像する。菓子苑の舞子や胡桃、子供おばさんの夕子と美和、女性達の会話や心境を読んで、こぐ淡々な文章だけど、濃ゆくて、重たい感情を感じる。
人間関係は難しい。本当かウソかがわからないけれど、それらと触れ合った時間は確かにそこにあると、思います。
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2021/12/23
ばにらさま
山本文緒さん。
山本文緒さんの遺作。
好きな作家さん。
ご冥福をお祈りします。
短編集。
どんでん返し的な感じで、
キレイに騙される。
おもしろい。
人の綺麗な表面。ドロドロした内面。
の表現が、
とてもうまい。
ありがとうございました。
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「自転しながら公転する」で山本文緒さんを知りました。
わたしは大丈夫と、菓子苑に、驚きました。
自分の先入観の強さにも気付かされました。
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「わたしは大丈夫」と「菓子苑」にはミスリードされましたー!それが楽しかった。
「ばにらさま」「20×20」「子供おばさん」も好きな作品でした。