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紙の本
フォンタマーラはどこにでも存在する
2023/03/31 12:49
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投稿者:タラ子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
来る日も来る日も土地を耕し、常に食べ物の不安にさらされ、苦労し続けて暮らしてきたフォンタマーラの村人たち。そこへ支配人がやってきて住みつき、何世代にもわたって使ってきた村の水路を自分の都合のよいように変えようとするところから物語は動き出す。村人たちはどうなってしまうのか。
読後、解説を読み、シローネの生涯を知ると尚更、この物語で著者が訴えたかったことが心にしみた。
この本は世界中で翻訳されたそうだが、当時、これが自国の村の様子を記したものではないかと検閲に疑われ、翻訳に困難をきわめた国があったと知り、フォンタマーラは世界中どこにでも存在し、知らない間に身近にあるかもと恐ろしく感じた。
そして残念ながらフォンタマーラはこれからも無くなりはしないだろうとも思った。
本書を読んで、搾取する側の愚かさや醜さを目の当たりにし、強い嫌悪感を抱くとともに、搾取する側の巧妙な罠に気づき、立ち向かえるだけの知恵と勇気を持つことの重要性を実感した。
紙の本
フォンタマーラ
2022/03/11 13:41
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投稿者:雄ヤギ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ファシスト政権下でのイタリアの農村というと『キリストはエボリで止まった』が思い浮かぶが、本作ではより苛烈である。フォンタマーラの農民たちは政権がファシストになったことも知らず、「お上」はもちろんのこと、弁護士、僧侶などありとあらゆる知的階級の人々から搾取される。
長い年月をかけて耕した畑に使う水を奪われ、どんな支配者も奪わなかった羊の通り道を奪われ、挙句の果てに仕事を探しによそへ移ることすらも拒否され、なんの教育も受けなかったために誤解されて「反政府的」と烙印を押される。
単純に貧困層と資本家の対立というだけではなく、支配者に擦り寄る知識人や、土地も何も持たない人々がファシストの手先となるという点がとても生々しい。
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