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タイムリーに出版されたのでつい買ってしまうよね。まぁこういう人たちっているよね、とは思うけど、主人公の女性のどちらにも共感出来ない話だった。客観的に描写しようとしているからなのかもしれないけど、淡々とし過ぎてて怖い。実際親といえども、その人の生き方なんてその人にしかわからないんでしょうね。
解説がとても良かったです!とても解説らしい解説で、本篇の余韻を台無しにすることなく寄り添うような。
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白木さんは性依存症と虚言癖の欲張りセットなのかなと感じた。孤独無耐症と言い換えても良いかも。自分の中の穴を埋めるのに生涯費やした様に見えた。
なので要介護オジサンと面倒見の良いひとたちの話を延々聞かされているようでかったるい。
本人の中では真実で整合性が取れてるんだからこういう動きをしてしまうのは仕方が無いんだろうなとも思ったので理解は出来る。
文学水軍の女に手を出すなよと言われて憤慨した直後即堕ちふたコマみたいなスピードで女に手を出してた下りは予想通りすぎて笑った。
ラストがとても良かったのでトータル考えて星3
ただこの内容だと映画は興味持てない。
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読了し今敢えて言えることは、作品のモデルは、必ずしも真実ではないということ。モデルになった人たちは既に他界しており、故人の名誉を毀損するようなことは書きたくない。微妙な関係で繋がってきた三角関係は、不道徳な行為が作品に書かれていたとしても本人とイコールではなく、デフォルメによって成り立っているということが、この作品の大前提です。
ネットで検索すると、関連するブログや広告が嫌というほどヒットする。この作品の人気度が窺える。
物語は、気鋭の作家白木篤郎をめぐり作家みはると妻笙子が語り部となって構成され年代を追ってほぼ同時期に心の内に秘める思いを吐露しています。
白木の性格は、大風呂敷を広げて見栄を張り注目を集めるのが好きなようだ。女性ファンが多く親密な関係を築いてしまう。みはると白木の出会いは、講演旅行がきっかけで、それ以前は名前だけ知っている間柄だった。
みはるが白木に魅力を感じたのは、彼の短編小説を読み終えた後、胸がざわつくのを感じ、自分もこんな風に書けるようになりたいと思ったのと白木そのものである。
白木の行動は、笙子がだいたい把握していた。随行をしていたわけではなく、家で彼の帰りを待っていた。自宅には、出版社等から文芸雑誌が届いていた。
当時巷で話題のみはるの著作を読みかけたが、篤郎に止められた。元々国語教師だったので、作家の真意まで読むことにたけているという自信があるそうだ。一方白木の著作は、彼がノートに下書きし妻が清書している関係で全て読んでいる。しかし、笙子には夫の私生活を微塵も読み取れないのだ。
白木の女性関係の不始末を、笙子に対処させていた。その無頓着ぶりには閉口するが、妻の不満が爆発しない。離婚という選択肢もあったのに…。僕には、笙子が「耐える女」という印象が強く篤郎を愛さずにはいられない存在だったのか。
白木はみはるを旅行に誘い、故郷の崎戸島に連れて行った。嫁以外はみはるだけだという。その時、みはるは白木との関係を終わりにしたいと思ったという。
みはる(寂光)は、愛した男のために主人と娘の家から出奔し、白木をも捨てた。出家理由は現世からの離脱だけなのか、理由は他にも書いていたが、寂光は「誰にもわかりはしないのだ」、その思いはわたしを孤独にした、と書いていたのを思い出す。
白木は二人に対し何も語っていない。
ん?なるほど、ここで白木に語らせない「荒野流の懐刀」が炸裂しているのか!と原稿を書きながら勝手に思った。(爆)
読書は楽しい。
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嘘つきは嫌い、自分勝手な人も嫌いだけど、なぜか読後は爽やか。いくら美しい小説が書けたとしても、こんな家族に向き合うのはしんどすぎる。
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相手を自分の所有物にしなくてただ愛する女2人ですが、彼は各地の水軍の女性達と次々と関係を持ち…彼は誰のことも愛してないのかな。
はるみが出家したキッカケが不倫相手の家の建て直しとしたのがリアリティを感じました。
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帯の瀬戸内寂聴さんの推薦文はなかなかショッキングだし、内容もヘビーだけど、2人の女性が交互に語り手となって進められていく構成が緻密で、それぞれの生き様が見えてくるようでした。
