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気鋭の中国史家が史料をもとに、秦漢時代の一日二四時間の日常を再現。始皇帝や武帝が活躍した時代の服装、食事から宴会、性愛まで。
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古代中国の膨大な数の文献を読み、その中から生活に関するあらゆる情報を抜き出してまとめた本。これを読めば古代中国における庶民生活の一端が垣間見える。情報量がとにかく多い。
それとは別に、ところどころに著者の偏見や思い込みと思われる箇所が見られてそこは残念だった。自分の専門外の話を書くときは、多少なりとも慎重に書いた方がいいと思ってる。この本みたいに歴史を扱ったものであればなおさら。
おそらく、分かりやすく書こうとした結果そうなったんだろうなーという感じがする。
「じつは近年の研究によると、不倫をするか否かはその人のもつ遺伝子に左右されるため、どれほど善悪を強調し、厳罰を強めようとも、その根絶はムリである」本文より一部引用
これに注記があって確認したら、某脳科学者の本が記載されていて「あーあ」となった。個人的に。
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歴史のガクモンについて、あまり堅苦しく考えない人に向いている本だろう。ツルツル書かれているように見えてしまうのだが、著者の言うとおり、一つ一つの記述(多少は膨らませてあるかもしれないが)に史料/資料があるようだ。古代中国をテーマとしたテレビドラマを見ているつもりで読まれるがよろし。十分に面白いし、歴史をテーマとする新書としては成功している。
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中国の仙侠BLにはまっており、世界観をより理解したいなと思って読んだ。
大きな社会の流れの中で、緩やかに流されつつそれに自覚的でない民の日常史を取り扱った本。
古代中国、という括りで扱っている時代の範囲は秦・漢(殷・周にもちょい言及あり)〜南北朝くらいまで。王朝が変わった後でも民草の日常は緩やかにしか変わらない。
なので、古代以降の中国文化を理解する上でも役立つところが多々ある。
姓・名・字の仕組みとか。
実在の人のエピソードを交えたユーモアのある語り口なので読みやすい。
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古代中国、秦漢時代の人々の生活を一日24時間で再現する日常史。
プロローグ-冒険の書を開く
序章 古代中国を歩くまえに
第1章 夜明けの風景 第2章 口をすすぎ、髪をととのえる
第3章 身支度をととのえる 第4章 朝食をとる
第5章 ムラや都市を歩く 第6章 役所にゆく
第7章 市場で買い物を楽しむ 第8章 農作業の風景
第9章 恋愛、結婚、そして子育て 第10章 宴会で酔っ払う
第11章 歓楽街の悲喜こもごも
第12章 身近な人びととのつながりとイザコザ
第13章 寝る準備
エピローグ-一日二四時間史への道
注記・・・参考文献等、驚きの盛り沢山!
約二千年前の古代中国での、人々の生活はどうだったのか?
多くの文献史料と出土資料を活用し、一日24時間で再現する。
24時間のそれぞれの時間帯での事柄を、タイムスリップした
著者が、古代中国史の知識を駆使して、体験するという内容。
夜明け前から寝るまでの、様々な仕事と営み。
秦漢時代の様々な人々の生活を、衣食住から行動、身だしなみ、
買い物、恋や結婚、子育て、家族問題、酔っ払いとトイレ、
歓楽街と性愛等々、詳細に紐解かれています。
虫歯や口臭、ハゲ、鬘。
官吏や上流階級の女性のオシャレ願望。
イケメンは出世の糸口であり、アイドルの如くの人気ぶり。
二日酔いの悲喜こもごもや嫁姑の問題、離婚など、
現代にも繋がるような事例もあるのが、面白い。
しかし、職業や身分の違いや貧富の差での、衣食住の格差は、
かなり大きい。奴隷の生活の悲惨さといったら・・・。
あまりの情報量の多さに圧倒されつつも、知る愉しさに酔う。
資料画像も、こんなものまで発掘されるのかと、驚くばかりです。
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秦漢時代にタイムスリップして1日24時間を体験するという設定で、当時の暮らしを描いていく。皇帝やその側近、官吏、有力者、庶民などなど登場する人々は様々だ。そうした人々のファッションや仕事、性愛、結婚や離婚、子育て、食事、飲酒、果てはトイレやハゲの話題まで「日常生活」が描かれている。日常に関する記述を様々な史料から見出した著者の多年にわたる研究の成果が平易で読みやすい文章や数々の図版で紹介される稀有な一冊。新書でありながら、しっかりと注記がされていて、典拠をたどれるのもありがたい。
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古代やファンタジーの映画や小説を読んでいていつも疑問に思っていたことがある。現代のような衛生器具が揃った時代ではない頃は体臭や口臭がキツく、「百年の恋も冷めてしまう」状況ではなかったのではないかと。
その答えを求めてこの本を読み出した。
詳しくは本書を読んでいただきたいが、古代でもエチケットの意識はたしかにあったということ。案外2000年前でも現代と、あまり変わらない点も多かったらしい。
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気鋭の中国史家が、文献史料と出土史料をフル活用し、服装・食卓・住居から宴会・性愛・育児まで、秦漢時代を中心とした古代中国の1日24時間を再現。「読者が古代中国にタイムスリップし、1日24時間を生き抜く」という架空の設定のもと、ロールプレイングゲームのような体裁をとっている。逐一注釈がついていて、信頼性が高い。
限られた史資料からとはいいながら、かなり詳密に古代中国の日常生活が再現されていて、とても興味深い内容だった。2000年前の中国とはいっても、思った以上に現代の日本の生活にも近いものを感じた。古代中国においては、当時の生活をイメージしやすい壁画や明器などが豊富に残されているのが、羨ましく感じた。
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英雄史の影に隠れなかなかわからない庶民の暮らしをいろいろな書類、遺物に散らばっている証拠からできるだけ再現しようとする著者の奮闘に敬意を表します。
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タイムスリップ形式で読みやすかった。
一日の生活を通して、政治・経済・文化…いろんな側面が見えるんだなって実感できた。
文化史導入として「一日」を知ることから始めるの、なかなかいいかもしれない
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コーエイの三国志に昔ハマった身からすると、楽しすぎる本!
古代中国の英雄史のウラにある、
今の僕らと同じ人間による、今の僕らと似たような生活。
飯を食い、仕事をして店で物を買い、
居酒屋で酒を飲み、そして恋する
エピローグが素晴らしい
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秦漢時代だから、三国志前の時代か。
その頃から庶民の悩み、浮気や恋、生活の苦しさへの悲哀は現代人でも理解出来るほど、筆者により分かりやすく書かれている。
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秦漢時代の庶民の暮らし24時間を細部まで再現する。人物、出来事中心の歴史とは対照的な画期的な試み。
英雄が歴史を動かすのとは異なる、筆者曰く「動かない歴史」。朝起きてから眠りにつくまでの24時間、古代は秦漢の頃の中国にタイムスリップした読者の前に展開される日常生活を生き生きと描いた作品。
筆者の想像ではなく脚注の多さで分かるようにどれも根拠のある描写、筆者の並々ならぬ労力と引き換えにリアルな生活の息吹が読者に伝わってくる。ちょっとしたエピソードや絵、像などを組み合わせたことが成功している。
筆者によるとローマ人の24時間については作品があるようだが、中国史においては画期的な試みのようだ。
黒澤明の「七人の侍」の創作秘話で、武士の一日を描こうとして挫折したエピソードがあるぐらいなので、中国はおろか日本でも同様な作品は難しいのだろう。
新書大賞で1位は取れなかったが個人的にはここ最近の新書ではベストの出来でした。
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これは苦労の集大成。
いろいろな文献の中から
当時の生活がわかる部分を集めてきて
わたしたちにわかりやすいように
ある1日として読み物にしてくれた。
これがあればきっと、タイムスリップや
転生ものが書けるぞ(たぶん)
中華ファンタジーのいろいろな作品を
思い浮かべながら楽しみました。
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秦や漢の時代を中心に、当時の官吏や庶民がどのような1日を過ごしていたのか、イメージが湧いて当時にタイムスリップしたようで楽しめた。膨大な資料にある断片的な情報をつなぎ合わせて普段の生活を再現しようとする取り組みのすごさをとても感じた。当時の人はどんなふうに食事し寝ていたのか、歯は磨いていたのか、口臭を気にしていたのか、どんな風に買い物したのか、などなど、とても面白い。「古代ローマ人の24時間」という本を読んでこの本にたどり着いたが、いずれも面白い。次は、「古代日本人の24時間」を読んでみたい(そんな本はないかもしれないが)。