…白木篤郎には私はどうしても心惹かれなかったんだけど、女を惹きつけてやまない何かがあるのね、きっと
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どんな重たい情念が渦巻く話なのだろうか、と身構えて読んだ。しかし気がつくと、まったく異なる2人の女性の芯の通った潔い生き様に、すっかり引き込まれてしまった。笙子さんの「ジャジャーン」(p.305)がすごく好き。どうしようもない男性の周りには、案外こんな素敵な女性がワンサカ声を潜めて居るのかもしれない。
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みはるが何故白木に惹かれたのか、何故出家に至ったのか、笙子は何故みはるを許せたのか、肝心なところの描写が薄い。
だからこそ尾を引くのでしょうか。
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ノンフィクションであっても、自分の親について主観的にここまで書けるものかと驚いた。個人的には愛情が深かったというよりは、妻も寂聴も自分を肯定したかったのだと感じた。例え日頃の恨みが積み重なっていても亡くなると自分の人生の半分が死んだように感じてしまうのが夫婦なのかもしれないと思った。
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読み始めは理解ができず、特に白木の女たらしぶりに吐き気がしそうだったけど、白木他界後の女性二人の話を読むにつれ、こういう関係もあるのかもしれない…と思った。
ただ、やっぱり白木はダメ男だと思う。
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何かを探しながら。
見つけたくって。
夢中になって読んだ⁉︎
読めちゃった。
品よく淡々と…
なのに、だから、コワイ。
と、感じながら。
やめられない。
心の中で、奥の方で。
どちら側なのかしら…。
と、思いつつも。
どちら側も冷静この上なく。
寄り添える、わかる。
みはるから始まる章
笙子のご飯は食べたい。
時の流れの章
みはるから寂光へ。
どのフレーズも刺さる。響く。
丁寧な日本語を、感じた次第。
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白木がなぜこんなもてるのかは
ある意味昭和のあの時代性があると思うが
大ぼら吹きなのに魅了するという反面
その人その人には真剣に向き合っているようにもみえるから
そこは大事なんだな
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いい子ぶる訳ではないが、理解ができない。
のに、あまりにも別世界過ぎて興味を惹かれてページを繰る手がとまらなかった。
正直、子供や配偶者を捨てて異性にのめり込むこと自体個人的には不幸なのではないかと思える。更にいつも一緒に居られないし、独り占めできない相手に人生を費やすことなんて自分の時間が勿体ない、なんて思ってしまうけれどもそれが幸せ、って言う人もいるのだろう。ただ、自分の「好き」に恋愛対象以外の人を巻き込むことは決して良いことではないと思う。
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瀬戸内寂聴そして井上光晴の妻。
どちらも自分を投影しかねるが、昭和なのか、母なのか、見覚えのある風景を垣間見る様な、不思議な感覚に陥る。
宗教は未知だが、煩悩とはこういう事なのか、一生付き纏うから煩悩なのかと1人で考えた。
薄い皮膚の下のあちこちに膨らんである腫瘍、それは哀しみ苦しみか?
思い出そのものよりも、そういう思い出を自分も持っているということに胸が詰まった。という言葉が心に残った。
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ただミーハーで、読んでみたいと動機が不純なスタートだったので、はじめは読みづらく でもページをめくる手は徐々に止まらなくなった。瀬戸内寂聴を思わせる長内みはる、井上光晴の妻を思わせる白木笙子。白木篤郎を巡る二人の女の心情が交互に年代別に描かれていく。どうしょうもなく女にだらしない 嘘つき男に なぜ、こうも 素敵な女性2人が振り回されていくのか。なぜ別れない、なぜ怒鳴らない、なぜ切れない…。私にとっては なぜの繰り返し。
みはるは出家という手段で、やっと篤郎と男女の関係は清算するが、その後、篤郎とも笙子とも人として付き合い続ける。瀬戸内寂聴の出家の裏には、こんな思いがあったのかと、そしてその後の活躍のエネルギーにもなったのかもしれない。しかし、この作者は井上光晴の娘。書きづらい題材を、こうも淡々と書けたものだと感心する。昭和の男と女の生きざまなのか。今の私には理解できないが、さてさて同じ墓地に眠る3人は、仲良く過ごしているのだろうか。